『キャリコン試験対策』<理論(10)>:RIASEC①~「人と職業のマッチング」を読み解く~
記事
法律・税務・士業全般
前回はサビカスの
「キャリア構築理論」について
語りと意味づけに注目した
構成主義的な視点をご紹介しました。
今回は一転して、より特性因子論に近い
伝統的アプローチである
ジョン・L・ホランドの
理論を取り上げていきます。
今回も過去問を交えながら
確実に押さえていきましょう。
ホランド(Holland,J.L.)の理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. ホランドはアメリカの職業心理学者で、青少年や成人に支援を行った経験に基づいた、ライフ・キャリア・レインボー理論を提唱した。
2. ホランドは、個人と環境はいずれも6つのタイプに分類されると主張している。
3. ホランドの6領域は、現実的領域(Realistic)、研究的領域(Investigative)、芸術的領域(Artistic)、社会的領域(Social)、企業的領域(Enterprising)、保守的領域(Conservative)である。
4. ホランドの6領域に基づいた代表的なキャリア・アセスメントツールとして、厚生労働省編一般職業適性検査[進路指導・職業指導用](GATB)が挙げられる。
出典:第25回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験
✅ 正解は…記事の途中で!
1. ホランド理論とは?
ホランドの理論は
「人と職業のタイプが合致すれば
満足度が高くなり、定着しやすくなる」
という
いわゆる
パーソナリティ・職業マッチング理論です。
人にはそれぞれ
「向いている職業環境」があり
職業側にも求められる
パーソナリティの傾向がある—
それがホランドの根本的な考え方です。
彼はすべての人や職業を
6つのタイプに分類しました。
2. 6つのパーソナリティ類型(RIASEC)
ホランドは人の性格と職業環境を
6つのタイプ(RIASEC)に分類しました。
ホランドのタイプは
六角形で表されます。
これは今や世界中で使われている
キャリア支援の基本中の基本です。
① Realistic(現実的)
機械・道具・作業系が得意
(例:技術者、整備士)
② Investigative(研究的)
理論や分析に強い
(例:研究職、分析官)
③ Artistic(芸術的)
創造性・自由な表現を好む
(例:デザイナー)
④ Social(社会的)
人の支援や教育が得意
(例:教師、看護師)
⑤ Enterprising(企業的)
説得・リーダーシップ型
(例:営業、起業家)
⑥ Conventional(慣習的)
正確・几帳面・事務向き
(例:経理、事務職)
🔍 ポイント:
六角形モデルと隣接性は
隣同士は性質が似ていて
向かい合うタイプは性格が真逆。
ホランドはこの6類型を
六角形モデルで表し
「隣り合うタイプほど類似性が高く
向かい合うタイプほど対照的」としました。
たとえば、S(社会的)とE(企業的)は
隣接しており相性が良い一方で
A(芸術的)とC(慣習的)は対極にあり
行動スタイルが真逆です。
この6類型はRIASECモデルとも呼ばれ
キャリコン試験ではこの組み合わせの特徴や
「隣接型(親和性がある)」
「対向型(対立しやすい)」
といった配置関係も問われます。
3. 過去問をチェック!
ホランド(Holland,J.L.)の理論に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
1. ホランドはアメリカの職業心理学者で、青少年や成人に支援を行った経験に基づいた、ライフ・キャリア・レインボー理論を提唱した。
2. ホランドは、個人と環境はいずれも6つのタイプに分類されると主張している。
3. ホランドの6領域は、現実的領域(Realistic)、研究的領域(Investigative)、芸術的領域(Artistic)、社会的領域(Social)、企業的領域(Enterprising)、保守的領域(Conservative)である。
4. ホランドの6領域に基づいた代表的なキャリア・アセスメントツールとして、厚生労働省編一般職業適性検査[進路指導・職業指導用](GATB)が挙げられる。
出典:第25回 国家資格キャリアコンサルタント 学科試験
選択肢1:誤り
→ ライフ・キャリア・レインボーは
スーパーの理論です。
選択肢2:正しい!
→ ホランドは個人も職業環境も
6つのタイプに分類されると主張しました。
選択肢3:誤り
→ 正しくは「Conventional(慣習的)」であり
「Conservative(保守的)」ではありません。
選択肢4:誤り
→ GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)は
ホランドではなく、適性を測るツールであり
RIASEC型ではありません。
✅ 正解は…2です!
4. なぜこの理論が重要か?
キャリア支援の現場でも
「その人に向いている仕事は何か?」
という問いは避けて通れません。
その際に
クライエントの性格傾向や
行動特性に対して職業環境との
マッチングを見立てるための
理論的な土台になります。
また、自己理解の促進にも効果的であり
適職検査などでRIASEC型を用いた
アセスメントが行われることも多く
理論と実務をつなぐ重要な橋渡し役
となる理論です。
5. 支援の現場ではどう活かす?
たとえば…
①「今の仕事にしっくりこない」
という相談者に対して
→ RIASECモデルで自己理解を促し
職業環境とのミスマッチを見立てる。
②「自分に合う仕事が分からない」
というクライエントに
→ 適職診断やRIASECに基づく質問を用いて
性格傾向の整理をサポート。
③「営業は向いてない気がする」
という声に対して
→ EタイプとSタイプの違いを伝えながら
向き・不向きの背景にある価値観を
一緒に確認。
次回もホランドの理論の続きを
お届けさせていただきます!