vol.22【第5の習慣】理解してから理解される(3)

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 Win-Winの扉を開く「説得の三要素」

相手を深く理解しようと努めるほど、私たちは驚くべき事実に気づかされます。それは、「人によって、ものの見方はこれほどまでに違うのか」ということです。
私たちは長年、自分の色眼鏡(パラダイム)で世界を見て、それを「唯一の事実」だと思い込んでしまいがちです。
そして、自分と違う見方をする人を「分かっていない」と片付けてしまいます。
しかし、相互依存のステージで成果を出すには、まず相手のメガネを借りて世界を眺める勇気が不可欠なのです。

エトス・パトス・ロゴス:効果的なプレゼンテーションの極意

Win-Winを実現するためには、自分の考えを相手に正しく伝える(理解される)ことも同じくらい重要です。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人を説得するための要素を次の3つの順番で定義しました。

・エトス(Ethos):信頼性
 ⇒ あなたの人格や、誠実さに対する「信頼残高」のこと。

・パトス(Pathos):感情移入
 ⇒ 相手の気持ちや背景に寄り添い、共感する力。

・ロゴス(Logos):論理
 ⇒ プレゼンテーションの内容や、理屈の正しさ。

多くの人は、いきなり「ロゴス(論理)」から入り、自分のアイデアがいかに正しいかを証明しようとします。
しかし、信頼(エトス)がなく、気持ち(パトス)も汲み取ってくれない人の正論(ロゴス)を、人は受け入れません。
まず信頼を築き、相手の不安や関心事を深く理解した上で、最後に論理を提示する。
この順番を守るだけで、あなたの言葉の信憑性は劇的に高まります。

「影響の輪」を広げる鍵は、自分の耳にある

人間関係の悩みは、往々にして「他人の行動」や「環境」など、自分ではコントロールできない「関心の輪」の事柄に集中しがちです。そこにエネルギーを注いでも、相手を変えることはできず、疲弊するばかりです。
しかし、「まず理解する」ことに徹すると、不思議な変化が起こります。

1.相手の話を真剣に聞くことで、自分が相手に「影響される(理解を深める)」。

2.すると、相手は「理解された」と感じ、心を開いてあなたに「影響される(話を聞く)」ようになる。

3.その結果、これまで変えられないと思っていた周囲の状況に、あなたの影響が及ぶようになる。

つまり、「人に影響される余裕を持つこと」こそが、他人に影響を及ぼす最大の武器なのです。

処方の前に、まず診断を

どんなに素晴らしい解決策(処方箋)を持っていても、相手を正しく診断(理解)していなければ、それは独りよがりな押し付けになってしまいます。

・評価する前に、理解する。

・アドバイスする前に、耳を傾ける。

・自分の考えを打ち出す前に、相手の「パラダイム(ものの見方)」を受け入れる。

この強力な習慣が、対立を協力に変え、Win-Winの未来を切り拓くのです。

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