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16歳、NYに渡る。【5】

高校へ退学届を提出しに向かう道中、私は一年前、合否を確認するために高校を訪れた時の日のことを思い出していた。口では、不合格でも心の準備ができている。別に構わない。と言っていたが内心は期待と恐怖でいっぱいだった。本来、心から望んでいた道だったのだから無理も無い。当時は、父とではなく母と一緒だった。母は校門をくぐると脇へ進んで立ち止まり、合格者が張り出されているボードへと向かう私を見守っていた。正直、手応えも自信もあった。推薦入試は私が得意とする論文と面接だったし、何度思い返しても面談での自分も面接官の先生の反応も完璧だったのだから。けれど、その自信と比例するように抱く恐怖も大きかった。(すべて自分の思い込みだったら・・・驕れるものも久しからず・・・)ついに自分の番号を見つけた時の安堵と喜びは言わずもがなである。一年後・・・私は再び、恐怖と期待、そして決意を抱いて同じ道を黙々と進んでいた。頭の中では高校で過ごした一年間を一つ一つ思い返しては、心にしっかりと刻み込む作業を繰り返していた。この一年は、幸運にも与えられた猶予、序章、前置きだったのだ。と自分に言い聞かせた。もしも、はじめから高校に行かない決断をしていたら・・・できなかったであろう経験や出会いに感謝した。(本当にできるのか?自立なんて・・・)と同時に、頭の片隅の奥深くから、当時、私をよく悩ませ苛んでいたひどく意地悪な囁き声が、微かだかしかし確かな存在感のあるその声が響き渡っていた。(大好きな祖父母や母の期待を裏切るのか?いい子ちゃんのお前に本当にそんな仕打ちができるのか・・・?)脳裏に祖父母の心底がっかりした、軽蔑にも近い表
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16歳、NYへ渡る。【4】

ここで、一つ言っておきたいことがある。私は自分の今までの人生に悔いはないし、全てはなるべくしてそうなったと思っている。経緯はどうであれ、最終的に私の冒険はとても有意義なものだった。想定外の出来事には見舞われたけれど、決して自分を不幸だと思ったことはない。なぜなら、私には選ぶ権利があったから。自由とはイコール楽なものじゃない。幸せもまたイコール楽ではないのと同じこと。とにかく。私はある時、大きな交差点に出会い、自分で進む道を選んだ。確実に苦労すると楽ではないと分かっている道を自ら選び取った。選ばなかった道で負うであろう苦悩や葛藤よりも、選んだ道の苦労のがまだ望ましかったからだ。さあ、さっさと書いてしまおう。前回は私の物語の「起」のはじまりについて話した。だから今回はその終わりについて話そう。「承」へつづく物語を。私の選んだ高校は、単位制の高校で一年目で必修科目を履修すれば、2年目から必修の他に「ドイツ語」などの他国言語などを選択できるという特色があった。私は本好きが高じて言語に興味があった。もしも、大学に行くことができれば外国文学や言語学を学びたいと思っていたが(高校に進学した当初は、親に頼らずに大学へ進む方法を模索していたしまだ諦めていなかったが)万が一行けなかったとしても、これで少しは好きなことを学ぶことができると思ったのだ。私にとっての学業とは、強いられて勉める「勉強」ではなかった。自ら業を求めて学び習得するものだ。義務教育はともかく。それ以降、親のお金を使わせてもらう以上、なおのことそうだった。一年目、私はバイトもはじめ、軽音楽部にも入り、2年目に向けて精一杯学校生活を楽
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16歳、NYへ渡る。【3】

小説が好きな人ならきっと知っている。どんな冒険も唐突に始まったりはしない。「起承転結」ルールに則って何かしらことの発端となる出来事が起こるのだ。そしてそれは大抵、不幸な事だ。なぜなら、アンナ・カレーニナの冒頭でトルストイが明言しているように「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」からだ。ハリー・ポッターは、闇の魔法使いに両親を殺され、自分だけ生き残った。ナルニアでお馴染みの4きょうだいは、戦争のために親元を離れ、屋敷に疎開することになった。はてしない物語のバスチアンは、母親が亡くなった上にいじめにあっていた。・・・あげればキリがない。私の物語も例外なく、そうだった。それまで、私の未来は明るかった。望みの高校には推薦をもらい入学することができた。赤本を読みまくり、自分が理想とする行きたい大学の目星もついていた。その時まで、私は自分が何者で、どう生きていきたいのか、何者になりたいか、何をしたいのか全てわかっているつもりでいた。そして、私は、現実の厳しさを知ることになる。いや、薄々気づいていたのに守られていたせいで直視できなかった現実を直視することになったのだ。ことの発端は、両親の死でも怪しい指輪でもない。たった一本の電話だった。それは高校受験の志望校を決めようと様々な明るい未来を思い描いていた矢先のことだった。決して私が取るべきではなかった。と同時に、私以外取るものがいなかった電話。それこそが、私にとっての冒険へと繋がる「起」だった。私は、電話が切れるその瞬間まで無知な子供のふりをすることを自分に許した。そして電話の相手は、私相手に話して
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16歳、NYへ渡る。【2】

