言葉にならなかった経験は、どこへ消えていくのでしょうか。
履歴書に書けないものは、「なかったこと」になるのでしょうか。
前回は、「がんばってきたのに言葉が残っていない」という感覚について書きました。
では、その経験そのものは、いまどこにあるのか。
今日はそこに、そっと目を向けてみたいと思います。
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履歴書に書けない経験は、どこにあるのか
私たちはつい、こう考えてしまいがちです。
「履歴書に書けないなら、たいした経験ではなかったのかもしれない」
「数値や肩書きにならないなら、価値はなかったのかもしれない」
でも、それは本当にそうでしょうか。
履歴書に書けない経験は、たいてい次のような形であなたの中に残っています。
見えない実務の記憶
上司に認められなくても現場を回し続けた判断。
誰も気づかないところで整えた段取り。
トラブルの芽を、静かに摘んできた時間。
飲み込んだ気持ち
家族のために飲み込んできた不満。
自分の希望を少し後回しにした決断。
怒りや悔しさを、外にぶつけず内側で受け止めてきた力。
選ばなかった道
転職したくても動けなかった事情。
安定を優先した選択。
「挑戦しなかった」ように見えて、実は熟慮の末に下した判断。
これらはどれも、履歴書には載りにくい。
でも、あなたを形づくってきた大切な時間です。
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「価値がない」と感じてしまう理由
なぜ、こうした経験が見えにくいのでしょうか。
それは多くの場合、あなたの問題ではありません。
社会の評価軸と、あなたの経験の質が合っていなかっただけです。
数字や成果物、役職名は、測りやすいものです。
だからこそ、評価の場に並びやすい。
一方で――
・人を支え続けた力
・現場を回した判断
・家庭と仕事のあいだで揺れながら選んできた選択
こうしたものは、簡単に数値化できません。
けれど、それが「価値がない」ことにはならない。
ただ、値札がつきにくかっただけ。
その違いは、案外大きいものです。
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いまはまだ、形にならなくてもいい
無理に前を向こうと強いる必要は、ないのではないでしょうか。
「じゃあ、この経験をどう活かすか」と急ぐ必要も。
このシリーズは、すぐに立て直そうと急ぐ場所でも、
すぐに学び直そうと焦る場所でもありません。
いまはただ――
「履歴書に書けない経験が、確かにあった」
その事実を、否定せずに受け止めてみてほしい。
言葉にできなかった経験は、失われていません。
あなたの中に、静かに積み重なっているはずです。
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次回に向けて
次回は、
「履歴書に書けない経験を、どう言葉にできるのか」
という問いを、もう少しだけ具体的に考えてみたいと思います。
評価や結論を急がず、
あなたが歩んできた時間にふさわしい言葉を、次も、ゆっくり探してみたいと思います。
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