先日手に取った『物語思考「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』(けんすう(古川健介)・著)の読書メモの続きです。
本書では理想のキャリアや人生を叶えるための「物語思考」のステップが5段階で解説されています。
今回は前回の読書メモに続き、いよいよ最終章となるステップ5「物語を転がそう」を読んだ学びをまとめました!
※前回(ステップ1〜4)の詳しいお話は、ぜひ過去の記事をご覧くださいね。
はじめに:前回までの振り返り(ステップ1〜4)
まずは、これまでのステップを簡単におさらいしておきます。
ステップ1「頭の枷を外しながら、なりたい状態を考える」
過去の延長線上ではなく、自分の限界(ブレーキ)を外して「10年後になりたい状態」を100個書き出し、理想の解像度を上げて脳のコンフォートゾーンを引き上げる大切さを学びました。
ステップ2「『キャラ』の作り方」
「頑張って結果を出してから自分を認識する」のではなく、「理想のキャラを設定して、そのキャラになりきって行動する」という順番が挫折しないコツであり、矢沢永吉さんの「YAZAWA」のように理想の登場人物(キャラ)を作る手法を知りました。
ステップ3「『キャラ』に行動させよう」
キャラと行動は車の両輪のような関係であり、憧れの人の話し方を徹底的に真似たり、様々なシーンで取りそうな行動をリスト化して実践することで、「新しい自分」が手に入ることを学びました。
ステップ4「キャラが最高に活きる環境を作ろう」
人間は環境や立場によって作られるため、理想のキャラが生きる環境に飛び込むこと(サードドアの活用やSNS発信など)が重要だと知りました。
ステップ5:物語を転がそう
設定した「キャラ」と飛び込んだ「環境」を使って、いよいよ自分自身の物語を動かしていきます。
1. 読者目線で面白いストーリーを生きる
人は普段、ほとんど挑戦をしない生き物だそうです。それを乗り越えるためには自分を客観視し、「物語だったらどうなると盛り上がるか?」を考えるのがコツとのこと。そう考えることで人生でチャレンジする回数が増え、人生そのものが変わっていくのだそうです。
まずは物語を進めるために目標を決めるところからスタートしますが、「やりたいことがない」場合でも目標は設定できると言います。
ゴールよりもプロセス(楽しさ)重視
人生を山登りに例えた場合、ゴールに到達したかよりも「楽しかったか」「どんな道のりだったか」というプロセスの方が大切とのこと。
小さく短い目標をたくさん立てる
とはいえ、目標(登る山)がないと物語が進まないため、短期的で小さな目標をたくさん設定するのがおすすめだそうです。
「名場面」を考える
自分の設定したキャラがどんなシーンで盛り上がるか(名場面)を妄想してみるのが良いとのことでした。
2. 人生における「名場面」設定の3ルール
名場面を設定する際は、以下のルールを守るのがポイントだそうです。
・定性的なものにする
・ワクワクする形で書く(思い出すたびに暗い気持ちになるものはNG)
・自分が記憶しやすく、すらすら言える程度のものにする(自分で忘れてしまうものはNG)
行動計画の立て方:「どうやるか」の落とし込み
名場面(シーン)を決めたら、次は具体的な「どうやるか」を決めて行動計画を立てていきます。目標をとにかく細かくするのがポイントとのことです。
1. 「戦略・作戦・戦術」の3つに分けて上から考える
行動計画は、以下の順番で考えていくのが定石だそうです。
戦略:「こういう方向性で戦うぞ」という方針を決めること。
1番効率的なところにリソースを割くのが基本。
作戦: 戦略を具体的な行動に落とし込んだもの。
戦術: 作戦に基づいて実行する細かなタスクなど。
2. 行動を5秒レベルまで小分けにする
人はタスクが消化されると達成感を覚えるため、難易度にこだわらず「簡単なものにたくさん小分けにする」のがコツだそうです。「5秒あれば始められる」くらいに細分化しておくのが良いとのことでした。
物語を転がすためのコツ5選
物語をスムーズに進めていくために、本書では5つの実践的なコツが紹介されていました。
① 不安なことはすべて紙に書き出してみる
「ジャーナリング」がおすすめで、A4サイズで3ページ分ほど頭の中に浮かぶことをとにかく書き出していくそうです。紙に書くことで思考の空回りが防げ、自分を客観視できるようになるとのこと。
② 尊敬する人にメールで相談をするふりをしてみる
誰かにわかりやすく説明するようにアウトプットすることで、自分の思考や状況を客観視しやすくなるそうです。
③ アイデアを温めない
温めすぎると失敗するのが怖くなってしまうとのこと。アイデア自体に価値はなく「実行力」こそが大事であり、クオリティは置いておいて量をこなすことで良いものが生まれる(量は質を凌駕する)そうです。初心者なのに最初からクオリティを上げようとしないことが大切だと強調されていました。
④ 「判断」と「決断」を区別する
判断: データを集めて論理的に決めること。
決断: きっぱりと気持ちで決めること。データを集めても分かれそうなものや、データが手に入らないもの。
決断するまでの時間をあらかじめ決めておくのがポイントで、時間をかけても5秒で決めても結果が変わらないことが多いため、早く決めた方が良いそうです。決断しない状態というのは、物語思考的に「同じシーンが長く続いている状態」なので、「そろそろ次のシーンへ変えようかな」という感覚で決断していくのが良いとのことでした。
⑤ リスク管理表を作る
決断をする際、「不可逆(元に戻せない)かどうか」で決めるのもおすすめだそうです。
不可逆なこと: 慎重にリスクを洗い出し、対応策を考えておく。対応策がしっかりできていれば、むしろ安心してチャレンジできるそうです。
可逆的なこと(元に戻せる): 早く決断し、進めながらデータを集める。
ただし、「えいや!」と博打的に決めるのはダメとのこと。負けない状態(負けても挽回可能な状態)を作ってから始めるのが鉄則で、博打的な挑戦をする人は大きな失敗をして再チャレンジが難しくなるそうです。失敗が上手な人ほど再チャレンジしやすい環境を整えているとのことでした。
おわりに
本書の最後で語られていたのは、「失敗」が物語を面白くするということです。単体で見れば失敗であっても、人生を「線」で捉えた時には、その失敗こそが物語に深みをもたらしてくれる要素になります。
また、著者は「物語思考はよくある自己分析とは真逆だ」と主張されています。自分を掘り下げるのではなく「キャラクター」を立てておけば、時代や環境が変わっても「今何行動をすべきか」が自ずと分かるようになるのだそうです。
全5回にわたってお届けしてきた『物語思考』の読書メモ。
「やりたいこと」を探して立ち止まるのではなく、自分という主人公の「キャラクター」を設定し、失敗も伏線にしながら、ワクワクする物語をどんどん転がしていきたいです。