第13回=第3章(その6):【ペイシェントハラスメント】「終わらない論点のすり替え」

第13回=第3章(その6):【ペイシェントハラスメント】「終わらない論点のすり替え」

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法律・税務・士業全般
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皆さん、こんにちは。

第3章の組織対応編(勝手につけました)も6回目になりました。

ようやく、転院の前日にたどり着くわけですが、ここからまた問題が発生します。

今回はなんとしても患者Aさんを転院させたい病院の思惑と、理由をつけて転院を拒否しようとするB氏の間で疲弊する私の姿をご紹介します。

皆さんは、私のような人間は少々のことではへこたれない人間だと思っておられるかもしれません。
しかし、このB氏の事例は私が対応をしてきた中でもトップクラスの難渋事例で、虚言を使って組織に揺さぶりをかけてくるので、都度関係者で情報共有を行い、方針を確認する必要がありました。

我慢強く対応を続けていた現場の方も限界に近づいており、少し強引とも感じられる転院に向けた動きも生じてきます。

B氏の要求と病院の思惑の間で苦労する私にご自身を重ねてお読みください。

【転院前日に生じた新たな問題】

転院を翌日に控え、困ったことが起こりました。
患者であるAさんの血液検査の結果が、ここにきて下降傾向にあることがわかったのです。
血液の炎症反応を示すCRP値が高値となり、通常の患者さんであれば転院を先延ばした方が良いくらいの数値でした。

しかし、なんとしても転院をさせたい甲先生は、転院先に直接交渉を行い、転院後にフォローいただける確約を取り、「病院間では転院に問題がない」という既成事実を作りました。

担当MSWは、これまでのB氏の行動の経過から、この事実を伏せて転院先に送ると、B氏から猛烈な抗議があるのではないかと危惧して私に事前に病状を説明しておいた方が良いではないかと相談をしてきた次第です。

私も担当MSWの意見に賛同で、転院先と当院を巻き込むような大きなトラブルになると、転院先との信頼関係が悪化し、今後の連携にも影響する事態を招きかねません。

私は、「説明をしてもしなくてもトラブルになると予想されるけど、当院の責任として病状説明はしておこう」と担当MSWに告げ、病状説明は主治医から実施する必要があるため、MSWから主治医である甲先生にB氏への事前説明を行ってみてはどうかと提案をしてもらいました。

【主治医を守る判断】

しかし、甲先生はB氏への説明に対して消極的な姿勢を示しました。
「消極的姿勢」というよりも「拒否」の方が適切かもしれません。

それほど甲先生も先日のIC中止のときのB氏の攻撃にダメージを受けていたということになります。

私は甲先生から直接話を伺い、甲先生に病状説明をお願いして、B氏からの攻撃をもう一度受けるのは、先生のメンタルに良くないと判断しましたし、これ以上、Aさんの当院での入院生活が続くことも、甲先生だけでなく現場のスタッフにも大きな重圧になることを認識しました。

そして、その結論として、
①医師がB氏に接触(対面、電話)することは避ける。(アタッキングが予想)
②病状説明は手紙でも問題ない。
③当日の朝に手紙を交付するが、事前の説明なしに当日交付するのはリスクが大きい。
④MSWに事前に当日医師からの手紙を交付することを連絡しておく。
という方針を立てました。

この④もMSWには大きな心的負担となりますし、このような対応は何度もさせるわけにはいきません。

この前日の対応は、なんとしてでも押し込んでB氏を翌日来院させて転院を完了させる必要性を感じました。

【つながらない電話】

この前日の電話はなんとしてもB氏につなげなくてはいけません。
担当MSWはあらゆる連絡先にコンタクトを試みました。

最初はB氏の携帯電話に連絡しましたが応答しませんでした。
次に緊急連絡先として指定されていたB氏の妻に連絡しましたが、これも応答なしでした。
さらに続いての緊急連絡先に指定されていたB氏の勤務先に連絡しましたが、応対した社員さんから「退社した」との回答があり、これもつながりませんでした。

ここで、この「退社」が仕事を終えて帰路についた退社なのか、退職を指す「退社」なのかわからなくなり、こちらは混乱しました。

繰り返しB氏の携帯電話に連絡し、録音しないで欲しいと言われていた留守番電話にやむなく「明日お話ししたいことがあります」とメッセージを残し、B氏からの折り返しの連絡を待つことにしました。

しかし、終業時間を過ぎてもB氏からの折り返しの連絡はなく、MSWを長時間拘束するわけにもいかず帰宅を指示し、以降は私が対応することにしました。

B氏からの折り返しの電話は、終業時間が1時間以上過ぎてありました。
私は交換台の担当者に、「担当MSWはすでに退勤しているので、電話の対応はTKで良いか意向確認して欲しい」と依頼しました。

交換台が確認したところ、B氏は私で良いとのことだったので私が応対することにしました。

私は、この電話が長時間になることを覚悟し、B氏に対して「電話料金のこともあるので、こちらからかけ直します」と最大限の配慮を示して一度電話を切り、交換台を通じてB氏に電話をかけ直しました。

(その7へ続く)

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