「色を使えば見やすくなる?」スライドは“色の数”より“色の役割”を決める

「色を使えば見やすくなる?」スライドは“色の数”より“色の役割”を決める

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デザイン・イラスト
PowerPointで資料を作っていると、
「もう少し見やすくしたいから、色を付けよう」
と思うことがあります。
タイトルは青。
大切なところは赤。
補足は緑。
囲みは黄色。
図にはオレンジ。
少し寂しいので背景にも薄い色を付ける。
一つひとつを見ると、それほどおかしくありません。
でも、完成したスライドを見ると、
「なんだかカラフルだけど、どこを見ればいいの?」
ということがあります。
色は、資料を見やすくするためにとても便利です。
一方で、使う色を増やせば増やすほど見やすくなるわけではありません。
今回は、スライドで色を使うときの**「色の数」ではなく「色の役割」**について考えてみます。

色が増えると「全部が目立つ」ことがあります

例えば、研修資料の中に、
赤文字。
青文字。
黄色のマーカー。
緑の囲み。
オレンジの矢印。
ピンクの吹き出し。
があったとします。
作っている側には、それぞれ理由があるかもしれません。
「ここは大切だから赤」
「ここも大切だから黄色」
「これは補足だから緑」
「この矢印は目立たせたいからオレンジ」
と追加していく。
でも、初めて見る人には、それらが一度に見えます。
すると、
赤が重要なのか。
黄色が重要なのか。
緑の囲みを読めばよいのか。
オレンジの矢印を見ればよいのか。
分かりにくくなることがあります。
特に、
「大事なところは色を付ける」
というルールだけで作っていると、大事なところが増えるたびに色も増えていきます。
結果として、
全部が目立って、何も目立たない。
そんな状態になることがあります。
色を追加するときは、
「この色、きれいかな?」
だけではなく、
「この色には、どんな役割がある?」
と考えてみます。

色に「役割」を決めておく

例えば資料全体で、
青=基本となる情報
赤=特に注意してほしい情報
グレー=補足情報
というように、ある程度役割を決めておきます。
すると、最初の数枚を見た段階で、
「赤いところは特に注意するところなんだな」
と見る側も理解しやすくなります。
例えば医療・看護系の研修資料なら、
通常の説明は黒や濃い青。
特に注意してほしい禁忌やリスクは赤。
補足説明はグレー。
というような使い方もできます。
大切なのは、
同じ役割には、できるだけ同じ色を使うこと。
あるスライドでは赤が「重要」。
次のスライドでは赤が「補足」。
さらに次では、赤は単なる飾り。
となると、色の意味が分かりにくくなります。
もちろん、すべての資料で「赤は必ず〇〇」と決める必要はありません。
その資料の中で、
色の使い方にある程度一貫性がある
ことが大切だと思います。
そして、使う色を最初にある程度決めておくと、資料を作る側にもメリットがあります。
「この囲み、何色にしよう?」
「この見出しは青?緑?」
と毎回悩まなくて済みます。
デザインを整えるという意味でも、色のルールを決めておくと便利です。

強調は「赤くする」以外にもできます

資料を作っていると、
「ここを目立たせたい」=「赤くする」
となりやすいことがあります。
でも、情報を強調する方法は色だけではありません。
例えば、
文字を少し大きくする。
太字にする。
周囲に余白を作る。
情報を一つだけ離して配置する。
囲みを使う。
位置を変える。
などでも、重要な情報を目立たせることができます。
例えば、
手術前には患者確認を行います。

という文章の中で、
「患者確認」
を強調したい。
赤文字にする方法もあります。
でも、
手術前には
患者確認
を行います。

と、重要な言葉だけを大きく見せても強調できます。
あるいは、
重要なメッセージを一つだけ中央に置き、その周囲に十分な余白を取る。
それだけでも目に入りやすくなります。
色を使わなくても、
大きさ・太さ・位置・余白
によって情報の優先順位を見せることができます。
色は便利だからこそ、
何かを目立たせるたびに色を追加するのではなく、
「色を使わなくても伝えられないかな?」
と一度考えてみると、資料全体の色数を抑えやすくなります。

色だけで情報を区別しない

色を使うと、
複数の情報を簡単に区別できます。
例えば、
A群は青。
B群は赤。
とすると、グラフでも違いが分かりやすくなります。
ただし、
色だけに意味を持たせすぎない
ことも大切です。
見る環境や人によっては、色の違いが分かりにくい場合があります。
プロジェクターに映したら、パソコン画面で見たときより色が薄く見えることもあります。
資料を白黒で印刷することもあります。
また、色の見え方には個人差があります。
そのため、
青い線と赤い線。
だけで区別するのではなく、
実線と点線を使う。
「A群」「B群」と直接書く。
記号を変える。
図形の形を変える。
など、
色以外の違いも一緒に使う
と、情報を判断しやすくなります。
特にグラフや表では、
「この色が何を意味しているのか」を毎回凡例まで探さなくても分かるようにすると、見る側の負担を減らせます。
医療・看護系の資料では、重要な注意事項を色だけで示すのではなく、
「注意」
という文字や、
!
などの記号を併用する方法もあります。
色は情報を補助するもの。
色が見分けられなくても、内容は理解できる。
そんな状態にしておくと、より伝わりやすい資料になると思います。

1枚ではなく「資料全体」で色を見る

スライドを作っていると、どうしても今編集している1枚を見ます。
このスライドは青。
次は緑。
その次はオレンジ。
1枚ずつ見ると、きれいにまとまっている。
でも、スライドショーで最初から見ると、
ページごとに雰囲気が違う
ことがあります。
そこで、資料がある程度できたら、
一覧表示やスライドショーで全体を見てみます。
タイトルの色は揃っている?
重要な情報には同じ色を使っている?
途中から突然違う色が増えていない?
同じ意味なのに違う色になっていない?
逆に、違う意味なのに同じ色を使っていない?
こうして見ると、1枚ずつ編集していたときには気づかなかった違いが見えてきます。
また、
「この資料の基本色は何色?」
と聞かれたときに答えられるくらいでもよいと思います。
例えば、
基本は白と濃い青。
強調だけ赤。
補足に薄いグレー。
これだけでも資料は作れます。
色を減らすと地味になるように感じるかもしれません。
でも、普段使う色を絞っておくからこそ、
本当に重要なところで使った色が目立つ
というメリットもあります。
これは以前の記事で書いた「図やイラスト」の話にも少し似ています。
画像も、たくさん入れれば分かりやすくなるわけではありません。
色も同じで、
必要なところに、必要なだけ使う
という考え方が大切だと思います。

まとめ

スライドを見やすくしようとして、
色を増やすことがあります。
赤。
青。
緑。
黄色。
オレンジ。
ピンク。
一つひとつには理由があっても、増えすぎると、
どの色が重要なのか分からなくなる
ことがあります。
そんなときは、
「何色使う?」
より先に、
「この色は何のために使う?」
と考えてみます。
重要な情報。
注意してほしい情報。
補足情報。
グループの違い。
色に役割を持たせ、その役割を資料の中である程度統一する。
そして、
目立たせたいからといって、何でも赤くしない。
文字サイズ。
太字。
位置。
余白。
なども使って強調する。
さらに、
色だけで情報を区別せず、文字・記号・線・形なども組み合わせる。
資料が完成したら、1枚だけではなく全体を見て、
「色の使い方にルールがある?」
と確認してみる。
色は、
資料をカラフルにするためだけのものではなく、情報の役割を伝えるためにも使えるもの。
そう考えると、
「もう1色追加しよう」ではなく、
「この色、本当に必要かな?」
という見方もできるようになると思います。

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