開院プロジェクトのキックオフ。
全職種がちゃんと顔を揃え、前向きな空気もあり、
「お、このメンバーならスムーズに進められそう」なんて思っていました。
それから数日後。
私は、自分のその甘さを痛感することになります。
「この件、できればベンダーさんと直接お話ししたいです」
「はい、もちろんです!日程調整しますね」
…ところが、そこからが地獄の始まりでした。
日程を伺うと、
「その日は午前中、現場の応援に出てまして…」
「午後は連続で会議が入ってて…」
「今週はちょっと難しいですね…」
全然、予定が合わない。
誰も悪くない。
むしろ「しっかり話して決めたい」という姿勢はありがたい。
でも、話せる時間が取れないまま日だけが過ぎていく。
メールでの要望共有を提案しても、
「いや、それだと細かいニュアンスが伝えづらくて…」
と、結局「やっぱり直接話したい」に戻る。
そして気づけば、
ヒアリングは“調整中”のまま動けない案件が溜まっていく時間になっていました。
でも、待ってばかりはいられない。
建物は完成に向けてどんどん工事が進んでいるし、
ネットワークの構成や端末の選定だって、今決めなきゃ間に合わない。
最終的には、
「話せるかどうかに関係なく、進められる部分から進めておく」というスタンスで動くようになりました。
完璧な要望が出揃うのを待つよりも、
「あとで変えられるようにしておく」ことが大事。
どうせ診療が始まれば、
「実際に使ってみて気づいたこと」がどんどん出てくるんです。笑
病院の開設って、
“全部が未確定な中で、それでも決めていく”という不思議な時間です。
ITの役割は、
「診療が始まったときにちゃんと動く状態にしておくこと」。
それってつまり“今の情報で、現実に近い仮を組む”という仕事なんだと私は思っています。
次回は、開院前に行った“リハーサル”の話。
患者役・看護師役を決めて、
「問診票なくした設定でいきまーす!」「処置室迷い込んだ患者さんです(笑)」
…なんて、ちょっと楽しく盛り上がったリハーサル。
でもその“ちょっとふざけた空気”が、
本番当日にしっかりブーメランで返ってくるとは、このとき誰も思っていませんでした。