セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年、営業事務として働いています。
これまで3回にわたり ・セクハラ ・パワハラ ・カスハラ について書いてきました。
私が強く感じているのは、
「時代が変わったからコミュニケーションが変わった」のではなく、
“ハラスメント”という言葉が登場したことで、
職場のコミュニケーションそのものが大きく形を変えた
ということです。
■ハラスメントという“防御のしくみ”が生まれた背景
現在の若手は、学校教育の中で
・自分の意見を言うこと
・相手に伝えること
・不当な扱いを拒否すること
を当たり前として学んできました。
そのため、
「これはいじりなのか、かわいがりなのか?」 と探りながら距離感を調整する文化ではなく、
不快なら不快と即座に言語化できる世代です。
結果として、
職場で威圧的な言動や不快感を覚える場面に出会うと、
「これは不適切なコミュニケーションだ」 と判断するスピードが、
私たち氷河期世代よりも明らかに早いと感じます。
そして、相手の言動が少しでも強く響くと、
「パワハラ」という言葉を盾にして自分を守ろうとする。
これは若手が弱いわけでも、過敏なわけでもありません。
むしろ、教育によって “自分を守る術”をきちんと身につけた結果 だと私は捉えています。
■防御のしくみが強く働く3つの理由
「パワハラ」という言葉を防御に使う背景には、 次の3つの構造があると考えています。
1. 飲み会文化の衰退で、上司との“距離調整の場”が消えた
平成では頻繁にある飲み会で距離を縮め、誤解を解消することができました。 令和ではその機会がほぼありません。
2. 上下関係より“対等性”を重視する教育を受けている
「上司=絶対的に従う存在」 「お客様は神様」 といった価値観が前提として存在していません。
3. 会社のハラスメント対策が強化され、制度が弱い立場を守る方向に動いた
若手や下位の従業員は「会社が守ってくれる」という安心感を持っています。
この3点が、
価値観や立場が異なる人とコミュニケーションを取ることによって距離感を縮める経験が少ない、もしくは必要性を感じていない
という状態が生まれているのではないかと感じています。
■防御のしくみは悪ではない
ここで強調したいのは、 パワハラという言葉を防御に使うこと自体は悪ではない ということです。
むしろ、 自分の心身を守るための正当な手段 として機能しているとも言えます。
ただし問題は、 世代間で「言葉の意味」と「距離感の基準」が異なるまま会話していること。
上司は「いじり」や「親しみ」のつもりでも、 若手は「攻撃」と受け取る。
上司は「無礼講=意見を聞く場」のつもりでも、 若手は「上下関係が消える場」と受け取る。
顧客の“聞いてほしい訴え”が、 “責められている”ように感じる。
その上で、受取側の解釈の判断の早さが、 ハラスメントが減らない理由だと私は思います。
次回は、「働きやすい職場をつくるために一人一人が簡単にできること」 を書きたいと思います。
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