「すみません、わからないことがあるんですけど……」
そう話しかけた私に、上司はこう返しました。
「ごめん、後にしてくれる?」
タイミングを見計らい、しばらくしてからもう一度聞きに行くと…
「なんでそれをもっと早く言ってくれないの?急ぎなら急ぎってちゃんと言って!」
いやいや…新しく入ったばかりの私に、そんな優先順位までわかるわけないじゃん――
こんな経験、ありませんか?
あるときは、
「なんでもっと早い段階で質問してくれなかったの?」と責められたことも。
繊細気質の私は、
「いつ聞いたらいいの?」「どんな言い方なら怒られないの?」
そんなことばかり考えてしまい、なかなか質問ができなくなっていきました。
「わからないことは聞いて」と言われても、
実際に聞いたら不機嫌そうな顔をされる・冷たく返される。
そのたびに、モヤモヤと自己嫌悪が積み重なり、やがて「質問すること」が怖くて、トラウマになってしまうこともありました。
でも、それをずっと引きずるのはもったいない。
転職を6回経験し、さまざまな職場を見てきた今だからこそ、気づいたことがあります。
それは――
「質問は、会社のためじゃなく、自分の理解・知識をつけるためにするもの」だということ。
タイミングや言い方を気にしすぎて黙ってしまうより、“質問という行動”そのものの方が、ずっと大切なのだと。
この記事では、
・「質問したいけど、怒られたらどうしよう」と思ってモヤモヤしている
・聞くタイミングや言い方に悩んで、なかなか一歩が出ない
・自分の繊細さに疲れてしまっている
どれか1個でも当てはまっていたら、私の体験談で励みになっていただけると嬉しいです。
小さい頃からHSP気質でした
実は私の繊細気質は大人になってから・・・というわけではありませんでした。
習い事や学校で、何度も先生に質問したくても手を挙げることや声を出して「Help!」など声を出すことができませんでした。
「聞きたいのに聞けない・誰かに後ろ指を指されたらどうしよう・・」
私は、相手の機嫌や表情を過剰に気にしてしまい、「今聞いていいのかな?」と迷っているうちに、チャンスを逃してしまうことがたくさんありました。
今思えば、相手の気持ちを勝手に想像し、「これを聞いたら迷惑かも」と勝手に自分が線引きしていたからだと思います。
なぜHSPは「質問できない」悩みが多いのか?
それはHSPの特性で「相手の気持ちを優先しすぎる」傾向が強いからです。
株式会社Biz Hitsがインターネットによる任意回答にて、ご自身がHSP(繊細さん)だという自覚のある方を対象に500人(女性391人/男性109人)の方にアンケートをとると以下のような結果が出ました。
回答者の年代:10代 0.6%/20代 21.6%/30代 42.4%/40代 24.4%/50代 9.0%/60代以上 2.0%
『HSPに向いている仕事ランキング!繊細さん500人アンケート調査内容からの解説』Biz Hits 解説中村梨恵氏
なんと繊細な性格が原因で職場で支障が出たことがあると答えた人が7割以上もいるという結果になりました。
この原因の一因には、職場などの環境などで過去に怒られた経験がトラウマになっていること。
日本独特の“質問=できない人扱い”という文化に関係しています。
でも自分だけが悪いわけじゃないんです。
繊細気質の人がいるという気質を好まない会社や、会社のいうことを聞くことが美徳・我慢することが大事だという根本がまだ根強く残っているからこそHSPにとっては生きづらくしている原因にもなっているのです。
とは言っても何度も傷つくと「聞けない自分が情けない」「自分はなんでこんなできない人間なのか」など悶々と考えてしまい、仕事がどんどん嫌になってしまいます。
仕事が嫌になる前に、「質問する際」の大事な心構えを下に紹介します。
転職6回して気づいた質問できる人の共通点とは?
転職6回して気づいたことがあります。
それは、質問することに臆病にならないことです。
「完璧じゃなくてOK」「間違えても大丈夫」というマインドで積極的に相手にコミュニケーションをとることで、3つの効果が得られます。
・言葉で信頼関係を築いていける
・「相手も頼られている」と感じ、一生懸命教えてくれる
・雑談できなくても、真摯な対応を見せることで仕事を任せられる
つまり自分が信頼されるという意思や行動を相手に見せることで、質問が“会話”として自然にできるのです。
質問することは自分のためだけではなく、相手の信頼関係を構築するための大事な行動となるのです。
私が実際に試して効果があった「誰でも真似できる質問の仕方」
ここまで私の実体験を踏まえた内容を紹介していきましたが、以下では実際にHSPの私でも安心して聞けた、誰でも真似できる質問フレーズをご紹介します。
① 前置きをつける
「すみません、ここだけ教えてもらってもいいですか?」
「〇〇さん(相手の名前)、少しよろしいでしょうか?」
② クッション言葉を添える
「うまく言えないんですが・・・」
「少し時間でいいので教えていただきたいのですが・・・」
③ 正直に言う
「何がわからないのかが分からなくて…」
「〜〜の意味は理解できましたが〇〇だけがよくわかりません」
④ 質問を“分解”して、一歩だけ聞く
「まずここだけ確認したくて…」
「再確認させていただきたいです」
⑤ 感謝で締める
「丁寧に教えてくださって、ありがとうございます!」
質問することで相手とのコミュニケーションが怖くなくなった!
私自身、勇気を出して質問したことで、上司や同僚との距離が近くなった経験があります。
実は質問することは自分だけ知識をつけるものだけじゃないんです。
質問すると相手も、「嬉しい」んです。
なぜなら「他人に認められてる」っていう欲を満たしてくれるからなんです。
頼ることは恥ずべき行動ではありません。
少なくとも「これはできるでしょ」「この人なら、期待どおりにやってくれそう」と思うから人は頼ります。
できない、とわかってる人には、成長とかの観点がない限りお願いしないですよね。
だから質問は、信頼関係のはじまりになることもあるんです。
それでも怖いあなたへ|勇気が出る“魔法のひと言”
「それでも質問するのが怖い」「質問したら相手の時間をとってしまって申し訳なくなる・・・」と考えている方。
私はいつも自分に言い聞かせている言葉をご紹介します。
「私は現在何も知らない赤ちゃん。だから、見るもの全て知りたいという欲望に飲まれているのだ!!」
ほら小さい子だって知りたいことを指差して教えてくれる親や先生がいて教えてくれたはず・・・!
そんな風に無邪気な子供のように質問すれば大丈夫。
だからこれだけは伝えたい。
質問できない自分を責めないで!
聞こうとした自分の勇気を、ちゃんと認めて次質問する際はまとめて質問すればきっと相手も伝わりますよ。
まとめ
質問は、相手を困らせる行為ではありません。
「質問すること=自分を大切にすること」
そしてあなた自身を大切にする行動そのものです。
上手に質問しようと考えるのはあなたが質問下手だからではなく、やさしさと誠実さの表れです。
必要以上に自分を責めず、『自分の将来のため』に質問してください。
何度でも、何歳からでも、聞いていい。
あなたのその一歩が、未来の関係を変えていきます。