NYへ渡る。と言う決断が私にとってどんなに大きな決断だったのかを知ってもらうには、私の家族を知ってもらう必要がある。私の家は、今時珍しい大家族だった。父母、妹、祖父母、曽祖母、叔父、叔母、そして猫が二匹。祖父は板金職人で、祖母は料理や裁縫、茶道に着付け、なんでもござれのすごい女性で、私は2人を尊敬し、今でも大好きだ。我が家の女性は結婚、出産が早かったから、まるで祖父母が第二の両親であるかのような環境だった。私はある意味とても幸運な幼少期を過ごした。特別裕福ではなかったが、孤独はなく、空腹な時もなく、多くの経験を与えられ、多くの師と多くの温かい手で守られていた。そう、近年稀に見るほど恵まれた子供だった。5歳の頃、祖父に連れられて祖父が所属していた睦で江戸祭囃子を始めた。そこでも私は唯一の子供として、とても大切にされた。そこで私はあらゆるお祭りを経験し、楽譜のない音楽を学び、音で人を笑顔にできることを学び、そのための努力を、幼い頃から親元を離れ、旅をすることを学んだ。祖母は躾けに厳しい人だったが、それが愛ゆえだと私は知っていた。祖母は私が後に、仕事にするようになる料理を教えてくれ、茶道を教え、自分のことは自分でできるように様々なことを教えてくれた。工作が好きだった私が自由に想像力を羽ばたかせることができるようにしてくれた。かと言って、全てが完璧だったわけではない。完璧などあり得ないのだ。私の父はほとんど家にいなかった。祖父母は仲睦まじかったが、両親は不仲だった。父は根っからの良い人ではあったが、大きな弱点があった。ギャンブルだ。母が泣くのを聞いたのは一度ではない。それでも私には常に
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16歳、NYへ渡る

今思えば、よくもあんなことが出来たものだと思う。後悔はないし、素晴らしい体験であったことは間違いないが、子を持つ親となった今となっては、過去の自分に感心するやら恐ろしささえ覚える。タイトルだけを見れば、あまり驚くことではないかもしれない。今時、留学をする子は少なくないのだから。けれど、これはそういうことじゃない。「16歳、留学をする」ではないのだ。私は、留学することもなく、頼る知人もなく、泊まるあては最初の二週間ユースホステルに予約したのみという状況で、アルバイトで貯めたなけなしのお金を握りしめて(これは比喩。ちゃんと財布に入れて)たった1人でNYへ渡ったのだ。なぜ行ったのか?若者がよく言うアレ・・・「自分探しの旅」ってやつも一つ。世界を見てみたかった。と言うのも一つ。けれど何より、「一人きり」になりたかったから。当時、家庭の事情もごたついていて、私は思春期真っ只中、通っていた高校でも想定外の問題が持ち上がり・・・一言で言うと私は完全に迷子になったのだ。それまでは、自分なりに描いていた人生の道筋が確かにあったのに、それが突然かき消えてしまった。その頃の毎日は、荒波に揉まれている気分だった。人生の大事な岐路に立っていると言うのに、落ち着いて考えることも出来ず、何をしたいのか、どうしたいのかもわからず、周囲の大人たちの言葉に、期待に、がんじがらめになって、私は溺れそうだった。そして、生き残るために必死で泳ぎ、荒波から逃げ出したのだ。それを思い立ったのは、既にもがき疲れ、何もする気力が起きなくなり、暗くなった部屋で明かりもつけずにポツンと座り込んでいた時だった。「このままでは、生きな
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イライラがなくなる!?周りを変える魔法

こんにちは♪「なりたい自分になるコーチング」のみらいです!今回は”イライラがなくなり、周りまで変える魔法”をお伝えします。みなさんは周りの人に「もっと優しくしてほしい」「なんでわかってくれないの!?」と思うことはありませんか?笑イライラが止められないと・つい相手に色々言ってしまったり。・私が悪いのかな・・と自分をいじめてしまったり。実はこれ・・自分が自分に対して求めていることだったんです!もっと優しくしてほしい→自分に優しくしてる?何で分かってくれないの!?→自分にどのくらい寄り添ってる?つまり自分で自分を満たせていないと周りの人に求めるようになるんです。みなさんは”シャンパンタワーの法則”は聞いたことありますか?シャンパンタワーとは「シャンパングラスをピラミッド上に並べて1番上からシャンパンを注ぐセレモニー」のことです。そのシャンパンを1番上のグラスを自分2段目のグラスを家族3段目のグラスを友達や仕事の同僚4段目のグラスをお客様や地域の皆様と見立てていきます。セレモニーでは1番上のグラスからシャンパンが注がれます。1番上がいっぱいになると、溢れたシャンパンが2段目、3段目・・と順番に流れます。つまり自分のグラスを満たすことで周りにも与えることができるあなたは自分のグラスは満たせていますか?ずっと空ではないですか?周りを変えたい!イライラする!その気持ちはものすごくわかります。でもその前に自分を満たすことを最優先すること心に余裕ができると小さなことでイライラしなくなります。周りにもそれが伝わり、どんどん周囲の人間関係のトラブルが減ります。何よりもあなたがより自分らしくいられる♪
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2023年自分らしい過ごし方・働き方できましたか?

