「やりたいこと」がわからない夜に。脳が仕掛ける「選択のオーバーロード」をほどき、自分の本音を取り戻す方法

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忙しかった今日という一日の締めくくりに、自分のための数分間の時間を作る。ブログでコーチング、VISION GARDENです。

今日も一日、本当にお疲れ様でした。

なぜ「何がしたいか」を考えようとすると、頭が真っ白になるのか

タイムラインに溢れる「自分らしく生きる」という眩しさ
ベッドに入って、ふと開いたスマホの画面。「本当にやりたいことで独立しました!」「自分のパッションに従ってキャリアチェンジしました」といった、生き生きとした言葉が並ぶSNSのタイムライン。それらを目にした瞬間、胸の奥がモヤモヤとした焦りで満たされることはありませんか。

「それに比べて、自分は本当は何がしたいんだろう……」
「今の仕事に大きな不満があるわけじゃないけれど、これが『本当にやりたいこと』なのかと聞かれると自信がない」

そんなふうに、自分の「内なる願い」が見えなくなって、夜な夜な一人で考え込んでしまう。真面目で、自分の人生に対して誠実に向き合おうとしている人ほど、こうした「やりたいこと迷子」の沼にはまってしまいがちです。

あなたが悪いわけではない。まずは自分を労うことから
まず、最初にお伝えさせてください。
「やりたいことがわからない」と焦ってしまうのは、あなたの感性が鈍っているからでも、人生をサボっているからでもありません。むしろ、今日まで与えられた役割を全責任を持って全うし、目の前の仕事や生活を懸命に積み上げてきた証拠です。まずは誰よりもあなた自身が「毎日、本当によく頑張っているよ」と、100%認めてあげてくださいね。

実は、やりたいことが見えなくなっているとき、あなたの心ではなく、「脳」がある現代特有のシステムエラーを起こしている可能性が高いのです。

脳科学・行動経済学から見る「やりたいこと迷子」の正体

選択肢が多すぎると脳はフリーズする「選択のオーバーロード」
行動経済学の有名な知見に、「選択のオーバーロード(選択肢の過多効果)」という言葉があります。
人間は、選択肢が少なければスムーズに決断できるものの、選択肢が過剰に増えすぎると、かえってどれも選べなくなり、選んだとしても「本当にこれで良かったのだろうか」と満足度が下がってしまう現象を指します。

現代は、歴史上もっとも「自由に生き方を選べる時代」です。転職、副業、独立、リスキリング……SNSを開けば、無数の「正解らしき選択肢」が目の前に並びます。

私たちの脳は、処理できる情報量に限界がある非常に不器用な組織です。無数に流れてくる「他人の成功ルート」を浴び続けると、脳のメモリは一瞬で一杯になり、一種のフリーズ状態を起こします。これが、「やりたいことを考えようとすると、頭が真っ白になってしまう」という脳のバグの正体です。

感情のセンサーに蓋をする「役割の過剰適応」
さらに、ビジネスパーソンとして優秀な方ほど、日々の業務の中で「論理(ロジック)」や「他者からの期待」を優先する訓練を積み重ねています。

「会社が求める成果は何か」

「市場価値が高いスキルは何か」

「周囲をがっかりさせないための選択はどちらか」
このように「外側の物差し」ばかりに焦点を合わせていると、脳は「自分の快・不快」を検知する感情のセンサー(偏桃体など)へのアクセスを一時的に遮断してしまいます。

なぜなら、自分の「やりたくない」という本音に毎度向き合っていては、目の前の過酷なタスクを処理できないからです

つまり、あなたがやりたいわからないのは、「脳が選択肢の多さに圧倒され、さらに自分の感情を感知するセンサーが一時的に休止している状態」にすぎないのです。

あなたの情熱が消えてしまったわけではありません。

ロジックを足すのをやめ、引き算で「感覚」を取り戻す

マーケター時代の私が陥った「正解探し」の罠
元マーケターとして、常に数字や効率、他者からの評価といった「外側のロジック」を追い求めていた時期が私にもあります。
「市場のトレンドはどこにあるか」「次にブレイクする掛け合わせのスキルは何か」と、外側に答えを求め、頭だけで「やりたいこと」を無理やり捏造しようとしていました。ロジカルに考えた「やりたいこと風の目標」を掲げて走るのですが、走れば走るほど心が置いてけぼりになり、エネルギー切れを起こして息苦しさを感じていました。

その時に痛感したことがあります。
「やりたいこと」とは、ロジックで『導き出すもの』ではなく、自分の内側から『湧き出てくるもの』だということです。

他人が掲げる「これがこれからの正解だ」というライトにどれだけ自分の焦点を合わせても、自分自身のコンパスが動くことはありません。外側の選択肢をこれ以上増やす(足し算する)のではなく、余計なノイズを削ぎ落とし、眠ってしまった感情のセンサーを優しく起こしてあげる(引き算する)アプローチが今、必要なのです。

「大きなGOAL」という呪縛を解く
世間のSNSや自己啓発の世界では、「人生を激変させるような壮大な目標を持とう」と煽られることが少なくありません。しかし、センサーが弱っているときにそんな巨大なものを探そうとすると、余計に足元がグラグラと揺らいでしまいます。

誰かの人生のストーリーと、あなたのストーリーは全く別物です。ジャッジする必要も、羨む必要もありません。
壮大な「何をするか(Doing)」に目を向ける前に、まずは「自分はどんな状態でいたいか(Being)」という、地味だけれど最も大切な足元にスポットライトを戻してあげましょう。

明日からできる「感情のセンサー」復旧アプローチ

魔法のような一発逆転で、明日から急に「これが私の天職だ!」と閃くような解決策はありません。
でも、小さなアプローチを重ねることで、脳のフリーズは確実に解け、あなたの内なるコンパスは再び正しい方向を指し示し始めます。

ステップ1:インプットの「断食」をする
まずは、脳のメモリを解放するために、情報の流入を意図的に減らしましょう。特に夜、ベッドの中でのSNSチェックは、脳に「選択のオーバーロード」を強制的に引き起こす最も危険な習慣です。スマホを少し離れた場所に置き、脳を「何も比較しない、何も選ばない状態」にしてあげるだけで、心の波立ちは少しずつ静まっていきます。

ステップ2:日常の「微小な快・不快」を実況中継する
「やりたいこと」という大きな塊を探すのではなく、日常の些細な「好き・嫌い」「心地いい・心地悪い」をキャッチする練習をします。

「今日のランチで飲んだコーヒー、すごく美味しいな(快)」

「この会議の進め方、なんだかすごくモヤモヤするな(不快)」

ノートの切れ端でも、スマホのメモ帳でも構いません。頭の中で浮かんだまとまらない本音を、ただそのまま吐き出してみてください。「何がしたいか」ではなく、「今、どう感じているか」に視線を優しく引き戻してあげる。これが、ブレない軸を作っていくための最初の一歩です。

焦る必要はまったくありません。あなたはあなたのペースで、あなただけの人生を組み立てていけばいいのです。

【なりたい自分へ繋ぐ、今日の「問い」】

「もし、世間の流行や『他人の目』を一切気にしなくていいとしたら、あなたは明日、どんな『心地いい時間』を自分にプレゼントしたいですか?」

答えはすぐに出なくても大丈夫。眠りにつく前や、明日の朝にふと思い出してみてくださいね。
それでは、今日もしっかり休んで、あなたらしい明日を。VISION GARDENでお待ちしています。

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