催促メールの書き方 — 気まずくなる原因は「催促」ではありません

催促メールの書き方 — 気まずくなる原因は「催促」ではありません

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ビジネス・マーケティング
支払いや返信の催促メールを書こうとして、手が止まることがあります。
文面を丁寧にしても、読み返すとやはり気まずい。

丁寧さが足りないのではありません。気まずさは、丁寧さとは別のところから出ています。文の「主語」と「時制」、そして「誰が判断するか」の3つです。

■ 1. 気まずさの出どころは、相手を主語にした過去形

「まだご連絡をいただけておりません」

この一文は、丁寧語で書かれていますが、内容は「あなたは、するべきことをしなかった」という事実の指摘です。主語が相手で、時制が過去なので、必ず相手の不作為を指すことになります。

主語を自分に移すと、同じ状況が別の文になります。

「◯◯の件、こちらでまだ確認ができておりまして」

指している事実は同じです。違うのは、誰の状態を述べているかだけです。相手を評価する文から、こちらの状況を伝える文に変わります。

■ 2. 「催促」ではなく「こちらの予定の共有」にする

「◯日までにご返信ください」は、依頼の形をしていますが、機能としては指示です。相手には従うか断るかしかありません。

「◯日にこちらで印刷所へ入稿する予定でおります」

こう書くと、同じ日付が、命令ではなく情報になります。相手は指示に従うのではなく、自分の都合と突き合わせて判断できます。

催促が角を立てるのは、催促の内容ではなく、相手から判断の余地を取り上げてしまうからです。

■ 3. 期限には理由を添える

「◯日まででお願いします」とだけ書かれた期限は、根拠のない圧力として届きます。なぜその日なのかを一行足すだけで、性質が変わります。

「印刷所の締切が◯日のため」「月末の締めに間に合わせたく」

理由のある期限は、相手にとって「事情」になります。理由のない期限は「要求」のままです。

■ 4. いちばん効くのは「返事がない場合にどうするか」を先に書くこと

4つのうち、書き換えの幅がいちばん大きいのはこれです。

「◯日までにご連絡をいただけない場合は、いったん現行の内容のまま進めさせていただきます」

これを添えると、相手にとっての状況が変わります。「返事をしなければならない」から、「返事をしなくても物事は進む」に変わるためです。

追い詰める文に見えるかもしれませんが、働きは逆で、相手が背負っていた「自分が止めてしまっている」という負い目を外す文です。そしてこちらも、次に何をするかが決まるので、返事を待ち続けなくて済みます。

なお、ここで書く「既定の進め方」は、相手が黙って受け入れても困らない内容にしてください。相手にとって不利な内容を既定に置くと、これは通告になります。

■ 書き換えの例

【前】
お世話になっております。先日お送りした見積書の件、まだご返信をいただけておりません。お忙しいところ恐縮ですが、今週中にご返答をお願いいたします。

【後】
お世話になっております。先日の見積書について、こちらでまだご意向を確認できておりまして、念のためご連絡いたしました。

制作の枠を今週いっぱいで確定させる必要があり、◯日までにご連絡がない場合は、いったん枠を解放して、改めてご相談をいただいた時点で再調整させていただければと思います。

ご検討中でしたら、その旨だけでもお知らせいただけますと幸いです。

■ まとめ

・相手を主語にした過去形は、事実の指摘ではなく不作為の指摘になる
・期限は「指示」ではなく「こちらの予定」として置く
・期限には理由を一行添える
・返事がない場合の既定を先に書く。ただし相手が黙認しても困らない内容にする

催促のメールは、相手を動かすための文ではなく、こちらが次に進むための文だと考えると、書きやすくなります。

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