私の記事は、こうやって作られている ―AIを鏡にして、考えを整理するということ―

私の記事は、こうやって作られている ―AIを鏡にして、考えを整理するということ―

記事
コラム


「AIで記事を書いています」とお話しすると、「AIが全部書いているんですか?」と聞かれることがあります。

そう聞かれるのも当然だと思います。
ただ、実際に自分の中で起きていることを言葉にすると、少し違います。

AIと話しているというより、AIに話しかけながら、自分の考えを整理している。

頭の中で散らかった言葉を集めて、整理してもらっている。
そんな感覚の方が、実感に近いです。

そして、この記事自体が、そのプロセスで作られています。
今からお見せする流れは、まさにこの文章が形になるまでの実例です。






 この記事の主役は誰か




「AIは書く道具ではなく考える道具」という話は、以前の記事ですでに書きました。
今回はそこからもう一歩踏み込んで、「考えているのは誰か」をはっきりさせたいと思います。

この記事の主役はAIではありません。
主役は、頭の中にある散らかった考えが、少しずつ整理されていくプロセスです。

AIは、その思考を代わりに行う存在ではありません。
考えを整理し、反応を返し、自分でも気づいていなかった考えを引き出してくれる、いわば鏡のような存在です。



 実際のプロセス(この記事そのものを例に)


今回のブログも、次のような流れで形になりました。

① 「このテーマで書きたい」と目的を決める

最初に決めるのは、構成でも切り口でもありません。
「AIを使った記事制作のプロセスを、ここで紹介したい」という目的だけです。
この時点では、まだ何もまとまっていません。

② 頭の中にある断片をAIに話す

「AIで記事を書いていると誤解されやすい」
「実際はもっと地道なプロセスがある」
そんな断片的な考えを、整理しないままAIに話しかけます。
散らかったままで構いません。

むしろ、散らかったまま出すことに意味があります。

③ AIの反応を見て、自分の考えがはっきりしてくる

AIから返ってきた内容を見ながら、

「いや、それよりこっちだ」
「そうそう、言いたかったのはこれだ」

と、反応する形で自分の考えが輪郭を持っていきます。
ここが一番大事な部分です。
AIの答えに納得しているのではなく、AIの答えを踏み台にして、自分の中に元々あったものに気づいていく。

そんな感覚です。

散らかっていたはずの考えが、あるタイミングでふっと一本の線につながる瞬間があります。
「あ、それだ」と思う瞬間です。
この瞬間は、狙って作れるものではなく、何度かやり取りを重ねた先に、ある日突然訪れます。

④ このやり取りを何度も繰り返しながら、軸を固める

一度で終わることはほとんどありません。
話す、反応する、また話す。
このループを、「これだ」と思えるところまで繰り返します。

⑤ たたき台を作る

軸が固まった段階で、文章としてのたたき台を作ります。
ここでようやく、構成や見出しといった「記事の形」が現れてきます。

⑥ 最後に自分の言葉で仕上げる

たたき台を読み返し、自分の実感に合わない部分を修正します。
AIが整えた文章は、整いすぎていることがあります。
ここで初めて、記事に自分の声が戻ります。

対話と文章整理では、それぞれ役割が違うAIを使い分けていますが、この記事で伝えたいのはツールの使い分けではなく、②〜④で起きている「考えが整理されていく感覚」そのものです。



AIとの対話は、自分自身との対話である


AIは、答えをくれる存在というより、自分の考えを引き出してくれる存在という感覚が近いです。

AIの答えが完成形なのではありません。
AIの返答をきっかけに、自分の考えが輪郭を持っていく。
その反応そのものが、自分でも気づいていなかった考えを浮かび上がらせています。

つまり、AIと話しているようでいて、実際にはAIを鏡にして、自分と話しているのだと思います。



なぜ、この付き合い方なのか


AIが得意なのは、考えを言葉として返し、反応を引き出すことです。

一方で、
「何を書きたいか」
「本当は何が引っかかっているのか」は、AI自身の中にはありません。
それは、経験した本人の中にしかないものだからです。

現場で感じたことを記事にするなら、その現場に立った人間でなければ、そもそも「何が引っかかっているか」自体が見えないはずです。
AIは、その引っかかりを見つけるための鏡にはなれますが、引っかかりそのものを持つことはできません。



 読者が明日から真似できること


この記事を読んで「自分の仕事にも取り入れてみたい」と思った方向けに、最低限のステップを整理します。

1. 完成した構成を考える前に、「このテーマで何かを書きたい・伝えたい」という目的だけを決める
2. 頭の中にある断片を、整理せずにそのままAIに話してみる
3. AIの返答に対して、「違う」「それだ」と反応してみる。その反応こそが、自分の本音に近い
4. 一回で終わらせず、軸が「これだ」と思えるまで対話を繰り返す
5. 文章の整形はAIに任せてよいが、公開前に必ず自分の言葉に戻す

大切なのは、AIに何を書いてもらうかではなく、AIとの反応を通して、自分が何を考えているかに気づくことです。





AIの使い方に、正解はありません。
文章を書く人、プログラムを書く人、画像を作る人。
仕事の内容によって、使い方は千差万別です。

だからこの記事は、「この使い方が正しい」という話ではありません。
「私はこう使っています」という一つの実例の共有です。

大切なのは、AIの種類でも、使い方の正解でもなく、自分の仕事や考え方に合った付き合い方を見つけることだと思います。

そして、この記事自体が、その付き合い方の一つの実例です。
AIが書いたのではなく、AIを鏡にしながら、私が考えを整理して、形にしました。
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