10月になり少し肌寒くなってきた今日この頃。いかがお過ごしでしょうか?年内も残りわずか。1年を振り返る季節になってきましたね。年始に立てた目標、思い描いていた通りの過ごし方。今年は実現できましたか。「いや、微妙だったなぁ……全然思っていた通りじゃなかった」そんな方もまだ残り2ヶ月あるので大丈夫。今年頑張れたこと、もっとやれたこと、来年こそは成し遂げたいこと…私といっしょにあなたの頑張りと今年1年を振り返ってみませんか。こちらのビデオ相談サービスは現役のフリーランスやフリーランスを目指す方向けのキャリア相談サービスですが、2024年をより良く迎えるために仕事や働き方についても気軽に話せる場です。現在34歳の私は20代の頃から副業をしながら正社員、契約社員、パート、アルバイト、さまざまな働き方を経験して独立し7年前にフリーランスになりました。自分の考えを否定せず、同じような立場で物事をいっしょに見たり、考えてくれる人がいたらいいなと感じました。だから、そういった場を私が作ることにしたんです。一日の大半を占める仕事。人生と密接に関係するもので仕事選びも働き方も絶対に妥協してはダメ。自分の強みや特技を生かして自分らしく働く人、自分らしく生きる人を増やしたい。世の中を少しでも良い方へと変えていきたい──という思いで相談に乗っています。☑️周りには会社員やパート、アルバイトなど雇用されて働く人しかいない☑️フリーランスの話を聞いてみたい☑️自分らしいキャリアや自分の価値観やライフスタイルに合わせた働き方をしたい☑️フリーランスとして独立するための道を探しているこのような方に特におすすめです
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強さとは何か

強さとは何か…これは、 私の中で、 ずっと問いているものです。 ではなぜ、 この問いをするのか。 答えはシンプルです。 何事にも負けない自分でいられた方が、 生きやすいと思えたからです。 では、なぜ?強いと感じられないのか? それは、 「リスクを考え行動ができない」「行動をしてもずっと続けられない」「考えがブレてしまう」「人の意見で自信を無くす」「自分自身を否定してしまう」など、 色々と強さを感じられない 理由を挙げれば、 他にもまだ出てきます。 そして、 そういう負の感情によって、 心が支配されるたびに、 情けなさや、 苛立ちを感じていました。 その度に、 【強くなりたい】そうならなくては! それからは、 書籍やセミナー、 勉強会やスクール、 格闘技など、 色々なものに、 手を出し、 自分を変えたい、 強くなりたいと、 必死に取り組んでいました。 ただ… それでも…自分が強くなったという風には、 思えなかったのです。 強さに対する考え方や 知識、心構えなどは、 分かりましたが、 強さを身につけたか?と問われれば… そこまで変わってはいないと… そんな時、 私にとって、 もう1人の父親と呼べる方、 そして、 私にとって、 恩師と呼べる方々から、 全く同じ言葉を、 それぞれのタイミングで 私に伝えてくれました。 ※ もう1人の父親は、 前回の、ブログ(言葉と向き合う大切さ) に登場してきます。まだ読んでいない方は、 是非読んでみて下さい。 それは、 【強さとは強くあれ】正直、この時、私は、 『は?強くあれ?何を言ってるの?』 『意味がよく分からない』 という 困惑と苛立ちのような
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怪談話を聞いて

実体験型の怪談話を聞いたとき思ったことある怪談師のお話で知人の女の人が何か様子が変でとある有名な除霊ができる巫女さんに除霊をしてもらったという内容だったのですがその一連の流れの会話の様子を聞いてて除霊できる人はほんとに強い情けは無用!!とスパンと切れる精神力そして情けに弱いとか完全に感情に身を任すような情緒な人がそういうのに乗ってこられやすいのかなって思いましたちゃんと自分という存在をしっかりもってないと人であれ、目に見えない霊という存在であれ寄りかかられやすいんだろうなぁ、、、そしてやはりこの地球上では生きてる人間が強い存在らしい一番怖いのは “人間だ” は本当なのかもしれないなぁ、、、
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