定年後、長年培ったキャリアを活かし社会貢献!ニッチな分野を開拓し、挑戦を続けるシニア出品者の働き方とは

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こんにちは。ココナラ広報です。
ココナラには定年後、スキルを活かしてサービスを提供している出品者さんがいます。
今回ご紹介するのは、大学を定年退職した後、長年培ってきた古文書関連のスキルを活かして「古文書解読サービス」を提供する⽺雲庵(よううんあん) さんです。


【経歴・キャリア】高校教師、公文書館職員、大学勤務を経て定年

学生時代は日本史を専攻し、歴史資料の読み取り方を学びました。卒業後は高校教員に就き、その後、公文書館職員として史料の調査などに携わりました。蔵の解体に伴い発見された史料をリストアップしたり、大福帳や証文をもとに当時の商売の形態や取引の分析などを行いました。その後は、行政→研究機関→大学職員と進みました。研究論文は書いていたのですが、研究面で自分のオリジナリティを発揮できる才能には恵まれていないと痛感したため、裏方に回り、能力のある研究者にいかに良い研究をしてもらうかをサポートする経営側の仕事をしていました。
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史料の例

【副業をはじめたきっかけ】定年退職後、新たな挑戦!自分のスキルをネットで売る

定年退職後、自分に何ができるのか考えました。「再雇用で仕事をしないか」と声をかけられ事務の仕事をしましたが、その後コロナが広がったこともあり、辞めました。
あるとき、「がっちりマンデー」というテレビ番組を見て、ココナラで自分のスキルを活かして活躍している人がいることを知りました。そのことをきっかけに、ネット環境さえあれば、自分の好きな時間に一人で完結する仕事ができると思い立ち、古文書を読むスキルを活かそうと考えたのです。そこで、古文書を解読するサービスを広く提供するため、リサーチをはじめました。
ココナラでは既に2人の方が「古文書読みます」というサービスを提供しており、全国にも解読サービス業者がいくつかあることがわかりました。
それから、「一定数の需要はあるだろう」「自分にもできるのではないか」と見当をつけ、62歳の時にココナラに出品しました。

【ココナラで出品しているサービス】「古文書解読サービス」

くずし字(草書体)で書かれた文書や漢文を解読するサービスを提供しています。
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実際に出品しているサービス

実はこのサービスを提供するまでには多くの苦労がありました。実際に出品しようとすると、どの程度の対価で提供すればよいのかが分からなかったのです。ネットで調べた業者は法人相手の仕事で料金が高く、個人の利用者が多そうなココナラでは、どの程度が適当なのか。
また、古文書の解読は掛け軸のように何文字かしか書かれていないものから、冊子のように100ページ以上あるものまであります。
文字の難易度によって、読み解く時間が変わるため、「文字数✖️難易度=解読に要する時間」になるため、どのバランスでどの程度の対価にするか、非常に悩みました。
実は、掛け軸1本でも読むのに何日もかかることがあります。たとえば、山岡鉄舟は江戸城の無血開城の立役者であり、明治天皇の侍従でもあった人物で何万点も書を残したと言われているのですが、非常に癖がある字を書きます。芸術作品のような文字のため、1文字を判読するのも難儀で大変悩みます。一方で、木版本のようにスラスラ読めるものもあります。
出品しながら、読めるスピードから割り出した所要時間の見当をつけて価格バランスの仮説検証を繰り返した結果、今の料金体系に辿り着くまでに1年くらいかかりました。
しかし、新たな挑戦をすることは、人生をかけてやってきたことを世の中に提供できる、うってつけの機会になると肌で感じました。
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現在の料金体系(2023年2月時点)

【やりがい】戦時中の想いの詰まった手紙を解読し、ご家族に届けられた

このサービスによって、文章が解読でき、ご依頼いただいた方が喜んでいただけることが一番のやりがいです。
ご自身の祖先が書き残したものがはじめて読めて嬉しかったという声をいただきます。感動的だったのは、戦死なさったお祖父様が戦地から家族に送った手紙です。ご依頼されたお孫さんがお盆に親族が集まる時に、皆さんの前でその手紙を読んでお祖父様を偲んだというお話は印象的でした。
古文書解読は、非常に専門性が高い仕事だと思います。需要は多くはないかもしれません。しかし、インターネットが広がった今、ココナラのようなサービスを活用することで全国に自分のスキルを届けることができます。専門性が高いゆえに、需要が少ないと思われるサービスでも、全国でみると、そのスキルを必要としている人が一定数います。肌感覚ですがオフラインの場合と比べ、10倍以上は依頼が来ているように思えますし、海外から依頼がくることもあります。定年後、体力的に衰えていくなか、こうしてオンラインかつ一人で完結できる仕事ができていることは、ココナラで出品してよかったことのひとつだと思っています。

【定年退職後も働く価値】培ったスキルや経験を社会に還元し、収入も得る

多くの方が定年退職後「自分が何をするか」「足りない生活費をどう稼ぐか」など考えると思います。その選択肢のひとつとして、自分自身が積み上げてきたスキルや知識、経験を活かすことを選んでもいいと思います。何十年も培ってきたスキル・経験・知識を活かさないのはもったいないですし、社会に対して自分ならではのスキルを提供することは生きがいになります。
ボランティア活動をして今までのスキルを社会に還元するという選択肢もあります。しかし、自分自身が持っているスキルを必要としている人がいて、それを届けることで喜んでもらい、「お金」という対価をいただくことは、社会の一員である実感を得られます。また長い時間をかけて培ったスキルや経験を社会に還元することは、社会にとっても大きな価値になると思います。

【夢・展望】古文書解読のプロの認知度をあげる

これまで古文書解読の専門家としてココナラでサービスの提供を続けてきました。出品の形態や価格など試行錯誤してきましたが、今後は自分のスキルをより多くの人に届けたいと思っています。今でもある程度需要はありますが、年間1,000件を超える量ではありません。古文書解読のプロがいるという認知が広まり、必要としている人に自分のスキルを届けることができればと思っています。

【定年後の働き方のメッセージ】サラリーマンでは味わえない、個人として誰かの役に立つ喜びを実感

チャンスを見つけることが大切だと思っています。
私と同じくサラリーマンで働いてきた方にとっては、組織で働いてきたこれまでの人生とは違い、個人として誰かの役に立つ喜びを実感できるのが醍醐味です。
一旦会社から出ると、持っていることを活かす場がすぐには見つからないかもしれませんし、やる気もなかなか湧いてこないかもしれません。しかし、なんらかのきっかけを見つけて、潜在的な需要を自分なりにスキルと結びつけて構築する工夫が大切です。ぜひチャレンジする気持ちを持って取り組んでみませんか。
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