現役営業事務が語る“ビジネスメールから読み取る日本の生産性の低さ”

現役営業事務が語る“ビジネスメールから読み取る日本の生産性の低さ”

記事
コラム
セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年間、営業事務として働いています。

「日本の労働生産性が低い」というニュースをよく目にします。
ある新聞記事を読んだとき、これが生産性を下げている一因ではないかと感じたことを書きたいと思います。

■ある新聞記事

ある日の日経新聞に、次の内容が掲載されていました。

『一般社団法人日本ビジネスメール協会が2026年に仕事でメールを使っている人を対象にした「ビジネスメール実態調査」によると、一通のメールを読む平均時間は1分39秒、書くのは6分19秒だった。
(中略)ビジネスメールの大前提は「情報が正しく伝わること」と「相手が不快に感じない表現であること」の2つ

この記事はビジネスメールの書き方を紹介する内容でしたが、
私はこの「大前提の2つ」にとらわれすぎて、
メール作成に時間がかかっている人が多いのではないかと感じたのです。

■情報が正しく伝わるメールとは

記事にも書かれていたように、
伝えたい内容は箇条書きで整理するのが最も確実です。
手順がある場合は“→”を使えば、視覚的にも流れが分かりやすくなります。

実際私自身、口語的な文章が長く続くメールを受け取り、
読み違えてしまい、仕事でミスをした経験があります。
情報が正しく伝わる構成は、相手のためだけでなく、
自分のミス防止にもつながると痛感しました。

■「相手が不快に感じない表現」へのこだわり

そしてもう一つの大前提、「相手が不快に感じない表現」。
 ここが、メール作成に時間がかかる最大の要因ではないでしょうか。

仕事メールだからこそ、冒頭の挨拶から締めの言葉まで「失礼がないように」と気を遣い、表現を何度も練り直す。 
こうした慎重さは、日本人特有の文化や気質が影響しているようにも思います。

■“言い方”が内容より重視される日本のコミュニケーション

日常の会話でも、“言い方”が話題になることは多いですよね。 
「あの言い方はないと思う」という批判から、
その人自身の評価にまで話が広がることもあります。

それほど日本では、伝え方が内容以上に重視される傾向があります。
 逆に、内容が薄くても“伝え方が上手い人”が場を動かしてしまい、
後になって「誰が言ったのか」で問題が大きくなるケースもあります。

■AIがこの問題を解消していくかもしれない

こうした“言い方への過度な配慮”は、AIが徐々に解消してくれるのではないかと私は思っているのです。
 文章の構成や丁寧さを整える作業は、まさにAIが得意とする領域です。
人が時間をかけて悩んでいた部分をAIが肩代わりすることで、
メール作成に費やしていた時間が減り、生産性向上につながる可能性があります。

そして、多くの人がAIを使ってビジネスメールを作成されるようになれば、
冒頭の挨拶、箇条書きの要点、締めの言葉まで、
誰が書いても同じような体裁になり、
「これはAIが整えた文章だよね」と
互いに理解したうえでやり取りする時代が来るような気がしています。

そうすると、私たちが入力するのは箇条書きの要点だけ。
つまり「伝えるべき中身」に集中できるようになり、
メール作成にかかる時間は大幅に短縮されるはずです。

■メール以外の“作る仕事”も効率化されていく

そして、この流れはメールだけにとどまらないと思います。
 例えば、スーパーのチラシや求人広告のデザインのように、
ある程度ルール性がある“作る仕事”は、
AIの活用によって効率が一気に上がる領域です。

• レイアウトの基本構造
• 色使いのパターン
• キャッチコピーの定型
• 情報の並べ方

こうした「型」が存在する仕事は、AIが高速で最適化できます。
 人はその上に“判断”や“企画”といった付加価値を乗せるだけでよくなり、
全体の生産性は確実に上がっていくでしょう。

■AIが“型”を作り、人が“中身”を作る

AIが文章やデザインの体裁を整える時代になるということは、
人が担うべき仕事がより本質的な部分に寄っていくということでもあります。

• 何を伝えるべきか
• どんな情報が重要か
• どんな判断が必要か
• どんな価値を提供したいか

こうした「中身の思考」が、人の仕事の中心になっていく。 
その結果、メールや資料作成に費やしていた膨大な時間が削減されると同時に、伝え方の表現方法で悩むことも悪口を言いあうこともなくなるのではないでしょうか。

AIが“型”の体裁を整えるが当たり前になったとき、次に人々はAI定型メール以外で作ったメールをもらうと、不快に思うのか、それとも心がこもっているとうれしい気持ちになるのか—どんな未来が待っているのでしょうか。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す