こんにちは!ココナラで【トランスジェンダー・育児・家族・脳卒中】の当事者電話相談をお受けしている、くまごろうパパです。
今日は、トランスジェンダー(FTM)の僕が小学校に入学したころの幼い葛藤についてお話ししていこうと思います。
小学校に入学する。それは、社会という名の大きな舞台に上がるようなものです。
でも、僕に配られた台本には「女子」という役名がしっかりと書き込まれていました。
当時の僕は、それがなんだか自分には似合わない役のような気がして、台本を読み返すたびに首を傾げていたんです。
「僕、こっちの役じゃない気がするんだけどな……」
でも、それをどう伝えればいいかもわからない。だって、周りの大人たちはみんな、僕がその役を演じるのが当たり前だと思っているから。
僕は、ちょっとした違和感を抱えたまま、小学校の門をくぐることになりました。
幸いなことに、僕の通った小学校には制服がありませんでした。これは、当時の僕にとって最大の救いでした。
もしスカートを履かなきゃいけなかったら、僕は毎朝、学校に行く前に心の中で小さな戦争を繰り広げていたことでしょう。
僕は毎日、当たり前のようにズボンを履いて登校しました。
小さな田舎町で毎日ズボンでいる僕を見て近所のおばあちゃん達は、「あらー、男の子みたいだねぇ。」なんて、今思えば割と失礼なことを言われてたけど、それでも僕的には密かに喜んでいました。
でも、どうしても避けられない「色」がありました。そう、ランドセルです。
僕らの頃、選択肢は「黒」か「赤」の二択。
心の中では「黒がいいな」と100回くらい唱えていましたが、「女の子は赤」という見えないルールを破る勇気は、当時の僕にはありませんでした。
そのランドセルは、離れて他県で暮らしていたお母さんが贈ってくれたものでした。
きっと、お母さんは「一番いいものを」と奮発してくれたのでしょう。
僕の手元に届いたのは、みんなが背負っているピカピカの人工皮革の赤ではなく、本革の、それもすごく濃くて深い「重厚な赤」でした。
正直に言いましょう。めちゃくちゃ浮いてました(笑)。
「どうせ赤なら、みんなと同じ色がよかった……」
しかも本革ですから、みんなのより圧倒的に重いんです。ただでさえ気が重い登校なのに、背中には「お母さんの愛の重み」がズッシリ。
大人になった今なら「なんて良い品なんだ」と分かりますが、当時の僕にとっては、物理的にも心理的にも、ちょっと重たすぎる代物でした。
僕が祖父母と暮らしていたのどかな田舎町に対してお母さんは、都会(と言っても地方都市ですが)の真ん中に住んでいました。
たまの長い休みに帰ってくるお母さんは、僕にとって「都会の風を運んでくる人」でもありました。
でも、そのセンスが時々、僕のキャパシティを超えてくるんです。
「今はこれが女子の間で流行ってるのよ!」
そう言って取り出したのは、赤、青、黄色、と原色が踊るカラフルなヘアゴムの束。
「……え、嘘でしょ?」と思う間もなく、僕の頭はあちこち結びまくられ、鏡の中にはカラフルな角が生えたような僕が。
「本当にこんなの流行ってんのかよ!」
口には出せないけど、心の中でツッコミを入れつつ、たまにしか会えないお母さんの嬉しそうな顔を見ると、どうしても「嫌だ」とは言えません。
僕はされるがままに結ばれ、都会の(自称)最先端を頭に乗せて、静かに耐えるのでした。
違和感と、優しさの狭間で
なんとなく、「これは受け入れなきゃいけないことなんだ」
子供ながらに、僕はそう悟っていました。
自分の性別への違和感も、重すぎるランドセルも、派手すぎるヘアゴムも。
全部、誰かの愛情から来ているものだと分かっていたから。
でも、この小さな我慢の積み重ねが、少しずつ僕の心に「自分だけの秘密」を作っていったような気がします。
そしてまた、普段は家族から離れ、一人都会で頑張っているお母さんには優しくしなくちゃ、期待に応えなきゃという小さな心の隅に沸いた気持ち。これが後に自身を、毒親育ちのヤングケアラーにしていく蕾でもありました。
これはもう少し後のお話。
日々の違和感と増える秘密、でも辛いばかりじゃなくて温かい家族にもかこまれ、たまに感じる痛みもどこか他人事のような、不思議な感覚。
そんな僕が、ある日の下校中、とんでもない事件を起こしてしまいます。
背中には、例の「重すぎる本革の赤」。
そして僕の額からは、なぜか真っ赤な血が……。
これは番外編でまた後日(笑)
ーーー少しずつ形となって表れてきた違和感や葛藤のお話は、今日はここまでとなります。最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
もし今、あなた自身が性別のことで悩んでいたり、または家族との関係に悩んだりなど、周囲に言えないモヤモヤを抱えているなら、どうか一人で抱え込まずに私にお声を聴かせてくださいね。
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