「ミールワームさん、1人、生きてるよ。」
息子が私に言いました。
カマキリの餌として買った幼虫——ミールワーム。
私は、どうしてもその姿を直視できずにいました。
箱の中にうごめく小さな生き物たちを想像するだけで、ゾワッとしてしまうからです。
でもその日、息子の口から出た
「ミールワームさん」という言葉に、ハッとしました。
“さん”をつけた瞬間、あれほど気持ち悪いと思っていた存在が、
急にかわいく感じられたのです。
たった一言で、私の中の“抵抗感”が少しやわらいだ気がしました。
この出来事から思い出したのは、「自分の感情に名前をつける」という心理的アプローチ。
怒り・不安・焦り・悲しみ——私たちは、こうした“ネガティブ”感情をつい避けようとします。
「見たくない」「なかったことにしたい」と思えば思うほど、
その感情はどんどん強くなってしまうものです。
でも実は、その感情を和らげる近道は、感情に蓋をしないで向き合うこと。
たとえば…
悲しい気持ちには「かなしいちゃん」
イライラには「いかりまる」
やる気のない日は「ぐで子さん」
名前をつけると、感情がちょっと愛らしいキャラクターに変わります。
「嫌な感情」だったものが、少しだけ親しみを持てる存在になるんです。
そして、その子たちに話しかけてみてください。
「どうしたの?」
「そんなふうに感じてたんだね。」
「じゃあ、少し休もうか。」
「まあ、そんな日もあるよね」
まるで、心の中の登場人物と対話するように。
心理学では、これは「感情へのラベリング」とも言われます。
自分の感情が客観視できて、脳が落ち着き、自己理解が深まるのです。
もし今、心の中にモヤモヤした感情があるなら、
その子にどんな名前をつけてあげますか?
そして、どんな姿をしていると思いますか?
あなたの中の小さな感情たちが、少しずつ笑顔を取り戻せますように。