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腰痛の人に「腹筋・背筋が足りません」と言い続ける人へ
記事
学び
政宗|理学療法士(慢性痛の構造分析)
2026/02/11 10:40
腰痛の相談を受けていると、
こんな説明をされてきた方が今でも少なくありません。
「腹筋・背筋が足りないですね」
「体幹を鍛えましょう」
「姿勢を意識してください」
これを聞いて、
「やっぱり自分が弱いからなのかな」
「もっと頑張らないといけないのかな」
そう感じてきた方も多いのではないでしょうか。
ただ、臨床の現場で身体を見続けていると、
ここには大きな誤解があると感じます。
日常生活が普通に送れている人に、
筋力不足そのものが原因の腰痛は、ほとんどありません。
歩けている。
座っていられる。
仕事や家事もこなせている。
それができている時点で、
その人には「生活を支えるだけの筋力」はすでに備わっています。
それでも腰が痛い。
この事実を前にして、
「筋肉が足りない」という説明だけで終わらせてしまうのは、
少し乱暴だと感じています。
多くのケースで起きているのは、
筋力が足りないのではなく
うまく使えていないだけ
さらに言えば、
使える環境が整っていないだけ
という状態です。
それにもかかわらず、
「もっと鍛えましょう」
「もっと意識しましょう」
と指導され続けると、
すでに頑張っている身体に、さらに負担を重ねることになります。
実際に多い身体の状態は、
呼吸が浅い
無意識にどこかに力が入っている
お腹や胸まわりが硬い
姿勢を“作り続けて”いる
こうした状態では、
本来は自然に働くはずの筋肉がうまく参加できません。
それでも人は動かなければならないため、
結果として使いやすい表面の筋肉だけが動員され、
腰は「支える場所」ではなく「耐える場所」になっていきます。
よく聞く
「インナーマッスルを使いましょう」
という言葉も、誤解されやすいポイントです。
インナーマッスルは、
意識してギュッと使う筋肉ではありません。
呼吸が入り
余計な緊張が抜け
身体の前後バランスが整ったとき
結果として、自然に働き始める筋肉です。
環境が崩れたまま
「使おう」「入れよう」とすると、
脳はもっとも使いやすい筋肉を選びます。
その結果、
鍛えているのに楽にならない
意識するほどつらくなる
良い姿勢が続かない
といった状態が起こります。
身体はサボっていません。
むしろ、与えられた条件の中で必死にやりくりしています。
問題なのは、
筋肉の量ではなく、働きにくい環境です。
腰痛を前にしたとき、
「何を鍛えるか」を考える前に、
呼吸は止まっていないか
力を抜く余地はあるか
姿勢を作り続けていないか
こうした視点を持つだけで、
身体の反応が変わり始めることは少なくありません。
「筋力不足」と言われ続けてきた方ほど、
実はもう十分すぎるほど頑張っています。
必要なのは、
さらに努力を重ねることではなく、
身体が働ける環境を取り戻すこと。
もし今、
「言われた通りに頑張っているのに楽にならない」
そんな違和感を感じているなら、
一度この視点で身体を見直してみる価値はあると思います。
#腰痛
#整体
#インナーマッスル
#身体
政宗|理学療法士(慢性痛の構造分析)
痛みを分析する理学療法士 / 30代後半 / 男性
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