経営では、
・投資するべきか
・今の利益を守るべきか
という判断が常に求められます。
特に、
・利益が不安定
・将来が読みにくい
・キャッシュに余裕がない
といった状況では、判断が難しくなります。
実務でも、
・採用を増やすべきか
・設備投資を進めるべきか
・システム投資をするべきか
・固定費を削減するべきか
と悩むケースは非常に多くあります。
今回は、投資と守りをどう考えるべきか、
その判断基準を整理します。
1.まず守るべきものは何か
投資を考える前に重要なのは、
何を守るべきかを明確にすること
です。
会社経営では、すべてを守ることはできません。
だからこそ、
・キャッシュ
・限界利益
・顧客との関係
・人材
・自社の強み
など、優先順位を整理する必要があります。
特にキャッシュは重要です。
利益が出ていても、資金が尽きれば会社は継続できません。
まずは、
会社が継続するために必要なもの
を守ることが重要です。
2.投資とは「未来の利益を作る行動」
一方で、投資とは単にお金を使うことではありません。
重要なのは、
将来の利益につながるかどうか
です。
例えば、
・人材育成
・商品開発
・業務改善
・新規顧客開拓
・システム整備
・設備投資
などです。
設備投資も、単に設備を増やすことではありません。
重要なのは、
・生産性が上がるのか
・限界利益が改善するのか
・将来の競争力につながるのか
です。
逆に、
・一時的な売上
・再現性の低い施策
・その場しのぎの対応
だけでは、中長期の成長にはつながりません。
3.短期利益だけを優先するとどうなるか
短期利益だけを優先すると、会社は自然と
・投資を控える
・本来必要なコストを削る
・今の利益を守る
という方向に寄っていきます。
短期的には利益が改善することもあります。
しかし、その状態が続くと、
・人が育たない
・商品力が落ちる
・改善が止まる
・顧客が減る
といった問題が起きます。
つまり、
今の利益を守る代わりに、未来の利益を失っていく
という状態です。
これは前回の記事でも書いた通り「縮小均衡」と呼ばれる状態です。
4.投資判断はどう考えるべきか
実務では、
・将来性がありそう
・必要そう
・他社もやっている
という理由だけで投資が進むことがあります。
しかし重要なのは、
投資した資金が、将来どれだけ価値を生むか
です。
① 回収期間法
最もシンプルな考え方です。
「投資額を何年で回収できるか」
を見る方法です。
例えば、
・1,000万円投資
・年間200万円利益改善
なら、回収期間は5年です。
中小企業では、資金繰りを重視するため実務上よく使われます。
ただし、
・回収後の利益を見ない
・時間価値を考慮しない
という弱点があります。
② DCF法(Discounted Cash Flow)
DCF法は、
将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻して考える方法
です。
将来の100万円と、今の100万円は価値が違う。
この考え方です。
NPV(正味現在価値)
NPVは、
投資によってどれだけ価値が増えるか
を見る指標です。
プラスなら投資価値あり、
マイナスなら慎重に考える必要があります。
IRR(内部収益率)
IRRは、
投資利回り
を見る考え方です。
「この投資は何%で回るのか」
を見るイメージです。
ただし、NPVやIRRも万能ではありません。
重要なのは、
「何年間のキャッシュフローで評価するか」
によって、結果が変わるという点です。
例えば、
・5年で見るのか
・10年で見るのか
によって、投資価値は大きく変わります。
特に、
・初期投資が大きい
・回収まで時間がかかる
投資では影響が大きくなります。
そして、この期間設定は一律ではありません。
重要なのは、
業界や事業の変化速度に応じて考えること
です。
例えば、
・IT・Web業界
・SNS関連
・テクノロジー分野
など変化が速い業界では、長期間の前提が崩れやすいため、比較的短めに考える必要があります。
一方で、
・インフラ
・製造設備
・不動産
など長期間使う前提の投資では、より長い期間で評価することがあります。
つまり投資判断では、
・回収性
・キャッシュフロー
・利益構造
だけでなく、
「その前提がどれくらい続くのか」
まで考える必要があります。
③ ROIC(投下資本利益率)
ROICは、
投下した資本に対して、どれだけ利益を生んでいるか
を見る指標です。
例えば、
・利益は出ている
・しかし設備投資が重すぎる
場合、ROICは悪化します。
つまり、
儲かっているように見えても、資本効率が悪い
という状態が見えてきます。
5.ただし、数字だけでは判断できない
ここで重要なのは、
投資判断は数字だけでは決まらない
という点です。
例えば、
・強みにつながるか
・将来の競争力になるか
・顧客価値につながるか
・ノウハウが蓄積されるか
といった視点も重要です。
短期では回収が遅くても、
・技術蓄積
・顧客基盤
・ブランド
・人材育成
につながる投資もあります。
つまり投資判断では、
・回収性
・キャッシュ
・利益構造
・将来競争力
を総合的に見る必要があります。
6.守るべき時期もある
もちろん、常に攻めればよいわけではありません。
例えば、
・キャッシュが厳しい
・固定費が重い
・利益構造が崩れている
場合は、まず守りを優先する必要があります。
ただし、
・顧客との接点
・改善活動
・人材育成
まで止めてしまうと、回復力が弱くなります。
守る局面でも、
未来につながる火を消さない
ことが重要です。
7.まとめ
投資すべきか、守るべきか。
この判断に絶対的な正解はありません。
しかし重要なのは、
・何を守るべきか
・何が未来の利益につながるのか
を構造で考えることです。
短期利益だけを見ると、
会社は徐々に縮小均衡型に近づきます。
一方で、将来につながる投資を続けることで、
・人が育つ
・改善が進む
・顧客が増える
・強みが積み上がる
という状態が作られていきます。
経営で重要なのは、
「今を守ること」と「未来を作ること」を両立すること
です。
もし、
・投資判断に迷っている
・どこを削るべきか分からない
・守るべきものを整理したい
という場合は、状況整理のお手伝いも可能です。
ブログでは一般的な考え方をお伝えしていますが、
実際の判断は、会社ごとの状況によって大きく変わります。
データや現状の課題をお聞かせいただければ、
構造的な問題を整理し、
取るべきアクションを一緒に考えることも可能です。
感覚ではなく、構造で判断する。
それだけで、経営判断は大きく変わります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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