皆さん、こんにちは。
いつも拙ブログを読んでくださりありがとうございます。
現在、長期対応となったペイシェントハラスメントのエピソードを連載される形になっていますが、このブログでは、単にどういう対応を行ったのかだけではなく、先方の言動をどのように評価し、その対応にどのような意味があったのかを、できるだけ丁寧に説明できればと考えています。
私自身もこのエピソードがこんなに長く続くとは思っていませんでしたが、ようやく終盤にさしかかってきました。
引き続き頑張って原稿を書いていきますのでよろしくお願い致します。
【IC中止後の関係者協議】
B氏により一方的に中止となったICの後、関係者協議を行いました。
何回も話し合いを繰り返していますが、このような対応はどんどん状況が変化していきますので、その変化に合わせて共通認識を持つことが必要になるのです。
話し合いの内容は以下の通りでした。
①6月30日の転院はキャンセルとし、MSWから転院先の病院に連絡し、7月の受入れの再調整を行う。
②B氏は「転院はする」と言っているので、転院を最優先に進め、それまでB氏への接触はしないようにする。
③転院が完了しても、主治医、当職からはB氏へのコンタクトは取らない。
④未払いの医療費については、郵送による請求等で継続して請求を続け、支払いに応じない場合は内容証明等で対応する。
⑤主治医へのアタッキング、これまでのカスハラ行為等について、しかるべきタイミングで警察への相談を行う。
上記の方針を立てて、B氏に不用意に接触して新たなハレーションを起こさないようにしつつ、粛々と転院の再調整を進めていくことになりました。
【警察相談に向けた準備】
一方、私の方は顧問弁護士に相談をしながら、警察への相談を視野に論点整理を進めていきました。
顧問弁護士への相談で、病院の方針として文書での警告を検討していると話したところ、顧問弁護士からは、「このタイプの人物には文書による警告の効果は極めて薄い」と助言がありました。
この点については、私自身も同意見でありましたが、ものには順序があるため、たとえ効果薄な対策であっても、警察には「ここまでやった」ということを説明するだけで、相談を持っていくときに、病院の困った状況が伝わるのです。
私としては、警察に相談を持ち込んだ際、警察であればこういうアドバイスをするであろうということを予想して、それらをすべて実践しておくことで、警察は「ここまでやっているのであれば、次に相談や通報があった場合は動かないといけない」と思わせたかったのです。
私は、顧問弁護士への相談を通じて、B氏の一連の行為についてこのように結論付けました。
B氏の行為はカスハラ行為の典型であり、
・医療上必要なICの実施を暴力的態度により中止させた事実
・ 「主治医の頷きが侮辱だ」など非合理な感情論に基づく妨害
・医療職への指差し・恫喝・面談離脱という実質的な威迫行為
以上の3点は診療継続困難性を明確に裏付ける材料となる。
これは明らかに医療従事者の人格権・業務環境を侵害し、医師法第19条の「信頼関係の喪失」要件をさらに強固にするものである。
これらのハラスメント行為を局所的ではなく、継続して病院が受け続けてきたことを疎明する資料を作成することにしました。
【転院の再調整】
転院についても継続して調整を行い、キャンセルとなった医療施設が再び受入れを表明してくれました。
担当MSWが転院の再調整のためB氏に電話で連絡をしました。
B氏はなぜか担当MSWには寛容で、スムーズに転院の日程調整に入ることになり、B氏の勤務スケジュールを見て、最終決定することになりました。
そして、後日に転院先の医療施設とB氏のスケジュールが合う日があり、B氏は介護タクシーの手配も自分で行うと言ったそうで、その日の午前中に転院することが決まりました。
【B氏からの転院条件】
ところがその転院決定から数日して、B氏から担当MSWに電話がありました。
最初は、「前回のキャンセルとなったときの転院の際は、介護タクシーはリクライニング車椅子を手配していたが、実際にはストレッチャーの方が良いのか」というところからでしたが、その後、「今回は請求書のみ持ち帰り、紙おむつは半分くらい病棟へ返却するが、支払いと残りの紙おむつ返却はすべての話が終わってからの対応する」との発言があり、「その窓口にTKを指名する」と続けました。
MSWはこれについては、即答を避けて院内で検討をしてから回答すると説明し、B氏も「病院側の都合もだろうし、TK以外のスタッフが担当になるなら、その担当者から転院前日までに連絡をくれたら良い」と答えたそうです。
私はこの報告を受け、B氏が転院に応じる姿勢を見せたことに安堵しながらも、もう一方で一抹の不安を感じました。
ここは当時の私の感覚ですが、転院に応じる姿勢を見せつつ、私を窓口に指名しておいて、当日にひと悶着起こして、転院の機会を再度潰して、その責任を私に押し付けてしまうのではないかと考えたのです。
しかし、他のスタッフがB氏の窓口を買って出るわけでもないですし、ここは当然のように私が窓口を担当することになりました。
そして、その結果を私は転院前日にB氏に連絡をすることにしていたのですが、ここでまたひとつ問題が発生したのです。
(その6へ続く)