― 身体は、思っているより閉じやすい ―
ごくごく当たり前の事ではあるのですが…
私たちは普段、身体を「伸ばしている」よりも、「曲げている」時間のほうが多いのではないでしょうか。
座って仕事をする。
スマートフォンを見る。
テレビを見る。
食事をする。
車を運転する。
こうした日常生活を振り返ってみると、身体には「曲がったまま」「閉じたまま」になっている場所が意外とたくさんあります。
そこで私が考えているのが、
『OPEN BODY』
という考え方です。
◎身体は、いろいろなところが「閉じやすい」
例えば、
- 首は前に出る
- 肩は前に入る
- 胸は丸くなる
- わきは閉じる
- お腹は縮む
- 股関節は曲がり、内側に閉じる
- 膝は曲がったままになる
このように、身体には普段から「曲がっている場所」「閉じている場所」があります。
さらに、手首も屈曲した状態になりやすく、手指も意識しなければ、なかなか大きく伸ばすことがありません。
足の指も同じです。
靴の中に入っている時間が長く、普段から意識して動かす機会は意外と少ないものです。
足首については、少し違った考え方ができます。
日常生活では、立っている時や歩いている時など、足首が伸びた状態になる時間があります。
そのため、時には意識して足首を曲げ、ふくらはぎや
アキレス腱を伸ばしてあげる。
これも「OPEN BODY」の一つです。
つまり、すべての場所を同じように伸ばせばいいということではありません。
その場所が、普段どの方向に偏っているのかを見る。
そして、反対方向にも少し動かしてあげる。
これが大切だと考えています。
◎年齢とともに「曲がる場所」が増えていく?
私は、加齢について考える時、
「身体が硬くなる」
という言葉だけでは少し足りないように感じます。
年齢とともに
曲がる
↓
縮む
↓
閉じる
という方向へ身体がまとまりやすくなっていく。
もちろん、これは加齢だけが原因ではありません。
長時間の座位、スマートフォン、パソコン、運動不足、同じ姿勢の繰り返しなど、日々の生活習慣も大きく関係します。
しかし、長い年月をかけてこうした姿勢や動作を繰り返していると、身体が「いつもの位置」に戻りやすくなることは考えられます。
◎身体を「曲がったまま」にしない
そこで、特別な運動をする前に、まず日常の中で、
「今、身体のどこが曲がったままになっているだろう?」
と考えてみる。
そして、その場所を少しだけ反対方向へ動かしてみる。
例えば、
腕を下ろしていたら、腕を上げる。
胸が丸くなっていたら、胸を開く。
股関節を曲げて座っていたら、立って股関節を伸ばす。
脚を閉じていたら、時々開いてみる。
膝を曲げていたら、脚を伸ばす。
手首を曲げていたら、手首を伸ばす。
握っていた手を、パッと開く。
足の指を、一本一本動かしてみる。
足首を曲げて、ふくらはぎやアキレス腱を伸ばす。
どれも特別な運動ではありません。
◎「無理に伸ばす」のではなく「自然に開く」
ここで大切にしたいのが、
「ストレッチをしなければいけない」
と考えすぎないことです。
OPEN BODYで大切なのは、強く伸ばすことではありません。
普段使っている方向とは反対方向へ、身体を少し動かしてあげる。
つまり、
身体を「開く」
という感覚です。
痛みを我慢して無理に伸ばす必要もありません。
「気持ちいい」と感じる程度で十分です。
◎身体は重力の中で生活している
もう一つ考えておきたいのが「重力」です。
私たちは毎日、自分の体重を重力の中で支えながら生活しています。
年齢とともに筋力や柔軟性、バランス能力などが変化すると、身体は少しずつ「楽な姿勢」を選ぶようになります。
頭が前に出る。
背中が丸くなる。
股関節や膝が曲がる。
身体全体が少しずつ縮こまっていく。
こうした変化を考えると、日常の中で身体を「伸ばす」「開く」という習慣には意味があるのではないでしょうか。
◎「寝る時に腕を上げている」ことも?
例えば、肩こりのある方の中には寝る時に両腕を頭の上へ上げて、いわゆる「バンザイ」のような姿勢になる方がいます。
これは肩や胸まわりに不快感がある人が、無意識に自分が楽だと感じる姿勢を選んでいる可能性があります。
身体は、自分が楽になる姿勢を探しているのかもしれません。
こうした「身体が選んでいる姿勢」を「なぜこの姿勢が楽なのだろう?」
と考えてみることが大切だと思います。
◎OPEN BODYは「老化に逆らう」ことではない
私は「アンチエイジング」という言葉よりも、
アクセプト・エイジング
という考え方を大切にしています。
年齢を重ねることそのものは、止めることができません。
身体の変化も、ある程度は自然なものです。
だから、若い頃の身体に戻そうとするのではなく、
今の自分の身体を受け入れながら、できるだけ動ける範囲を保っていく。
そのための一つの考え方として、
『OPEN BODY』
があります。
曲がりやすい場所を、曲げたままにしない
特別なトレーニングをしなくても、
朝起きた時に腕を上げる。
仕事の合間に胸を開く。
座りっぱなしになったら立ち上がる。
手を握ったら、しっかり開く。
靴を脱いだら、足の指を動かす。
お風呂上がりに、ふくらはぎをゆっくり伸ばす。
そんな小さな動作でもいい。
大切なのは、
「身体のどこが、普段曲がったままになっているか」
に気づくことです。
そして、
「曲がりやすい場所を、曲げたままにしない」
「普段曲がっている場所を、時々伸ばしてあげる」
これを日常の習慣にしていく。
それが私の考える『OPEN BODY』です。
年齢には逆らわない。
でも、身体まで閉じたままにはしない。
OPEN BODY
- 閉じる身体に、開く習慣をー