皆さんは、普段AIを何に使っていますか。
検索に使うだけでしょうか。
自分の悩みを相談したり、明日何をしようか考えたりすることもあるかもしれません。
私も、このような使い方はします。
知りたいことを調べる。
計算の答えを出してもらう。
ある情報が本当なのかを確認する。
こうした使い方にも、もちろん価値があります。
ただ、AIを仕事や自分の判断に活かそうとするならば、それだけでは足りないと私は考えています。
今回伝えたいのは、AIに答えを出してもらうだけではなく、AIと一緒に考える使い方です。
## AIとの対話で、転職の悩みを考えてみる
ここからは、転職に悩んでいる人を例に、実際に私がAIと一緒に考えた流れを紹介します。
この記事の具体例として、
今の職場がつらい。
人間関係に問題がある。
給料にも不満がある。
精神的にも限界に近い。
しかし、家族がいる。
収入が下がることも不安。
本当に転職してよいのか分からない。
という状況を設定しました。
まずは、このような具体的な事情をAIへ話します。
ただし、実名や勤務先が特定できる情報、自分や他人に不利益を与えかねない情報まで入力する必要はありません。個人を特定できる情報を伏せた上で、悩みの内容や構造を伝えます。
その上で、私はAIに、
「今話した内容を整理してください」
「私が抱えている問題を抽象化してください」
と聞きました。
すると、悩みは次のように整理されました。
・職場環境の問題
・経済的不安
・家族への責任
・心身の疲労
・将来への不安
ここまでは、頭の中にある悩みを分類した段階です。
しかし、分類しただけでは、まだ答えには近づいていません。
ここから、私は自分で仮説を立てました。
経済的不安があるなら、数か月分の生活費を貯めることで、不安を減らせるのではないか。
本業を続けながら副業を始め、収入源を増やすことで、転職後の経済的不安を小さくできるのではないか。
家族への責任があるから今の職場に残るべきだと考えているが、精神的に追い詰められ、家庭で笑顔を失い、家族に心配をかけているのであれば、今の環境に居続けること自体が家族への負担になっているのではないか。
将来への不安もあります。
しかし、今の職場がすべてではありません。
転職すれば、今より良い未来が待っている可能性もあります。
反対に、動かなければ、今の不満を抱えたまま生き続けることになるかもしれません。
このように、自分で仮説を出した後、AIにその考えを補足してもらいました。
するとAIからは、
「今の職場に残るリスクと、転職するリスクの両方を比べる必要がある」
「転職先が今より良い保証はない」
「副業はすぐに収入になるとは限らない」
「心身が限界に近いなら、貯金を作るまで耐えることが正解とは限らない」
といった視点が出されました。
ここで重要なのは、AIの意見によって、自分の仮説が否定されたわけではないことです。
自分の考えに、別の視点や条件が加わったのです。
次に考えたのは、
「この中で、今もっとも価値のある問題は何か」
ということでした。
転職するか、残るか。
この二択をすぐに決める必要はありません。
それよりも先に考えるべきなのは、
「家族の生活を守りながら、いつでも今の職場を離れられる土台をどう作るか」
ではないかと考えました。
この問題であれば、答えを具体的に考えられます。
・数か月収入がなくても生活できる貯金額はいくらか
・その金額を何か月で準備できるか
・在職中に転職活動を始められるか
・副業で収入源を増やせる可能性があるか
・心身が限界になる前に、いつまでに動く必要があるか
さらに、AIとの対話から、貯金と副業を同じ重さで考えるべきではないという整理もできました。
貯金は、必要な金額と期間を計算できます。
一方で、副業は収入になるまで時間がかかり、必ず成果が出るとは限りません。
そのため、
「まず生活防衛資金を作る」
「並行して転職先を探す」
「余力があれば副業を育てる」
という順番が現実的ではないかという考えに至りました。
また、
「お金を整える期限」
と、
「心身が耐えられる期限」
の両方を考える必要があります。
お金が整うまで待つことができるのか。
それより先に心身が限界を迎える可能性はないか。
この二つを比べた上で、転職活動、異動、休職、退職といった選択肢を考えていきます。
最初は、
「転職した方がいいですか」
という漠然とした悩みでした。
しかし、AIとの対話を重ねることで、
「家族を守りながら、いつでも職場を離れられる条件をどう整えるか」
という、答えを考えられる問題へと変わりました。
さらに、
・必要な生活費を計算する
・貯金の期限を決める
・転職先を探す
・副業の可能性を調べる
・心身の限界を見極める
という具体的な行動まで落とし込めました。
## AIに補助してもらい、人間が判断する
今回の例では、最初からAIに答えを決めてもらったわけではありません。
私が具体的な状況を設定し、そこから仮説を立てました。
AIには、
「見落としている点はないか」
「反対の立場から見るとどうか」
「この考えを実行する上での問題は何か」
と問いかけ、自分の考えを補足・検証してもらいました。
AIに論点を整理してもらう。
選択肢や反対意見を出してもらう。
必要なら文章のたたき台を作ってもらう。
こうした作業まで、すべて自分一人で行う必要はありません。
ただし、AIが出す答えや提案が、必ず正しいとは限りません。前提を誤解したり、現実には使えない案を出したりすることもあります。
だからこそ、
・何を採用するか
・筋が通っているか
・現実に使えるか
・自分が納得できるか
を判断する役割は、人間が持つ必要があります。
AIに考える作業の一部を任せ、最後は人間が判断する。
私は、この役割分担がAI時代の自然な使い方だと思っています。
## この記事も、AIと一緒に考えている
実際に、この記事もAIと一緒に考えながら作っています。
具体例を入れようと考えたとき、私はAIに、
「一般的で分かりやすいお題はあるか」
と聞きました。
AIが出した候補の中から、私は「転職」を選びました。
その後も、文章の重複や論理の弱い部分、読者から考えられる反論をAIに指摘してもらいました。
ただし、AIの指摘をすべて採用したわけではありません。
何を残すか。
何を削るか。
どこをさらに考えるか。
それを判断しながら、AIとの対話を重ねてこの記事を作りました。
AIが案や別の視点を出し、人間が考え、選び、修正する。
この記事自体も、ここまで紹介してきた役割分担によって作られています。
## 自分の場合の使い方が分からない方へ
AIと一緒に考える流れは分かっても、
「自分の仕事では何に使えるのか」
「どこまで話せばいいのか」
「どう聞けば、一般論ではなく自分に合った答えに近づけるのか」
が分からない方もいると思います。
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AIの知識を一方的に説明するのではなく、「あなたの場合は何に使えるか」を具体化するためのサービスです。
## 次回は、AIと考えるための「型」について
次回は、AIを使う上での読書の重要性について書いてみたいと思います。
AIは、多くの答えや視点を出してくれます。
しかし、その中から何を選び、どう考えるかには、自分なりの判断軸が必要です。
私は、読書によって得た考え方や枠組みが、AIと考えるための「型」になると感じています。
次回は、読書を通して得た型を、どのようにAIとの対話へ活かすのかを考えてみます。