♦︎❤︎3♠︎♣︎ 保育便利グッズ会議

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土曜日の昼下がり。

4人がよく集まる馴染みの喫茶店は今日もゆっくりした空気が流れていた。
コーヒーの香りと食器の触れ合う小さな音。
窓から入るやわらかい光が丸テーブルを明るく照らしている。

「結局いつも同じの頼んじゃうんだよね〜」

メニューを閉じながら笑うふみさんに向かいのなつちゃんも笑った。

第一子妊娠中のなつちゃんは、最近“赤ちゃん用品”だけじゃなく
“育児や保育に使えそうなもの”を見るのが楽しい時期だった。
SNSで便利グッズ動画を見ては「へぇ〜」と保存している。

その横でゆき先生が大きめのバッグを椅子の横に置く。

「さっきまで保育園にいたんで」
「今日お仕事?」
「いえ、月曜日の製作持って帰るの忘れてて、取ってからここへ、だから荷物が保育仕様で……」

やわらかい雰囲気のゆき先生は、話し方は安心感がある。
でもバッグの中身は製作グッズや文房具でかなり詰まっている。

ふみが笑った瞬間だった。

バッグの中から一枚のラミネートカードがひらっと落ちる。

「あ、ごめんなさい」

なつが拾い上げて、思わず目を丸くした。

「え……これ、めっちゃ綺麗」

丸くカットされた動物の顔。
切り口がなめらかでハサミで切った感じが全然しない。

「これ、どうやって切ってるんですか?」

「それは“コンパスカッター”」

「コンパス!?」

なつの声が少し大きくなり、
「そんな綺麗に切れるんですか?」

ふみも覗き込む。
「え、こんな綺麗に丸くできるの?」

すると、ストローの袋を指でくるくるしていたあさひが反応した。

「待って、それなら見せたいのある」

保育プランナーのあさひは、“ラクになる工夫”を見つけるのが好きだった。
家でもつい便利グッズを調べてしまうタイプで、気づくと収納用品や時短アイテムが増えている。

バッグから取り出したのは小さな何か。

「“かどまる”」

「あーーー!!」

ふみがすぐ反応する。

「この間、買おうかなって言ってたやつ!?」

「そうそう。最近ついに買った」

あさひは一緒に出てきたレシートの角を差し込む。

パチン。

四角かった角が、ころんと丸くなった。

「ええーーー!!」

4人の声が揃う。

店員さんがちらっとこちらを見て少し笑う。
ふみが慌てて声を小さくする。

「やばい、女子高生みたいになってる」

4人で吹き出した。

あさひは楽しそうに続ける。

「保育って、“角が丸いだけで優しく見える”みたいなのあるでしょ
しかもラミネートって、角尖ると地味に危ないし」

ゆきもうなずく。

「子どもは顔近づけてきたり、触るから、角が尖ってると刺さったり、擦ったりするんですよ」

その流れでゆきもスマホを取り出した。

「カッター系なら、保育園でよく使うのこれです」

画面には“プリントカッターと色消えるのり”が映っている。

「プリント切るのめっちゃラクなんです。
それにのりが青く見えるから
“どこ塗ったかわかんない”が減る」

なつが首をかしげる。

「色?」

「塗った場所だけ色つくんです。乾くと消えるし」

ゆきが実践してみせる。

「うわ、それ絶対便利
子ども絶対わかりやすいじゃん」

のりを乾かすためにレシートをひらひらさせて、
「“どこ塗ったかわからない”が減ります」

「大人も“どこ塗った?”ってなる」

ふみの言葉に笑いが起きる。

さらにふみが言った。

「そう言えば”ペーパーカッター”なら家にある」

なつが反応する。

「あっ、うちも!
夫が仕事で使ってる」

すると、あさひがうなずき、

「ペーパーカッター、家に一個あるとかなりラク。
さっきのコンパスカッターも」

ゆきはさらに画面をスクロールした。

「あと最近、先生たちの中で話題なのが”ボックスカッター”。段ボールや牛乳パックを切るのがラク。普通のカッターより安全安全です」

ふみが即反応する。

「え、それ欲しい!」

「普通のカッター怖いんだよね」

あさひもうなずく。

「製作で段ボールや牛乳パック使うもんね」

あさひがさらにスマホを見せた。

「あと、”サークルカッター”」

なつが笑う。

「まだあるの!?」

「ある」

「違いあるんですか?」
その問いにあさひはなつの目をじっとみて

「サークルカッターは、大きい丸とかサイズ調整しやすい」

「壁面とかで大量に丸作る時ラクなんですよね」

ゆきも画面を見てこそっと言った。

「うちの子も急に工作始まるからな。“メダル作りたい!”とか、“丸い窓作りたい!”とか急に始まるから」

ふみが机に突っ伏しながら呟いた。

窓から差し込む昼の光がテーブルのラミネートカードを照らしていた。

気づけばテーブルの上には、スマホ、便利グッズ、丸くなったレシート。
でも4人が楽しそうなのは道具そのものじゃない。

“ちょっとラクになる工夫”を誰かと共有している時間。

店員さんが水を置きながら小さく笑う。
「今日はいつも以上に盛り上がってますね」

4人は顔を見合わせて
また笑った。
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