現役営業事務が語る“「コミュニケーションの距離感」⑤防御のしくみの設立”

現役営業事務が語る“「コミュニケーションの距離感」⑤防御のしくみの設立”

記事
コラム
セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年、営業事務として働いています。

これまで3回にわたり ・セクハラ ・パワハラ ・カスハラ について書いてきました。


私が強く感じているのは、 
「時代が変わったからコミュニケーションが変わった」のではなく、
 “ハラスメント”という言葉が登場したことで、
職場のコミュニケーションそのものが大きく形を変えた
ということです。

■ハラスメントという“防御のしくみ”が生まれた背景

現在の若手は、学校教育の中で 
・自分の意見を言うこと 
・相手に伝えること 
・不当な扱いを拒否すること 
を当たり前として学んできました。

そのため、 
「これはいじりなのか、かわいがりなのか?」 と探りながら距離感を調整する文化ではなく、 
不快なら不快と即座に言語化できる世代です。

結果として、
職場で威圧的な言動や不快感を覚える場面に出会うと、
「これは不適切なコミュニケーションだ」 と判断するスピードが、
私たち氷河期世代よりも明らかに早いと感じます。

そして、相手の言動が少しでも強く響くと、 
「パワハラ」という言葉を盾にして自分を守ろうとする。

これは若手が弱いわけでも、過敏なわけでもありません。
 むしろ、教育によって “自分を守る術”をきちんと身につけた結果 だと私は捉えています。

■防御のしくみが強く働く3つの理由

「パワハラ」という言葉を防御に使う背景には、 次の3つの構造があると考えています。

1. 飲み会文化の衰退で、上司との“距離調整の場”が消えた 
平成では頻繁にある飲み会で距離を縮め、誤解を解消することができました。 令和ではその機会がほぼありません。

2. 上下関係より“対等性”を重視する教育を受けている 
「上司=絶対的に従う存在」 「お客様は神様」 といった価値観が前提として存在していません。

3. 会社のハラスメント対策が強化され、制度が弱い立場を守る方向に動いた
若手や下位の従業員は「会社が守ってくれる」という安心感を持っています。

この3点が、
価値観や立場が異なる人とコミュニケーションを取ることによって距離感を縮める経験が少ない、もしくは必要性を感じていない 
という状態が生まれているのではないかと感じています。

■防御のしくみは悪ではない

ここで強調したいのは、 パワハラという言葉を防御に使うこと自体は悪ではない ということです。

むしろ、 自分の心身を守るための正当な手段 として機能しているとも言えます。

ただし問題は、 世代間で「言葉の意味」と「距離感の基準」が異なるまま会話していること。

上司は「いじり」や「親しみ」のつもりでも、 若手は「攻撃」と受け取る。

上司は「無礼講=意見を聞く場」のつもりでも、 若手は「上下関係が消える場」と受け取る。

顧客の“聞いてほしい訴え”が、 “責められている”ように感じる。

その上で、受取側の解釈の判断の早さが、 ハラスメントが減らない理由だと私は思います。

次回は、「働きやすい職場をつくるために一人一人が簡単にできること」 を書きたいと思います。

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