タスクが増えていく。
基礎問題集、答練、テキスト読み、暗記、法改正、統計、選択式対策、模試。
どれも大切。
でも、全部を同じ強度で維持するのは難しいという現実。
ここで、繰り返し学習を
二つに分けて考えてみる。
① 蓄積型の繰り返し
テキスト読み、横断整理、制度理解。
回すほど、
・論点が接続する
・因果が見える
・抽象度が上がる
そして重要なのは、やめてもゼロに戻らないこと。
理解はネットワーク構造で保存される。
一度「なぜそうなるか」が腑に落ちると、簡単には失われない。
これが蓄積型。
② 維持型の繰り返し
暗記、一問一答の反射系問題。
これは別物。
復習しなければ減衰する。
反射速度は止めれば鈍る。
維持には定期的なメンテナンスが必要。
これが維持型。
この二つを同時に最大化するのは難しい。
時間が無限ならいい。でも社会人受験は違う。
維持型を常に回し続けると、維持コストが固定費になる。
固定費が大きいと、投資に回せる時間が減る。
投資とは何か。
構造理解。
なぜ構造理解が優先されるのか
近年の社労士試験は、
・条文の丸暗記では取りきれない問題
・横断的思考を要する問題
・制度趣旨を問う問題
が増えている。
つまり、「知っているか」より「どう組み立てるか」。
構造理解は短期間では作れない。
反射は戻せる。
構造は積み上げ型。
ここが時間設計の要。
だから「錆びさせる」
維持型は一度引き上げる。
ただし、その後は意図的に維持を最小限にする。
なぜなら、
直前期に再学習すれば回復速度は初回より速いから。
これは再学習効果。
一度回路を作った脳は、
二回目の立ち上げが早い。
完全に崩れるわけではない。
表面に錆が浮かぶ程度。
芯は残る。
だから今は固定費を削る。
その分を構造理解に投資する。
これが「錆びさせる」という戦略。
多くの講師や優秀な合格者が「模試に照準を合わせろ」と言う。
それは間違いではない。
なぜならそれは「受験生全体」に対する戦略だから。
多くの受験生にとっては、
・模試を目標にする
・直前で仕上げる
・反射を強める
この設計の方が事故は減る。
母集団全体の合格率を上げるなら、それは合理的な戦略である。
統計的に見れば、平均点付近にいる受験生を底上げする方が、
全体の合格者数は安定する。
しかし、それは
「全体の平均値」を最大化する設計。
私が考えているのは、「私個人の本試験での最大パフォーマンス」。
この二つは、似ているようで違う。
全体最適と、個体最適は一致しないことがある。
模試を整えない理由
この設計を前提にすると、模試への姿勢は決まる。模試前に暗記を固める行為は、維持型に時間を払うことになる。
それは投資機会の損失。
さらに重要なのは、
暗記で整えた状態で模試を受けると、反射で取れた点と、構造で取れた点が混ざる。弱点抽出の精度が落ちる。
模試の本来の役割は、
・現在の地力の測定
・理解不足の露呈
・深掘り箇所の特定
ここにある。
整えると模試の得点は上がる。
でもその裏で、構造理解への時間は静かに削られていく。
ピークは、本試験のみに向け作るのが最もコストが少ない。
ピークは意図的に作るもの
ピークには維持コストが発生する。
模試ごとにピークを作ると、常に維持型を回し続ける設計になる。
一方で、
模試を「弱点抽出装置」として使い、深掘り期間を作れた人は構造が完成していく。
そして直前期に反射を戻す。
構造 × 反射。
これが最終形。
繰り返し学習は強い。
でも、
・維持型は固定費
・蓄積型は投資
この違いを意識しないと、時間は静かに溶ける。
何を回し続けるかではなく、何を一度作って手放すか。
錆びさせるのは放棄ではない。
時間資本の再配分。
限られた時間を、どこに使えば本試験で返ってくるのか。
だから、私は錆びさせる。
社労士試験は、能力よりも、試験制度に合わせて学習をどう設計するかが大切だと考えています。
ココナラで個別相談も受けています。
必要な方は、プロフィールからご確認ください。