それでも、まだ生きてる。~第6話~
倫也は、「話すにも順序がある」と言った。まずは、注意事項というものがあるらしい。私は、慌ててメモの準備をした。一、『自分を信じる』二、『家族の繋がりを信じる』三、『昔からある言葉を雑に扱わない』四、『見えない者への敬意の念を忘れない』五、『純粋性を保て』・・・・・二十八、、、、「ちょっと、待って!まだあるの?!」私は、メモをテーブルに置き、倫也を見た。倫也は、片手を口元に置き、クスクス笑いながら、締めくくるように言った。「まぁ、いっぺんに言っても仕方ないな、、あと一つ、最後に大事なのは・・・」『自分を愛する』「絶対に、自分を犠牲にしてはいけない!」と、倫也は真剣な表情でこれだけは護ってほしいと言った。私は「う、うん」と、頷いて、それから続く、倫也の話しに耳を傾けた。「オレの家は、曾じいさんが密教徒で、その縁の寺がある、、今は兄がそれを継いでいて、、、」オレは産まれたときから、音が光で見えていた。それは、みんな見えるものだと思っていた。母親は、聴覚が秀でていて、神さまの言葉が聞こえるタイプだ。所謂、『神さまの声をおろします』的な・・・だから、常識では『見えない世界』が、極々、当たり前に存在する世界として育った。この世界を否定されたのは、小学3年の頃。寺の庭の大きな菩提樹の側で、いつものように『浄化』をしていたら、キラキラ光る金粉が舞ってきた。よくよく見てみると、ピョンピョン飛び跳ねてるやつとかいて、ジーッと見ていると、消え、また出てきては、消え、、、姿が確認できるまで、凝視すると、それは羽が生えていた。「妖精?」それまで、音が光の形状で見えていただけだったから、驚いて、誰かに教え
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