今日、手に取ったのは『物語思考「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』(けんすう(古川健介)・著)という一冊です。
本書では、理想のキャリアや人生を叶えるための「物語思考」のステップが5段階に分けて解説されています。今回はその記念すべき最初の一歩、ステップ1「頭の枷(かせ)を外しながら、なりたい状態を考える」を読んだ学びをまとめました。
はじめに:「物語思考」とは何か?
まず、本書の根幹となる「物語思考」とは何かについてです。
著者によると、物語思考とは「自分の理想通りに人生を過ごすために、一つの物語を作るように考える思考法」のことだそうです。
自分を物語の主人公と捉えることで、自分自身を客観視しやすい状態(いい意味での「他人事」)にしておくことができるとのこと。何も事件や変化が起きない人生は、物語として楽しくありません。小説を書くようなイメージで自分を捉えるのがコツだと言います。
具体的には、以下のようなプロセスで進めていくそうです。
自分のキャラクターを設定する
そのキャラクターに合う環境を選ぶ
適切な行動をとる
このように思考をシフトさせることで、目標を達成する過程そのものを楽しめるようになるのだそうです。
ステップ1:頭の枷を外しながら、なりたい状態を考える
1. 「なりたい状態」が行動を変える
人は無意識のうちに自分の限界を自分で決めてしまいがちですが、まずは頭の枷(ブレーキ)を外して「なりたい状態」を見つけることが大切とのことです。
学校教育などでは過去の積み重ねが重視されがちですが、過去は変えられず、後悔しても無駄だと著者は指摘します。過去の積み重ねよりも「未来になっていたい状態」のほうが今の自分に影響を与えるため、未来から逆算して今行動することが最も合理的なのだそうです。
2. 「10年後になりたい状態」を100個書く
自分のなりたい状態を言語化するために、無理やりにでも100個書き出す作業を推奨されています。タスクレベルの小さなことでも、以下のようなジャンルでも何でもOKとのことです。
年収、資産、ライフスタイル、家
旅行したい場所、職業、スキル、ポジション
付き合う人、結婚、子ども、友達、時間の使い方
無理やり捻り出したものの中にこそ、自分の本音が隠れていることもあるそうです。
書き出し方のポイントは以下の通りです。
「こうはなりたくない」から考える: 人はネガティブなことの方が思い浮かびやすいため、そこから逆に言い換えてみるのもアリとのこと。
ブレーキを外す: 制限をかけない。ただし、年収1兆円などの現実離れしすぎた設定は避け、現実的にあり得る範囲で枷を外すのがポイントとのこと。
サクッと書く: 何度でも書き直せるため、完璧を目指さずサクッと書くのが大事だそうです。
3. トラウマやコンプレックスとの向き合い方
程度によるため、病気レベルであれば然るべき医療機関にかかるべきとのことです。 自身で向き合う場合は、「事実」と「解釈」を分けてノートに書き出すのが有効だそうです。その解釈をした理由を書き、さらにその理由に対する「反論」をノートに書いて整理していくとのことでした。
理想を現実へ手繰りよせるアプローチ
1. 「抽象度」をコントロールする
理想を挙げたら、「なんでそうなりたいのか?」と理由の抽象度をもう一段上げてみるのが良いそうです。 たとえば、「年収3000万円になりたい」という理想なら、「金銭的な自由が欲しい」と抽象度を上げます。その上でもう一度、最初の理想(年収3000万円)に立ち返って考えてみることで、理想の本質が見えてくるとのことです。
2. 「解像度」を上げて現実化する
理想の解像度を上げると、実現に一気に近づくそうです。
数字を軸にする: 「◯◯円」「◯◯ヶ月」と具体的に考える。
実際に体験してみる: 車が欲しければ試乗に行き、駐車場の金額を調べる。理想の生活があるなら、実際にその生活をしている人の暮らしを体験してみる。欲しいものを試着する、内覧に行く、行きたい学校に足を踏み入れに行く。理想の年収が得られた想定で実際に帳簿をつけてみる、理想の人と同じスケジュールで過ごしてみる、同じ構図で宣材写真を撮ってみるなど、小さな規模から試すのが効果的とのことです。
3. コンフォートゾーンの基準を上げる
コンフォートゾーンとは、ストレスがなく自分が心地いいと思える基準(自分の「普通」)のことです。 解像度を上げる工夫は、このコンフォートゾーンを引き上げることにそのまま活かせるそうです。
ポイントは、「理想を現実だと思い込むこと」。脳に現実だと思い込ませれば、その状態を失わないための行動を勝手にとるようになると言います。著者自身も受験生の頃、「早稲田大学生として行動する」ことで脳に自分を早稲田生だと思い込ませ、それに見合う勉強をするようになったそうです。
行動と成長を加速させる思考のヒント
1. 学習初期の失敗が成功を作る
学習の初期段階でたくさん失敗した方が、結果的に成功しやすいそうです。 迷路を最短距離でゴールできるネズミの速さには個体差がありますが、これは「初期にどれだけ失敗したか」が要因とのこと。工作の課題でも、MBAの学生や弁護士、コンサルタントより、失敗を恐れず試しまくる幼稚園児の方が優秀な結果を出すのだそうです。
2. 無駄をなくそうとするのが無駄
意図的に人生の「伏線」を回収するのは不可能です。だからこそ、伏線が回収されそうな努力をたくさんして伏線を張り巡らせておき、いつか偶然に回収されるのを待つのが正解とのことでした。
3. 「失敗が怖くて動けない」の正体
「失敗を恐れて行動できない」というのは、言い換えると「今の現状を積極的に受け入れている」ということなのだそうです。タイミングを逃し、ただ時間が過ぎていくこと自体が非常にリスキーであると書かれていました。
4. 未来予測は外れる(運の要素が大きい)
未来を予測してもほとんど外れるため、人生はほとんど運なのだそうです。大切なのは、リスクを分散させて大外れしないようにしておくこととのことでした。
5. 大きな夢を追う人は「夢がフィットした人」
成功した人は、意外にも夢をコロコロ変えているそうです。色々と夢を変えていく中で、一番自分にフィットしたものを選んでいるとのこと。 「最初に決めた夢を変えるのは良くない」と思われがちですが、一般人が夢を変えたところで「コロコロ変わるやつだ」と思われる程度であり、成功してしまえば何の関係もないのです。
6. 年齢ごとにフォーカスを変える
年齢によってアプローチを変えていくことも提唱されていました。
20代: とにかく何でもいろいろやる
30代: 専門性を磨く
40代: やりたいことでやっていく(オリジナリティを出し、個人名で仕事をする)
おわりに
第1章を読んで、自分が無意識に作っていた「頭の限界」に気づかされました。過去の延長線上で未来を考えるのではなく、まずは「なりたい状態」の解像度を極限まで上げて、脳を騙してしまうくらいのワクワク感を持つことがスタートラインなのだと感じます。
次回はステップ2以降の学びについてもまとめていきたいと思います!