皆さま、こんにちは。
現役人事MGRのK.Aです。
~『心眼語録(しんがんごろく)』~
「表層ではなく“心の眼”で世界を見つめる言葉の記録」という意味を込め
人事的な役立つ情報を発信しています。
従業員編/第1回目は、
「出世とは”誰かを超える”ことではない」というお話。
本来、「出世」という言葉は仏教に由来します。
もともとは「世に出る」「世に生まれ出る」という意味であり、
社会的に上に行くというよりも、
“この世で自らの悟りを形にしていく”という
修行的な意味合いを持っていました。
つまり、出世とは他人との競争ではなく、
「自分の成長が社会の中で開花すること」だったのです。
ところが現代では、
その言葉はいつしか「昇進」や「出世競争」といった響きを帯び、
他者との比較や、序列の中での位置づけを指す言葉に変わってしまいました。
私たちは無意識のうちに、“誰よりも早く上に行くこと”を価値と錯覚し、
その結果、誰かの成功を素直に喜べなくなってしまうことがあります。
しかし、出世とは本来、誰かを追い抜くことではありません。
それは「自分という器を、少しずつ広げていくこと」なのです。
人はどうしても他人と比べてしまいます。
同期の昇格に焦り、後輩の成長に苛立ち、上司の評価に一喜一憂します。
けれど、他人との比較を軸にしてしまうと、
努力の方向も感情の重心も他人に握られてしまいます。
それではどれほど結果を出しても、満たされることはありません。
出世を「目的」にしてしまうと、人は演技を覚えます。
上司に合わせ、場の空気を読み、波風を立てないことを優先します。
そうして手に入れた地位は、一見華やかに見えても、
内側には虚しさが残ります。
なぜなら、、、
「自分を保ちながら上に立つこと」こそが本当の難しさだからです。
本当の出世とは、「見える景色が変わること」です。
組織を俯瞰し、人を理解し、責任の重さを自覚する段階です。
つまり出世とは“偉くなる”ことではなく、“視野が広がる”こと。
その視野を得るためには、誰かを押しのけるよりも、
自分の弱さを直視し、学び続ける強さが必要です。
本当に信頼される人は、他人を競争相手とは見ません。
むしろ、「この人がいたから今の自分がある」と思える関係を築きます。
誰かを引き上げながら、自分も共に上がっていく。
その姿勢が、最終的に「上に立つにふさわしい人」をつくるのです。
“上”とは立場ではなく、見える範囲の広さのことです。
出世とは、人を見下ろすためではなく、より遠くを見渡すためにある。
そしてその視界を広げる旅に終わりはありません。
今日よりも少し深く考え、少し遠くを見てみる。
その一歩一歩の積み重ねこそが、本当の意味での「出世」なのだと思います。
――プロフィール――
ニックネーム:K.A
”K”arma says be ”A”wake.
~「カルマ(業)が言う、“目を覚ませ”」の略~
人生の因果や結果を引き受け、意識的に生きようという意味合いを込めて命名
人事歴20年以上。数々の成長企業で人事部門を牽引し、
現在は全国150拠点を抱える福祉系企業の人事マネージャーとして、
「人的資本経営」「評価制度」「リスク人材対応」「キャリア支援」をテーマに活動中。
“現場に寄り添う人事”として、あなたの可能性を引き出します。