セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年、営業事務として働いています。
前回・前々回と、 ハラスメントシリーズを書いていますが、
今回は、「カスタマー・ハラスメント」に焦点を当てて書きたいと思います。
■病院での出来事
実際に、私が経験した出来事です。
家族は喉の病気で入退院を繰り返しており、
治療の過程で誤嚥性肺炎を起こしている可能性が高いと医師から説明を受けました。
本人は強く入院を拒否しましたが、体調的に入院が必要な状態だったため、
最終的には再々入院となりました。
翌日、病院から私に呼び出しがありました。
本人が看護師の指示を聞かず、
勝手に歩いて転倒したこと、
さらに「反抗的な態度があり、治す意思が感じられない」と
叱責されたのです。
反抗的な態度とは何かと尋ねると、
「舌打ちをしたと聞いている」と言われました。
家族の身体の状態は、
喉の治療によって唾液が出続け、
食事も困難で体力が落ち、
歩行もままならない状態でした。
そして本人はその場で「この口の状態で舌打ちなんてできない」と説明しました。
病院側が退室したあと、担当看護師さんと私に対して、
別の看護師から動作のスピードを急かされるような言動があり、
ナースコールを押すことにも気を使っていたことを打ち明けました。
さらに、以前の入院時には個室であるにもかかわらず、
廊下での看護師さんたちの話し声が大きく、休まらなかったこともあり、
「また入院するのが嫌だった」と本音を話してくれました。
この一連の出来事を通して、私は強い違和感を覚えました。
「舌打ちをした」という報告があったにもかかわらず、
それが病状によるものだと、なぜ誰も気づいてくれなかったのか。
ちなみに、健康なときから舌打ちなど一度もしたことがない人ですし、
普段から反抗的な態度を取るような性格でもありません。
■カスタマー・ハラスメント講習
会社ではハラスメント対策が進んでいます。
カスハラ対策の講習では、次のように説明されます。
「就業環境が害されるとは、顧客等の言動によって労働者が身体的・精神的苦痛を受け、業務に看過できない支障が出ている状況」
そして、カスハラを訴えた従業員を守るためには組織的な対応が必要で、
従業員は上司や相談窓口に相談し、
会社はその訴えをもとに対応しなければならないとされています。
■顧客から感じた苦痛は全てカスハラなのか?
では、家族の病気の症状からくる行動や態度は、本当に
「苦痛を受け、業務に看過できない支障」だったのでしょうか。
看護師が感じた“反抗的な態度”は、病状によるものだった可能性が高いのに、
カスハラにつながるものとして捉えていたのだとしたら、
そこには少し違和感が残ります。
部長先生は、再々入院を強く拒んだ家族の態度と、
看護師からの報告の両方を受け取り、
率直にハラスメントと判断したのでしょう。
しかし医師であれば、舌打ちができる状態なのか、看護師が患者の病状を正しく理解していたのか、
その点に疑問を持ってほしかったというのが家族としての本音です。
組織内でのパワハラは、長い人間関係の積み重ねの中で起こるため、双方の関係性や背景を確認することができます。
しかしカスハラは、短いやりとりの中で生じる“瞬間的な苦痛”で判断されるため、より慎重に双方の状況を確認する必要があります。
今回の出来事を通して、
カスハラ対応こそ、最も繊細なコミュニケーションが求められる
と強く感じました。
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