第一章 すべては、母との関係から始まっていた 第一話

第一章 すべては、母との関係から始まっていた 第一話

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コラム

第一話 「母のことを書こうとすると、何も思い出せなかった」


ある日、一枚の白い紙を前にして、私は手が止まりました。

「母から愛された記憶を書いてみてください。」

そう言われたとき、
私は、すぐには何も書けませんでした。

思い出そうとすると、
否定されたこと。
怒られたこと。
怖かったこと。

そんな記憶なら、
次から次へと浮かんでくるのに。

けれど、いい思い出として残っている
愛された記憶って、
なんだっけ?

頭の中で、
必死に探し続けました。


食事を作ってくれた。
病院にも連れて行ってくれた。

ちゃんと育ててもらった。

でも・・・。

あと、なんだっけ・・・。

そういうこと以外にも、
何かあるはずなのに。

そんな風にフリーズしていました。


あの頃はまだ、
何も思い出せないことが、
こんなにも意味を持つなんて知りませんでした。

愛されなかったのか。

それとも、
私が忘れてしまっただけなのか。

答えはわからないまま、
ただ紙を見つめているだけ。

それでも、何かを書こうとしていました。


そんな中、
「あれ?」
思い出せないこと自体が、
私の心からのメッセージなのかもしれない。

そんな気がしたのです。


緊張することが、
当たり前だった。

安心って、
どんな感覚だったっけ。

そんな毎日だったのかもしれません。


私はずっと、
「愛された記憶が思い出せない」
そう思っていました。

でも、
思い出せなかったのではなく、
愛を感じないように
生きてきただけだったのかもしれません。


まだ、その頃の私は、
そこまで言葉にすることはできませんでした。

でも今振り返ると、
あの日、白い紙の前で止まっていた私は、
自分の心と向き合い、
ちゃんと歩き始めていたのだと思います。

思い出せないことも、
心が教えてくれる、大切なサイン。

あの日、
私の人生は、
静かに動き始めていました。

私は、まだこの続きを歩いています。

あなたは、
母から愛された
どんな記憶が残っていますか。


🌿最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

この連載では、
母との関係から始まった心の旅を、
少しずつ綴っています。

もしかしたら、
あなたの心にも重なる景色があるかもしれません。

これからも、一緒にゆっくり歩いていけたら嬉しいです。

そして、もし誰かと一緒に心を整理したくなった日には、
その続きを、安心して話しに来てください。





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