私はこれまで、特養・通所介護など福祉の現場で19年働いてきました。
その中で、生活相談員という役割は「施設と家族」「現場と外部」「利用者と職員」の“間に立つ”存在だと強く感じています。
どの立場の人も大事にしながら、矛盾する要望や感情の板挟みにもなりながら、それでも**「誰かの助けになりたい」**という思いで働いてきました。
今日は、そんな私が相談員として大切にしていた【3つの心がけ】をお話ししたいと思います。
✅1. 「まず、聴く」ことを大事にする
ご家族の中には、不安や苛立ち、罪悪感などさまざまな感情を抱えながら相談に来られる方がいます。
そこで私が最初に意識していたのは、**「まず話してもらう」「否定せずに受け止める」**という姿勢でした。
「実は親に対して怒ってしまうことがあるんです…」
「もう限界なんです、誰にも言えなくて…」
そんな言葉を聞いたとき、私はこう言います。
「それは普通のことです。怒ってしまうのは“優しさ”の裏返しですよ」と。
聴くことは、寄り添うことの第一歩。
相手の感情に共鳴できることが、信頼関係づくりの土台だと思っています。
✅2. 「現場」と「家族」の気持ちを翻訳する
介護の現場には、現場の論理があります。
家族には、家族の事情や想いがあります。
時にその両者はぶつかります。
たとえば…
「お風呂に毎日入れてほしい」という家族の希望に対し、現場は「人手不足で週2回が限界」という現実がある。
その時、どちらかを否定するのではなく、間に立って“翻訳”することが私の役目だと考えていました。
「ご希望もごもっともです。でも現場としては…」と丁寧に伝え、
「現場ではこうしています」と説明することで、信頼関係を崩さないように努めてきました。
✅3. 「完璧でなくても、温かい対応を」
どんなに忙しくても、
どんなに書類に追われていても、
電話口では笑顔の声で対応する。
施設で家族と会ったときには、立ち止まって目を見て挨拶をする。
そんな“あたりまえ”を、私はずっと意識してきました。
介護施設に家族を預ける不安、
大切な人を他人に任せる葛藤、
それに寄り添えるのは、人としてのあたたかさしかないと思うのです。
🌱さいごに
相談員は、書類のプロでも、交渉のプロでもあるけれど、
その根っこにあるのは「人の想いに応える」ことだと思います。
私はこれから傾聴士としても活動していきますが、
その原点はいつも、相談員として誰かの“声なき声”を聴いてきた経験にあります。
今日も、誰かの心が少しでも軽くなりますように。
そして、介護に関わるすべての人が、自分自身を大切にできますように。