人を好きになる理由は、その人そのものより『その人といる自分が何を感じるか』に隠れているのかもしれない
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コラム
恋をしていると、
『なんでこの人なんだろう』
と思うことがあります。
もっと条件が合う人もいたはず。
もっとわかりやすく優しい人もいたかもしれない。
頭で考えれば、
他にも選べそうな相手はいるのに、
なぜかその人だけが心に残ってしまう。
そんなことってありますよね。
周りから見ると不思議に見える恋も、
自分の中ではちゃんと何かが引っかかっている。
理屈では説明しきれないのに、
心だけがその人のほうへ向いてしまう。
こういうとき、
自分でも
『どうしてこんなに気になるんだろう』
と戸惑うことがあると思います。
でも、
人を好きになる理由って、
その人の見た目や条件だけで
決まるものではないんですよね。
本当はもっと深いところで、
その人といるときの自分が何を感じるか
に心が反応していることが多いのだと思います。
たとえば、
一緒にいると落ち着ける。
頑張らなくてもいられる。
逆に、少し不安になるのに目が離せない。
安心したい気持ちが強くなる。
守ってほしいような、
認めてほしいような感覚が動く。
そういうものって、
相手そのものを見ているようでいて、
実は
『その人といるときの自分の状態』
に惹かれていることもあるんですよね。
心理学でも、
人が恋愛で惹かれる相手には、
安心・補完・再現といった
ある程度の心の流れがあると考えられています。
簡単に言えば、
その人が魅力的だからというだけじゃなく、
自分の心がその人との関係の中に
『ほしかった感覚』や
『慣れた感覚』を見つけていることがある、
ということです。
だから、
惹かれてしまう自分を
すぐ『見る目がない』で片づけなくていいんですよね。
本当はそこに、
自分が今までどんな安心を求めてきたか、
どんな形の愛に慣れてきたか、
どんな距離感だと心が動きやすいか、
そういうものがにじんでいます。
たとえば、
すごくしっかりしている人に惹かれるとき。
それは相手の強さそのものだけじゃなく、
自分の中に
『支えてほしい』『任せたい』
という願いがあるのかもしれません。
少し距離のある相手ばかり気になってしまうとき。
それはその人が魅力的だからだけじゃなく、
『追いかけることで愛を感じやすい心の癖』
があるのかもしれません。
逆に、
一緒にいて落ち着く人を
『いい人なんだけど』で終わらせやすいなら、
刺激の強い恋を
恋らしさだと感じるクセがあるのかもしれません。
こういうことって、
良い悪いではないんですよね。
ただ、
自分の心が
どんな感覚に反応しやすいかを知る手がかりです。
恋が苦しくなりやすいのは、
相手の性格だけが問題なのではなく、
その人といることで
自分の中のどんな感情が動いているかを
知らないまま進んでしまうときかもしれません。
不安になるのに惹かれる。
安心するのに物足りなく感じる。
優しくしてくれるのに、
なぜか深く好きになりきれない。
そういう揺れって、
相手を選ぶ目の問題というより、
自分が恋の中で
何を『恋らしい』と感じてきたかの問題でもあるんですよね。
だからこそ、
惹かれ方を知ることは大事です。
誰に惹かれたかだけじゃなく、
その人といるときに
自分がどうなっていたかを見ること。
頑張っていたのか。
安心していたのか。
追いかけていたのか。
守られたかったのか。
自分を小さくしていたのか。
そこを見ていくと、
『なんでこの人なんだろう』
の答えは少しずつ変わってきます。
本当は、
その人が特別だっただけじゃない。
その人との関係の中で
自分の心が
何かを強く感じていたんですよね。
ここで少し大切なのは、
惹かれてしまった理由がわかったからといって、
過去の恋を否定しなくていいということです。
あのとき必要だった。
あのときの自分には、
あの形の恋が切実だった。
そういう見方でいいんです。
恋の振り返りって、
失敗を探すためにするものではなく、
自分の心が
どんな愛し方に慣れていて、
どんな形で安心したかったのかを知るためにあるのだと思います。
そうすると、
これから先の恋の見方も少し変わっていきます。
ドキドキする相手が悪いわけじゃない。
安心できる相手が正解と決めつける必要もない。
ただ、
その相手といるときの自分が
どんな感情の中にいるのかを
少し丁寧に見てあげること。
それだけでも、
惹かれ方は少しずつ変わっていきます。
人を好きになる理由は、
その人そのものより
『その人といる自分が何を感じるか』
に隠れているのかもしれません。
だから、
もし今
『なんであの人なんだろう』
と思っているなら、
相手を分析する前に、
その人といるときの自分の心を
そっと見てあげてください。
安心したかったのか。
追いかけたかったのか。
認めてほしかったのか。
素の自分でいたかったのか。
そこに見えてくるものは、
きっとこれからの恋を
少しだけやさしく選び直すヒントになるはずです。