「スライドのタイトル、内容をそのまま書いてない?」タイトルは“何を伝えるスライドか”を示す場所です
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PowerPointでスライドを作るとき、
一番上にタイトルを入れることが多いと思います。
例えば、
「術後疼痛について」
「調査結果」
「研修の目的」
「転倒予防について」
どれも間違ったタイトルではありません。
何について説明するスライドなのかは分かります。
でも、
タイトルを読んだだけでは、
「そのスライドで何を伝えたいのか」
までは分からないことがあります。
今回は、
スライドのタイトルを、
単なる「内容の名前」ではなく、
そのスライドのメッセージを伝える場所として使う
という考え方について書いてみます。
タイトルが「項目名」だけになっていませんか?
例えば、
術後疼痛について説明するスライドを作るとします。
タイトルは、
「術後疼痛について」
本文には、
深呼吸が抑制される
咳嗽が不十分になる
離床が遅れる
睡眠に影響する
と書いてある。
内容としては問題ありません。
でも、
見る側は、
タイトルを読んだあと、
本文を全部読んで、
初めて、
「術後疼痛はいろいろな回復行動に影響するんだな」
と理解します。
タイトルで結論を少し見せる
同じ内容でも、
タイトルを、
「術後疼痛は呼吸・離床にも影響する」
としたらどうでしょう。
本文を読む前から、
このスライドで何を伝えたいのかが、
少し分かります。
タイトルが、
単なる項目名ではなく、
本文を理解するための入口
になります。
「何について」より「何を伝えたいか」
例えば、
「調査結果」
というタイトル。
これだけでは、
何が分かったのかは分かりません。
もし調査結果として、
「対象者の約7割が〇〇を経験していた」
ことが重要なら、
「約7割が〇〇を経験していた」
とする方法があります。
これなら、
グラフや表を見る前に、
何を見るべきなのかが分かります。
研修資料でも使えます
例えば、
「研修の目的」
というタイトル。
もちろん、
これでも問題ありません。
でも、
目的が3つあるなら、
「今回の研修では3つのポイントを身につける」
としてもよいかもしれません。
その下に、
①〇〇
②〇〇
③〇〇
と示す。
すると、
タイトルと本文の役割が、
少し明確になります。
「転倒予防について」なら?
例えば、
タイトルが、
「転倒予防について」
本文には、
患者側の要因と、
環境側の要因が書いてある。
それなら、
「転倒は患者要因と環境要因の両方から予防する」
とすることもできます。
タイトルだけで、
そのスライドの中心が見えます。
タイトルには2つの使い方があります
分かりやすく考えるために、
スライドタイトルを、
大きく2種類に分けてみます。
① テーマを示すタイトル
例えば、
術後疼痛について
調査結果
考察
転倒予防
感染対策
研究方法
などです。
これは、
「何についてのスライドなのか」
を示しています。
② メッセージを示すタイトル
例えば、
術後疼痛は呼吸・離床にも影響する
約7割が〇〇を経験していた
〇〇群では△△が多かった
転倒は患者要因と環境要因の両方から予防する
などです。
こちらは、
「そのスライドで何を伝えたいのか」
まで示しています。
どちらが正解というわけではありません
ここは大切です。
すべてのスライドを、
必ずメッセージ型のタイトルにしなければならない、
ということではありません。
例えば、
研究発表なら、
「背景」
「目的」
「方法」
「結果」
「考察」
という構成が、
全体の流れを分かりやすくすることがあります。
研修資料でも、
「本日の内容」
「まとめ」
のようなタイトルで十分な場合があります。
大切なのは、
「何となくタイトルを付ける」のではなく、そのタイトルにどんな役割を持たせるのか
だと思います。
特に「結果」のスライドでは効果が大きい
研究発表で、
よく見かけるタイトルがあります。
「結果①」
「結果②」
「結果③」
これも、
構成として間違いではありません。
でも、
発表を聞いている側からすると、
「結果②」というタイトルだけでは、
何の結果なのか分かりません。
例えば、
「経験年数による差は認められなかった」
「A群ではB群より〇〇が高かった」
「〇〇と△△に関連がみられた」
など、
結果そのものをタイトルにすると、
グラフや表の意味を理解しやすくなることがあります。
グラフを見せるときにも使えます
例えば、
グラフの上に、
「アンケート結果」
と書いてある。
その下に、
棒グラフがある。
見る側は、
まずグラフを読み取って、
何が重要なのかを考えます。
でも、
タイトルが、
「約8割が〇〇を必要と回答した」
となっていれば、
見る側は、
そのポイントを意識してグラフを見ることができます。
タイトルが「見る場所」を教えてくれる
スライドには、
タイトル。
本文。
図。
表。
グラフ。
写真。
など、
いろいろな情報があります。
その中で、
タイトルは、
比較的最初に目に入る場所です。
だからこそ、
タイトルに、
そのスライドの中心となるメッセージを置くことで、
「このスライドでは、ここを見てほしい」
という案内ができます。
タイトルと本文が同じ内容になっていない?
