※こちらの記事は別サイトのブログ監修させていただいた内容になります。
愛らしい姿で私たちの生活に喜びを与えてくれるうさぎですが、実は様々な病気にかかりやすい動物です。しかし、飼い主さんが日頃からうさぎの健康状態を観察し、適切なケアを行うことで、多くの病気を未然に防ぐことができます。
この記事では、うさぎがかかりやすい代表的な病気とその対策について、詳しく解説していきます。
うさぎがかかりやすい病気【代表的な8つの疾患】
1. 消化管うっ滞(毛球症)
胃腸の動きが鈍くなり、正常に機能していない状態を指します。原因は毛球、誤飲、ガスの溜まり、ストレスなど多岐にわたります。症状には食欲不振、元気消失、糞の量の減少が含まれます。
2. 尿路結石症
カルシウム代謝が特殊なうさぎは、尿路結石ができやすい傾向にあります。おしっこの量が減る、排尿姿勢をとるのに出ない、痛がる様子などが見られるときは要注意です。
予防には、結石の成分となるミネラル類の過剰摂取を避けましょう。カルシウム含量の多いアルファルファや、シュウ酸の多い小松菜などは少量にとどめた方が良いでしょう。
他にも、新鮮な水は切らさず、適度な運動をさせてあげてください。
3. 不正咬合
うさぎの歯は一生伸び続けるという特徴があります。前歯は約2mm/週、奥歯は約3mm/月のペースで伸び続けます。そのため、歯並びが悪くなると食事が上手に取れなくなったり、口の中に傷ができたりすることがあります。
食欲低下、よだれの増加、顔周りが濡れるなどの症状が見られ、重症化すると、体重減少や脱水症状を起こします。
予防には、繊維質の多い牧草をたくさん与えて、歯が自然に削れるようにすることが大切です。
また、週に1回は前歯の状態をチェックすることをおすすめします。左右に斜めに嚙み合っている場合は奥歯にも異常がある可能性が高いです。
4. 足底潰瘍(ソアホック)
床材が不適切、掃除が不十分、肥満や運動不足が原因で足の裏に傷ができてしまうことがあります。足の裏が赤くなったり、毛が抜けたり、腫れたりする症状が見られます。特に後ろ足に多く発症し、進行すると歩行困難になることもあります。
予防には、すのこの上に牧草などの床材を敷いたり、床材は毎日交換し、ケージ内を清潔に保つことが効果的です。
適度な運動と体重管理で足への負担を減らすことができます。
5.卵巣子宮疾患(子宮腺癌など)
メスのうさぎは4歳以上になると、約60%が子宮の病気にかかると言われています。特に子宮腺癌は多くの未避妊メスに見られ、おしっこに血が混じる、元気がない、食欲が落ちるなどの症状が現れます。
性格が急に攻撃的になったり、お腹を触られるのを嫌がったりする行動の変化が見られることがあります。
予防には、繁殖予定のない場合、生後半年から1年の間に避妊手術を行うことが最も効果的です。手術は若いうちの方が負担が少なく、術後の回復も早いとされています。
初期症状は見逃しやすいものです、4歳以上のメスうさぎは、半年に1回程度の健康診断をおすすめします。
6. スナッフル(呼吸器疾患)
パスツレラ菌の感染により、くしゃみや鼻水などの風邪のような症状を引き起こす病気で、放置すると肺炎に進行する場合もあります。
初期症状として、鼻の周りが濡れていたり、前足の内側が濡れていたりすることがあります。これは鼻水を拭う動作によるものです。また、くしゃみが増えたり、呼吸音が聞こえるようになったり、食欲が低下したりすることもあります。
予防のためには、室温や湿度を適切に管理し、換気を行いましょう。エアコンの風が直接当たらないようにし、急激な温度変化や環境変化は避けるようにしましょう。掃除を怠らず衛生的な環境を保つことも必要です。
7. 斜頸(しゃけい)
頭が傾いてしまう状態で、中耳炎、寄生虫感染、脳の疾患(脳腫瘍など)が原因となることがあります。バランスを崩しやすくなり、回転運動や転倒などの症状が出ると食事が摂れなくなることもあります。
中耳炎が原因の場合は、頭を振ったり、耳を掻く仕草が多くなります。
予防には、斜頸のうさぎに近づけないこと、耳のチェックを定期的に行い、耳の中を清潔に保つことが大切です。
症状が出た場合は、治療を早期に開始することで、予後が大きく改善する可能性があります。
8. 寄生虫感染
外部寄生虫(ノミ、ダニ)や内部寄生虫(コクシジウムや蠕虫類)に感染することで、うさぎの健康状態は大きく損なわれます。外部寄生虫の場合、頻繁に体を掻いたり、フケが増加し脱毛が起こることもあります。内部寄生虫の場合は、食欲不振や体重減少、下痢などの消化器症状が現れます。
予防には、清潔な環境を保ち、野菜を与える際は十分に水洗いをしましょう。定期的なグルーミングで体の状態を確認することも大切です。
まとめ
病気を防ぐには、毎日の観察と適切なケアが欠かせません。
うさぎとの素敵な時間を長く楽しむために、この記事を日々のケアの参考にしていただければ幸いです。少しでも体調が気になるときは、早めに動物病院を受診しましょう。