『キャリコン試験対策』<理論(16)>:トランジション~変化の波に乗るための「終わり」と「始まり」~
記事
法律・税務・士業全般
前回はクランボルツの理論を通して
「偶然」をいかにキャリアのチャンスに
変えていくかを取り上げさせていただきました。
今回は、キャリアの転機(トランジション)
に注目し、ブリッジズの理論を取り上げます。
転職・昇進・出産・育児・退職―
人生には、キャリアに関わる「変化」が
数多く訪れます。
ブリッジズはこうした変化を
「外的変化」ではなく
内面的な転機(トランジション)のプロセス
として捉え、その過程を3つの段階で
説明しました。
今回は、試験にもよく出る
ブリッジズの「トランジション」について
実際の過去問と一緒に見ていきましょう。
ブリッジズ(Bridges,W.)が提唱したトランジション(転機)のプロセスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.すべてのトランジションは何かの「終わり」から始まるため、外的にも内的にも、新しいものを手に入れる前に、古いものから離れなければならない。
2.トランジションにおける「終わり」は象徴的な死であり、それまで慣れ親しんだ社会的な文脈からの離脱やアイデンティティの喪失などを経験する。
3.トランジションの「終わり」と「始まり」の間には、中間の空白または休養期間があり、自由で充実した時を経験する。
4.トランジションの「始まり」では、それまでの空白期間に得られた洞察や考えを形にしたり行動に移したりする。
出典:第26回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験
✅ 正解は…記事の途中で!
1. トランジション理論とは?
ブリッジズは「トランジション(転機)」を
出来事そのものではなく
それに対する内面的な心理的プロセス
だと捉えました。
たとえば「退職」「転職」「昇進」といった
外的な出来事が起きたとき人の心の中では
① 何かが終わる
↓
② 宙ぶらりんな状態になる
↓
③ 新しい何かが始まる
という3つの段階を通過するとされます。
この心理的な移行の3ステップが
ブリッジズのトランジション理論の中心です。
2. キャリア選択過程に影響する4要因
1️⃣ 遺伝的要因や特殊な能力
→ 性格、知能、体格、才能など
先天的に備わっている要素
2️⃣ 環境的状況や出来事
→ 経済情勢、文化、社会的影響
家庭環境、地域など
3️⃣ 学習経験
→ 古典的条件づけ、道具的条件づけ
観察学習など
4️⃣ 課題接近スキル
(課題解決行動のスキル)
→ 意思決定力、情報収集力、計画性
ストレス対処など
この4つは、キャリアを選ぶ際の土台として
意識しておくべき重要な視点です。
3. 過去問をチェック!
ブリッジズ(Bridges,W.)が提唱したトランジション(転機)のプロセスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.すべてのトランジションは何かの「終わり」から始まるため、外的にも内的にも、新しいものを手に入れる前に、古いものから離れなければならない。
2.トランジションにおける「終わり」は象徴的な死であり、それまで慣れ親しんだ社会的な文脈からの離脱やアイデンティティの喪失などを経験する。
3.トランジションの「終わり」と「始まり」の間には、中間の空白または休養期間があり、自由で充実した時を経験する。
4.トランジションの「始まり」では、それまでの空白期間に得られた洞察や考えを形にしたり行動に移したりする。
出典:第26回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験
選択肢1:正しい
選択肢2:正しい
選択肢3:誤り
→ 中間の空白期間(ニュートラルゾーン)は
「自由で充実した時」とは限らず、むしろ
混乱・不安・迷いが渦巻く不安定な期間
です。次に向けて内省する時間ですが
ポジティブな意味だけで語るのは誤りです。
選択肢4:正しい
✅ 正解は…3です!
4. 支援の現場ではどう活かす?
たとえば…
① 転職・退職をしたばかりのクライエント
→「今は宙ぶらりんな時期で当然です」と
伝えニュートラルゾーンの意味を説明
② 育児休業からの復職前で不安な方
→「新しい自分」に移行する準備期間としての
価値を一緒に考える
③ 長年勤めた仕事を辞めたシニア層
→「役割を終えること」への意味づけを支援し
新たな自己再定義を促す
このように、トランジションの3段階を
知っていると、今の揺れが「おかしくないこと」
だと説明できるようになります。
次回はホールの
「プロティアン・キャリア」に
触れていきます!