例えば、
タイトルが、
「転倒予防について」
本文の最初が、
「転倒予防について説明します」
となっている。
これでは、
タイトルと本文で、
ほぼ同じことを繰り返しています。
タイトルで、
スライドのメッセージを少し示しておけば、
本文では、
その根拠や具体例を示すことができます。
タイトルを変えると本文も減らせることがあります
例えば、
本文に、
「この結果から、〇〇が重要であることが分かります」
と書いてある。
その内容を、
タイトルとして、
「〇〇が重要であることが示された」
と置く。
すると、
本文では、
結果を示すグラフだけでも、
意味が伝わりやすくなることがあります。
つまり、
タイトルをうまく使うことで、
本文の文字量を減らせる場合もあります。
以前の記事の「1枚1メッセージ」にもつながります
以前、
「学会発表スライドは『1枚1メッセージ』で考えると伝わりやすくなります」
という記事を書きました。
今回のタイトルの話は、
この考え方ともつながります。
1枚のスライドで、
一番伝えたいことは何か。
それを、
タイトルとして表現できるか。
もし、
タイトルにしようとしても、
一文にまとまらない。
そんなときは、
そのスライドに、
複数のメッセージが入っている可能性があります。
タイトルを考えることが「内容整理」にもなります
例えば、
あるスライドに、
結果A。
結果B。
結果C。
考察。
今後の課題。
まで入っている。
このスライドに、
メッセージ型のタイトルを付けようとすると、
難しくなると思います。
「結局、このスライドは何を伝えたいんだろう?」
と迷います。
でも、
この迷いが、
スライドを整理するきっかけになります。
タイトルが決まらないときは情報が多すぎるかもしれません
タイトルを付けようとして、
「〇〇と△△と□□について」
のように、
どんどん長くなる。
そんなときは、
一度、
スライドの中身を見直してみます。
もしかすると、
〇〇。
△△。
□□。
を、
それぞれ別のスライドにした方が、
伝わりやすいかもしれません。
「タイトルだけ読む」という確認方法
スライドが完成したら、
一度、
本文を読まずに、
タイトルだけを最初から最後まで読んでみる
方法があります。
例えば、
1枚目
「〇〇は近年増加している」
2枚目
「しかし△△という課題がある」
3枚目
「そこで〇〇を明らかにすることを目的とした」
4枚目
「対象者の約7割が〇〇を経験していた」
5枚目
「〇〇には△△が関係している可能性がある」
6枚目
「今後は□□を検討する必要がある」
タイトルだけでも、
なんとなく話の流れが見えます。
タイトルを並べると「ストーリー」が見えてきます
逆に、
タイトルが、
背景。
背景。
目的。
方法。
結果①。
結果②。
結果③。
考察。
まとめ。
だけだった場合、
構成は分かりますが、
何を伝える発表なのか
までは分かりません。
もちろん、
これが悪いわけではありません。
ただ、
タイトルを少し工夫すると、
発表全体の流れを、
さらに見せることができます。
学会発表では形式とのバランスも大切です
研究発表の場合、
「目的」
「方法」
「結果」
「考察」
といった見出しが、
見る側にとって分かりやすい場合があります。
そのため、
例えば、
小さく、
結果
と入れて、
大きなタイトルとして、
「経験年数による差は認められなかった」
とする方法もあります。
つまり、
「今どの部分を説明しているか」と「このスライドで何が分かったか」
の両方を見せる方法です。
タイトルを長くしすぎない
メッセージを入れようとすると、
今度は、
タイトルが長文になることがあります。
例えば、
「今回の調査結果では〇〇を経験した対象者が多く、今後は△△について検討していく必要があることが示唆された」
これでは、
タイトルだけで、
かなりの文字量になります。
タイトルは、
論文の文章ではありません。
できるだけ、
短く、中心だけを残す
ことを考えます。
例えば、
「約7割が〇〇を経験していた」
だけでも、
十分かもしれません。
タイトルに全部説明させなくてよい
タイトルの役割は、
本文を不要にすることではありません。
タイトルで、
方向を示す。
本文や図で、
詳しく説明する。
という役割分担です。
例えば、
タイトル
「術後疼痛は離床にも影響する」
本文
疼痛
↓
体動への不安
↓
離床の遅れ
とすれば、
タイトルと本文が、
それぞれ違う役割を持ちます。
強い言い切りにも注意する
