私には昔から、“困っている人を放っておけないクセ”がある。
これはもう、才能なのか欠点なのか自分でもわからない。
先日のこと。
駅の自動改札で、前の人がSuicaをタッチしそびれてゲートが閉まり、
ピーピーと警告音が響いた。
その瞬間——
例の“お節介センサー”が作動した。
私は気づけば声をかけていた。
「すみません!もう一回タッチでいけます!」
係員でもないのに。
関係者でもないのに。
まるで駅長のようなテンションで。
当の本人はちょっとビックリしていたけれど、
「あ、ありがとうございます……」と通っていった。
そこで終わればよかったのに、
なぜか私のセンサーはオフにならない。
次に来た人のSuicaまでガン見してしまい、
ピッと鳴るたびに心の中で「よしっ」と頷いていた。
完全に“改札の守護霊”のよう。。。
しばらくして、娘が私の袖をちょんちょんと引っ張ってきて、
「ママ…それ以上やると怪しい人だからね」と冷静に言った。
冷静すぎる。
確かに、ただの一般人が、
改札の通行を全力でサポートしているのはどう見ても不自然だ。
私は慌ててセンサーをオフにし、
気づかれないように自然な歩みで移動したつもりだったけれど、
娘には
「いや…全然自然じゃないよ?」
と、鋭いツッコミをいただいた。
子どもというのは、どうしてこうも核心を突くのがうまいのだろう。
帰り道、娘がぼそっと言った。
「ママって、お節介っていうか…人助けの妖精みたいだよね。」
妖精。
たぶん褒め言葉のはずだけど、
どこかじわじわ来て笑ってしまった。
お節介でも妖精でもなんでもいいけれど、
今日もまた、知らない誰かのSuicaの行く末を心配してしまった自分が
少しおかしく、ちょっと愛おしい。