アルマジロも溺れる?!

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コラム
アルマジロって聞くと皆さんどんな動物を想像しますか?
ボール状に丸まってころころ転がる?
鎧をまとって強そう?
亀と仲間と思っている方もいらっしゃるかしら?

まず第一に、アルマジロと一口に言っても、とっても種類が豊富ということ!
アルマジロは約20種類も仲間がいて、住む場所や大きさ、形に様々な違いがあります。
昔ゲームセンターにも、丸くなったアルマジロを転がしてスピードを競うゲーム、ありましたよね?知ってる人います?
そんなこんなでまん丸くなるダンゴムシみたいなイメージが強いですが
実はまん丸くなれるアルマジロは全アルマジロのうち2種類だけ!
ミツオビアルマジロとマタコミツオビアルマジロだけなんですよ。
この2種は驚くほど真ん丸に、しかも頭と尻尾を互い違いに甲羅の隙間に合わせるようにぴったりと蓋をして360度外敵から守る姿勢を取ります。
ではその他のアルマジロは何で身を守るか?平たく地面にへばりついてお腹側を守ったり、草むらに逃げ込んだりと、それぞれ身を守ります。背中には鎧がありますから。

ちなみにこの鎧、正体は皮膚です。亀の甲羅の正体は骨で、つくりも全然違います!
怖い話ですが、仮にお腹の中をくりぬいて背骨を観察してみると。。。
亀の背骨は甲羅の中に一体化しています。肋骨も甲羅と一体化しています。
でも、アルマジロの鎧は皮膚なので、もちろん、背骨や肋骨は別に存在します!
とはいっても普通の皮膚と一緒かと言うと、背骨の一部が鎧に張り付いて一体化しているため、ただの皮膚だというのもちょっと間違いでしょうが。
とにかくアルマジロはれっきとした哺乳類なんですねー。
あ、鎧は血が通っていて温かく、感覚もあるので撫でてやると気持ちよさそうにしてくれる子もいます。

そんなアルマジロ、一般的に泳ぎが得意と言われています。
今回診察したアルマジロさんは、溺れた!と言って駆け込まれました。
どうやら散歩中池に落ちたとか。
泳ぎが得意なはずなのに嘘だろ?!と半信半疑でしたが、鼻から水を飲んでしまったのか、鼻ちょうちんを作って悲しそうな顔をしていました。
突然の出来事に、アルマジロも不意を突かれたのでしょうね。

ところでよく、亀の聴診はどうやってするの?なんて話題になるのですが、
あの分厚い甲羅があっては何も音が聞こえないどころか、硬い甲羅と硬い聴診器がぶつかって『ゴツゴツ』と耳障りな音が聞こえてしまいます。
そこで、濡れたタオルを甲羅にかぶせて聴診するよ、なんてきいたことがありまして。
もちろん亀でも試しましたが私には全然聞こえませんでした。
そのリベンジと言ってはなんですが、今回アルマジロでも同じことを試してみました!
もし溺れたときに大量に水を飲んで誤嚥していたら、肺から水の音が聞こえるかもしれません!溺れたショックで心臓が弱っているかもしれません!
結構大事な検査ではあるのですが、まぁふざけているように見えなくもない。
まずはタオルを濡らして背中に当てて。。小さなアルマジロが全部覆われてしまいました。
ちょっと大きすぎたかな?今度はガーゼを濡らして背中へ。
けれど小さいアルマジロが警戒して丸くなってしまうと、聴診器の一面をアルマジロとぴったりくっつけることが難しく、今回も何も音は拾えません。
試しにお腹側から。。試してみるものの、あっという間に丸くなってしまい失敗です。
アルマジロの聴診に成功した獣医さん、コツを教えてほしいです(笑)
本当にいざというときは心電図やエコーに頼るしかないのですが、現場診療だとその場に機器がないことも多く、、これは今後の課題になりました。

そんなことをしているうちにアルマジロはフガフガ言いながら歩きだし、なんだ、元気そうではないか。
結局大したこともわからないまま、大した処置もせず診察は終わりました。
泳ぎが得意なアルマジロも、時々溺れることがあるんだなぁ。
でも、なんともなくて良かったです。

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