36協定、出して終わりにしない

36協定、出して終わりにしない

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「うちは36協定を出しているから大丈夫」。経営者や管理職の方から、よく聞く言葉です。でも実務では、届出はスタートラインです。問われるのは、そのあとの"運用"。今日は、押さえどころを4つに整理します。

■1. 36協定は「残業の前提条件」
労働基準法では、労働時間は原則1日8時間・週40時間まで。これを超えて残業をさせたり、法定休日に働かせたりするには、労働者の過半数代表などと36協定を結び、労働基準監督署に届け出ることが必要です。見落としがちなのが代表者の選び方。会社が指名するなど選出が適正でないと、協定そのものが無効とされています。

■2. 上限は「罰則付きの法律」
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、①時間外は年720時間以内 ②休日労働との合計で月100時間未満 ③2〜6か月の平均がすべて80時間以内 ④月45時間を超えられるのは年6回まで、とされています。かつては告示にとどまっていた上限が、いまは罰則付きで法律に定められています。

■3. 実務でつまずく3つのポイント
・数えるのは「所定外」ではなく「法定外」の時間。ここを取り違えると判定を誤ります。
・②と③の上限は、特別条項を使わない月も含めて、1年を通して常に守る必要があります。
・特別条項の理由に「業務の都合上必要な場合」といった書き方は認められません。恒常的な長時間労働を招くおそれのある定め方はNGです。

■4. 「出して終わり」にしない運用
国の指針では、時間外・休日労働はそもそも必要最小限に、そして限度時間を超えて働かせる場合には、健康・福祉を確保する措置(医師による面接指導、勤務間インターバル、代償休日など)を協定で定めることが望ましいとされています。さらに、協定の範囲内であっても、会社は安全配慮義務を負います。毎月の実労働時間を把握する。45時間を超えた月の回数を数える。超えそうな部署には先に手を打つ。この地味な積み重ねが、社員の健康と会社の信頼、その両方を守ります。

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私は管理部門で30年、36協定の締結・届出から残業時間の管理、長時間労働への対応まで、現場で回してきました。制度の解説はどこにでもあります。でも「自社でどう回すか」は、会社の規模や業務の波によってまったく違います。

「うちの管理、これで足りているだろうか」「特別条項の定め方はこれでいいのか」。そんな確認や壁打ちにも、どうぞ使ってください。状況を伺いながら、無理なく続く運用の形を一緒に整理します。
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