筋肉は「若さ」のためだけにあるのではない

筋肉は「若さ」のためだけにあるのではない

記事
コラム
「最近、体力が落ちたな。」
「階段が少ししんどくなった。」
「昔は普通にできていたことが、少し面倒になった。」

歳を重ねると、そんな変化を感じることがあります。

でも、こうした変化があると、
「もう歳だから仕方ない」
と考えてしまうこともあります。

一方で「若い頃のような身体に戻らなければ」
と、無理な運動を始める人もいます。

私は、そのどちらでもない考え方があっていいと思っています。

それが「今の自分の身体を、これからも使っていくために筋肉を大切にする」
という考え方です。

◎筋肉は「見せるため」だけのものではない


筋肉というと

腹筋が割れている。
腕が太い。
お尻が引き締まっている。

そんな「見た目」をイメージする人も多いと思います。
もちろん、それも筋肉の一面です。

でも、本来筋肉は

・立つ
・歩く
・座る
・立ち上がる
・階段を上る
・物を持つ
・身体を支える

そんな、当たり前の日常を支えるためにあります。

つまり筋肉は「若く見せるためのもの」ではなく、
「自分の身体を使い続けるためのもの」でもあるのです。

◎「体重」だけを見ていると、大切なものを見落とす


以前の記事で「痩せることと、美しい身体は同じではない」
という話を書きました。
これも筋肉と深く関係しています。

例えば、体重が3kg減ったとしても、
筋肉まで減ってしまえば
「身体が軽くなった=身体が良くなった」
とは限りません。

数字だけを見ると
「痩せたから成功」
と思ってしまいます。

でも、本当に大切なのは
「何kgになったか」だけではなく「何が残っているか」
ではないでしょうか。

体重計には、筋肉も脂肪も骨も内臓も表示されません。
だからこそ、体重だけで自分の身体を評価するのは少し
もったいない気がします。

◎歳を重ねるほど「下半身」が大切になる


日常生活を考えてみると、特に大切にしたいのが下半身です。

・歩く
・立ち上がる
・階段を上る
・しゃがむ
・方向を変える

こうした動作には、脚やお尻などの筋肉が関わっています。
そして、歳を重ねるほど、

「歩ける」
「立てる」
「自分で移動できる」

ということの価値は大きくなっていくのではないでしょうか。

若い頃には当たり前だったことが、歳を重ねると
「自分の生活を支える能力」になっていく。

そう考えると、筋肉を維持することは単なる美容ではなく、
「自分の生活を自分で支えるための準備」とも考えられます。

◎筋トレは「若返り」のためにする必要はない


筋トレを始める理由は、人それぞれです。

痩せたい。
身体を引き締めたい。
スポーツのため。
健康のため。

もちろん、それでいいと思います。

ただ「若い頃の身体を取り戻さなければ」という理由だけで
頑張る必要はないのではないでしょうか。

今の自分に必要な筋肉をつける。
今できる動作を維持する。
できなくなってきたことを、もう一度できるようにする。
これから先も、自分の身体を自分で使えるようにする。

そんな筋トレがあってもいいと思います。

◎「できること」を守るという発想


私は、歳を重ねるほど
「何ができるようになるか」
だけではなく
「今できていることを、どうやって守っていくか」
という視点が大切になると思っています。

自分で靴下を履ける。
自分で階段を上れる。
自分で買い物に行ける。
旅行に行ける。
好きな場所まで歩いて行ける。
趣味を続けられる。

こうしたことは、普段はあまり意識しません。

でも、それを支えているのは
日々の身体の使い方です。

筋肉をつけることは、筋肉そのものを目的にするのではなく、
「これからもやりたいことを続けるための身体」をつくること
なのかもしれません。

◎「歳だから動かない」ではなく「動かないから身体が変わる」こともある


もちろん、年齢による身体の変化はあります。
若い頃と同じようにはいかないこともあります。

だからといって
「歳だから動かなくなった」
とすべてを年齢のせいにしてしまうのも、少し違うように思います。

身体は使うことで変化します。
反対に、使う機会が減れば、身体の機能も変わっていきます。

だからこそいきなり激しい運動をする必要はありません。

歩く。
立つ。
階段を使う。
少し身体を動かす。
できる範囲で筋肉に刺激を与える。

まずは「今より少し身体を使う」ことからでも
いいのではないでしょうか。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2~3日行うことが推奨されています。

◎筋肉を増やすことより、「身体を使うこと」を忘れない


私は、筋肉の話をするとき

「何kgのダンベルを持つか」
「何回スクワットをするか」

という話だけになってしまうのは少しもったいないと思っています。

もっと大切なのは
「自分の身体を使う習慣があるか」
ということではないでしょうか。

筋肉は、身体を動かすためにあります
だから、筋肉をつけることと身体を使うことは、
切り離して考える必要はないと思います。

◎アクセプト・エイジングと筋肉


アクセプト・エイジングは
「歳を取ったから、もう仕方がない」
と諦めることではありません。

逆に「歳を取ることを認めたくない」と、
若い頃の自分を追い続けることでもありません。

今の自分の身体を知る。
今の自分に必要なことを考える。
そして、これから先の自分のために身体を整える。

筋肉についても、同じことが言えると思います。

若い頃の身体を取り戻すのではなく
今の自分の身体に必要な筋肉を大切にする。

そのために身体を動かす
食事を考える。
休む。

そして、できることを少しずつ続けていく。

◎筋肉は「若さの証明」ではなく、「未来の自分への準備」


筋肉があるから若い。
筋肉がないから老いている。

そんな単純な話ではありません。

大切なのは「これからも自分の身体を使っていけるか」
ということ。

旅行に行きたい。
好きな音楽を聴きに行きたい。
趣味を続けたい。
友人と出かけたい。
自分の足で好きな場所を歩きたい。

そんな未来を考えたとき
筋肉は「若さのため」ではなく
「自分らしく生きるため」
に必要なものなのかもしれません。

◎若返るためではなく、これからを楽しむために。


歳を重ねることを受け入れる。
身体の変化も受け入れる。

そのうえで
「では、これからの自分に何が必要なのだろう?」
と考えてみる。

筋肉を大切にすることも、その一つだと思います。

若い頃と同じ身体を目指さなくてもいい。
今の自分に必要な身体をつくればいい。

アクセプト・エイジングとは、諦めることではなく
これからの自分に目を向けること。

私はそんなふうに考えています。
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