【阪田和典】マーケターが“空き時間”をマーケティングしてみた結果

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ビジネス・マーケティング
フリーランスになってから、時間の使い方がまるで広告運用のように見える瞬間がある。どの時間に何をすれば、最も高いリターンが得られるのか。クリック率ならぬ「集中率」を上げるために、毎日の行動を分析している自分がいる。

ある朝、気づいた。自分の一日の中で「空き時間」こそ、最も無駄にしているリソースだと。電車を待つ5分、タスクの合間の10分、昼食後のぼんやりした15分。SNSをなんとなく眺めて終わるこの時間を、マーケティングできないだろうかと考えた。

最初に試したのは、思考のA/Bテストだ。たとえば「5分間でTwitterを開く」パターンAと、「5分間で今週のクライアントの課題を整理する」パターンB。結果は明らかだった。パターンBの方が、その後の仕事の流れがスムーズになり、午後の作業効率が約1.3倍に上がった。感覚的な数字だが、フリーランスの世界では感覚も立派なデータだ。

次に、空き時間を“投資対象”として扱ってみた。たとえば1日30分の空き時間を、マーケティングのインプットに投資する。SNSのトレンド分析、競合の広告チェック、新しいツールの試用。最初は地味な作業だが、積み重ねるうちに成果が変わっていく。あるクライアントのInstagram運用で、CTR(クリック率)が4.2%から7.5%に上がったとき、心の中で「この成果は通勤中の15分が作った」とガッツポーズした。

でも、面白いのはここからだ。空き時間を最適化すればするほど、今度は“無駄”が恋しくなる。人は完全に効率的にはなれないらしい。全ての時間をROIで測り始めると、息が詰まる。だからある日、あえて「空き時間を捨てる実験」をしてみた。スマホを置いて、ただコーヒーを飲む。風の音を聞く。それだけ。すると不思議なことに、次の広告アイデアがすぐに浮かんだ。

この瞬間、僕は気づいた。マーケティングとは、人間の“余白”をどう活かすかの科学なんだと。データも戦略も大切だけど、最終的に人の心を動かすのは、効率の外側にある感情や空気感だ。クライアントのブランドも、ユーザーの生活の中にある小さな余白にこそ、真の価値が宿る。

つまり、僕が空き時間をマーケティングした結果わかったのは、「空き時間」こそがマーケティングの本質だったということ。
成果を最大化するために走り続ける中で、最も効果的だったのは、立ち止まる勇気だったのかもしれない。
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