がんばってきたのに、“語る言葉”が残っていない
忙しい日々のなかで、私たちは振り返る時間をほとんど持てませんでしたよね。目の前の仕事を回すこと。生活を守ること。誰かの期待に応えること。それだけで精一杯だった――という人は少なくないはずです。気がつけば年月が過ぎていて、ふと立ち止まったときにこう思う。「私は、何をやってきたんだろう。」その問いに、すぐ答えられない自分がいる。それが、どこか心に引っかかる。なぜ言葉が残らないのかそれは、能力がなかったからでも、経験が薄かったからでもない。ただ、言葉を用意するための余白がなかっただけなのかもしれません。日々はあまりに慌ただしく、「今日は何を感じたか」を書き留める時間も、「自分は何を大切にしているのか」を確かめる時間も、多くの人にとっては「贅沢」でした。評価されるのは、数字や肩書きや成果ばかりで、あなたがどんな気持ちで働いてきたか、どんな葛藤を抱えてきたかを語る言葉は、ほとんど用意されていなかった。だから、「何もしてこなかったわけじゃないのに、何も語れない」という感覚だけが、ぽつんと残る。それでも経験は、ちゃんとある言葉になっていないだけで、あなたの経験は確かに残っています。上司に認められなくても現場を回し続けた記憶。家族のために飲み込んできた気持ち。転職したくても動けなかった事情。そうした記憶は、履歴書には書けなくても、あなたを形づくってきた大切な時間です。ただ――それを「うまく説明する言葉」が、これまであまり用意されてこなかっただけ。ここでは、まだ整理しなくてOKこのシリーズは、「今すぐ言葉にしよう」「きれいにまとめよう」と迫る場所ではありません。言葉が出てこない自分を責める必要も
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