庭先に舞い散る銀杏の葉

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こんにちは!前嶋拳人です。

秋の深まった朝の庭先で、鮮やかな黄色に染まった銀杏の葉が、冷たい空気のなかをひらりひらりと舞い降りてくる光景に出会ったことはあるだろうか。一枚一枚はとても薄くて頼りないのに、風の気配を全身で感じ取りながらふわりと地面に降り立つその姿は、どこか自由で美しい生命力に満ちている。季節の移り変わりにあわせて自らの装いをしなやかに変えながら、次の瞬間にはまた新しい景色へと溶け込んでいく自然の営みを見つめていると、日々の慌ただしさで凝り固まっていた思考がすっとほどけていくような心地がする。

会社員として大きな組織のなかに身を置いていた頃の私の仕事は、どちらかというとこの銀杏の葉が風に舞うのを眺めることよりも、あらかじめ綺麗に舗装されたコンクリートの歩道を、決められた規則に従って一糸乱れぬ隊列で歩き続けるような日々の管理に近かったように思う。あらかじめ定められたスケジュールを厳格に守り、すべての工程を寸分の狂いもなく完璧にコントロールすること。それは社会全体の大きな基盤を支えるうえで欠かせない、確かな安全性と信頼性を証明する誇らしい役割だった。

けれど、いつしかその管理された仕組みのなかに身を置くうちに、もっと自分自身の五感で季節の風や温度を感じられる場所で、その時々の状況や人々の暮らしにしなやかに寄り添うようなものづくりをしてみたいという気持ちが強くなっていった。大きな組織を離れてフリーランスという生き方を選んだとき、それはまさに自分がこの銀杏の葉のように、あらかじめ決められたレールから一歩踏み出し、新しい風に身を委ねながら自分の足で歩き始めるような日々の始まりだった。

実際にさまざまな現場でコードを書きながら技術やプロジェクトに向き合っていると、私たちが手掛けるデジタルな仕組みもまた、この銀杏の舞い方ととてもよく似ていることに気づく。どれほど完璧な設計図を描いたとしても、それを使う人々の現実の暮らしや、日々変化していく環境に合わせなければ、本当の意味でいきた成果にはならない。あらかじめ決められた正解をただ守り続けるのではなく、その時々に起こる変化をしなやかに受け止めながら、目の前の人にとって本当に心地よい形を手探りで磨き上げていくことが大切だと実感している。

守るべき堅実な技術の土台と、外の世界へと開かれた柔軟な心。その両方を大切にしながら日々を重ねていくことで、ものづくりに対する視野はぐっと広がっていきました。完璧な正解をあらかじめ固定するのではなく、その場にいる人たちと対話を重ねながら、いま必要とされるあたたかな温度を形にしていくことの面白さを噛り締めている。

今日もどこかの街路樹や仕事場で、だれかが舞い散る黄色の葉に目を留めていることでしょう。私も自分の中にある静かな軸を大切にしながら、しなやかで風通しのよい一歩をこれからも一歩ずつ重ねていきたいと思います。
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