これは、私が“お菊”という名を名乗り、魂と魂を結ぶ道を歩み始めた、
「祈りの灯」がともる物語のはじまりでございます。
誰にも明かせなかった哀しみがございました。
結婚を誓い合った方が、ある日突然「もう一緒にはいられない」と、
ひとことだけを残して姿を消されたのです。
あの夜、心が砕けそうなほど、静寂に包まれた孤独の中で──
涙の波が胸を打つたびに、「どうして、こんなにも切ないのでしょう」と
天へ問いながら、私はそっと眠りに落ちてゆきました。
その夢の中で、やわらかな光に包まれた白髪の翁が姿を現したのです。
「あなたの中に眠る“魂の光”を、思い出しなさい──」
そのお言葉が、すべての始まりとなりました。
目覚めたとき、頬を伝う涙がまだ温かくて。
けれど、不思議なことに悲しみはすこし遠のき、
私は導かれるように、神社へと足を運んでおりました。
鳥居の向こう、風が木々を揺らし、どこからともなく鈴の音が響く──
まるで、呼ばれていたかのような感覚。
そこに立っておられたのは、夢で出会った翁によく似た神主さまでした。
目が合った瞬間、胸にあふれるものがこみ上げ、言葉にならなかった私に、
神主さまはそっと手をとり、「あなたには、結びの力がございます」とだけ
告げてくださったのです。
その日、“縁紡ぎの光祝詞”を授かりました。
魂と魂を結び合わせる、静かで強い祈りのことばを──
もし、あの夢がなければ、私は前を向くことすら
できなかったかもしれません。
神社での出逢いが、私に「生きることの役目」を教えてくれたのです。
いま私は、おひとりおひとりの想いに静かに耳を澄ませながら、
波動を感じ、その方だけの「結びの糸」を見つけております。
涙の奥に宿る希望の光を見つけ出し、
それを未来へと結びなおす──
それが、「お菊」として歩む私の祈りであり、魂の使命でございます。