居場所を探す時間

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朝4時。
今日は早くから予定があり、家を出た。
朝食だけ確保しようと、近所のコンビニに寄ることにした。

駐車場はがらんとしていた。
店の前の暗闇では、若い男女が二人、柵に腰をかけて煙草を吸っている。

私が車を停めると、ふとこちらに視線を流し、少し気にするような様子を見せた。
けれどすぐに、二人の時間へ戻っていく。
高校生の娘と同じくらいかな、と思いながら、私はそっとその姿を視界に入れた。

気づいていながら、知らないふりをして店内へ入る。
中には客の姿はなく、おにぎりとコーヒーを手にして、さっと出るつもりだった。

コーヒーマシンに向かうと、同じスペースのイートインコーナーにも若い男女の背中があった。
私が近づくと、後ろをちらちらと気にする気配がする。
でもその気配も一瞬で、またすぐに二人の世界へ戻っていく。

猫みたいだな、と思う。
逃げはしないけれど、一瞬身を固めて、全身で何かを探るような、あの感じ。

昼間なら、わざわざ入ってきた人をあんなふうに気にすることはないのかもしれない。
でもこの時間は、誰かが来るだけで少し空気が揺れる。

寝ているはずの時間。
私にとっては早起きでも、そこにいる人たちにとっては、まだ終わらない一日の途中なのかもしれない。

寝静まった闇で過ごす時間。
完全に自由なように見えて、案外まわりを気にしてしまう。
ただ、自分たちの時間を邪魔されたくないだけなのに。

そういえば私も、同じような時間にこっそり家を出て、あてもなく散歩したことがあった。
何かをしたかったわけではない。
ただ少しだけ、いつもと違う場所に立ってみたかったのだと思う。
なんとなく悪いことをしているような気持ちを楽しみながら、私はただ、それだけのことで少し大人になったような気がしていた。

何を求めているのかは、自分でもよくわからない。
それでも、人はときどき、今いる場所とは少し違うどこかに身を置きたくなる。
居場所を探すというほど大げさではなくても、そういう時間が欲しくなることがある。

早朝のコンビニにあったのは、
そんな気持ちの、ひとつの風景だったのかもしれない。
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