研究発表などでは、
タイトルをメッセージ型にするとき、
表現にも注意が必要です。
例えば、
実際には、
関連がみられただけなのに、
「〇〇が△△を引き起こす」
と書くと、
因果関係まで示したように見えることがあります。
その場合は、
「〇〇と△△に関連がみられた」
など、
実際の結果に合った表現にします。
「示された」「示唆された」も使い分ける
研究スライドでは、
「示された」
「示唆された」
という言葉もよく使います。
ただ、
何でも、
「〇〇が示唆された」
とすればよいわけではありません。
実際に得られた結果なのか。
その結果から考えた解釈なのか。
そこを分けることも大切です。
タイトルを短くする場合でも、
研究結果以上のことを言い切らない
ようにします。
タイトルの文字サイズだけではなく「役割」を考える
スライドを見やすくする話になると、
「タイトルは32pt以上」
「本文は24pt以上」
など、
文字サイズの話になることがあります。
もちろん、
大きさも大切です。
でも、
タイトルを大きくしても、
「結果②」
だけでは、
伝えられる情報は限られます。
タイトルは、
大きさだけではなく、
何を書く場所なのか
を考えることも大切です。
タイトルとデザインはセットで考える
メッセージ型のタイトルを使うなら、
タイトルが、
きちんと目に入るようにします。
タイトルと本文の文字サイズが、
ほとんど同じ。
タイトルの位置が毎回違う。
タイトルの周囲に情報が詰まっている。
こうなると、
せっかくのメッセージが目立ちません。
タイトルの位置を揃える。
本文との間に余白を作る。
必要以上に装飾しない。
こうしたデザインも、
タイトルを活かすためには大切です。
タイトルの位置を毎回変えない
スライドによって、
左上。
中央。
右上。
と、
タイトルの位置が変わる。
これも、
見る側には、
少し負担になります。
基本となる位置を決めておくと、
新しいスライドになったとき、
自然に、
「ここがタイトル」
と分かります。
私ならタイトルを付けたあと5つ確認します
① 何についてのスライドか分かる?
タイトルだけで、
テーマが分かるでしょうか。
② 何を伝えたいか分かる?
単なる項目名になっていないでしょうか。
③ 本文をそのまま繰り返していない?
タイトルと本文に、
それぞれ役割があるでしょうか。
④ 長すぎない?
タイトルだけで、
2~3行になっていないでしょうか。
⑤ タイトルだけを並べても流れが見える?
発表全体のストーリーが、
ある程度つながっているでしょうか。
すべてのタイトルを直す必要はありません
すでに作った資料を見直して、
「全部メッセージ型に変えなければ」
と思う必要はありません。
まずは、
特に伝えたいスライド。
グラフを見せるスライド。
結果を示すスライド。
まとめのスライド。
などから、
試してみるとよいと思います。
タイトルは「看板」のようなもの
スライドを、
一つのお店だと考えると、
タイトルは、
看板のようなものかもしれません。
看板に、
「商品」
とだけ書いてあるより、
何があるのか、
少し分かった方が入りやすい。
スライドも同じで、
タイトルを見たとき、
「このスライドでは、これを伝えるんだな」
と分かれば、
そのあとの情報を理解しやすくなります。
まとめ
スライドタイトルには、
「何について書いてあるか」
を示す方法と、
「何を伝えたいか」
まで示す方法があります。
例えば、
「調査結果」
ではなく、
「約7割が〇〇を経験していた」
「転倒予防について」
ではなく、
「転倒は患者要因と環境要因の両方から予防する」
とする。
そうすると、
タイトルが、
単なる項目名ではなく、
そのスライドを理解するための入口になります。
もちろん、
すべてのスライドを、
この形にする必要はありません。
「目的」
「方法」
「まとめ」
など、
シンプルな見出しの方が分かりやすい場合もあります。
大切なのは、
タイトルを何となく付けるのではなく、
「このタイトルには、どんな役割を持たせる?」
と考えてみることです。
そして、
資料が完成したら、
一度、
タイトルだけを最初から最後まで読んでみる。
それだけでも、
1枚ごとのメッセージだけでなく、
資料全体の流れが見えてくることがあります。
スライドのタイトルは、
ただ内容の名前を書く場所ではなく、
「この1枚で何を伝えるのか」を示せる場所。
そんな視点で見直してみると、
いつものスライドが、
少し伝わりやすくなると思います。