よく聞く話ですけど
肩こりを知らなかったカナダ人が、肩揉みで“目覚めた”話
「え?肩がこるってどういうこと?」
ある日、カナダ出身の知人がこんなことを言いました。彼は日本に来てもう数年、日本食も箸もお風呂も好きで、日本語もかなり話せるのに、「肩こり」という感覚だけは未だにピンとこないというのです。
私はちょっと驚きました。なぜなら私たち日本人にとって、肩こりはほとんど“国民病”のような存在。デスクワークでも、立ち仕事でも、何かしら肩に重みを感じている人は多いはずです。
「肩こり」って万国共通じゃないの?
「じゃあ一度、肩揉んであげようか?」と私は提案しました。
彼は「サンキュー!」と気軽に応じて、私は軽く肩を押したり、ぐいっとほぐしたりしてみました。すると——
「……あれ?なんかここ、痛い?」
彼の反応が少し変です。揉みながら訊いてみると、これまで肩の筋肉が硬くなっていたことにすら気づいていなかったそうなんです。つまり、「肩こり」はないと思っていたけど、実はバリバリに凝っていたというわけ。
気づいてしまった肩こり
その日を境に、彼は時折こう言うようになりました。
「最近ちょっと、肩が重い気がする…」
「マッサージチェアっていいかもね」
あれ?肩こり、あるじゃん!
どうやら私の肩揉みが「肩こりの自覚スイッチ」を押してしまったようです。なんということでしょう。
それまでは“気づいていなかっただけ”なのか、それとも本当に“揉んだことによって筋肉が反応した”のか。医学的には諸説あるかもしれませんが、私はひそかにこう思っています——
人は触れられることで、自分の体の状態に気づくことがある。
「肩こり」という言葉がない国もある
実は、英語に「肩こり」をそのまま表す単語は存在しないそうです。
「stiff shoulders」や「tight neck」など、似た表現はあるのですが、日本人が使う「肩がこる」「肩こりがひどい」といった感覚とは少し違うようです。英語圏では、肩よりも首や背中の痛みを訴えることが多く、「肩が凝る」という表現自体がピンとこない人も多いとか。
また、日本では無意識のうちに肩に力が入る生活をしているとも言われます。電車でも、仕事でも、周囲との調和を気にして身体が常に緊張している。つまり、日本の社会そのものが「肩こり製造マシーン」なのかもしれません(笑)。
「気づき」は良いこと?それとも呪い?
私の知人は、肩揉み後に「肩こり」という新しい感覚を手に入れてしまいました。良いことだったのか?と問われると、正直ちょっと微妙です(笑)。
でも、彼自身は「自分の身体に意識を向けるきっかけになった」とポジティブに受け止めています。今では週に1回は銭湯に行き、湯船で肩までゆっくり浸かって、「肩を開放する時間」を大切にしているそうです。
私は内心、「あの肩揉みがすべての始まりだったんだな…」とニヤリとしています。
ヨーグルトで腹痛になった話
この「気づいてしまったがゆえに調子が悪くなる」話、実は私自身にも似た経験があります。
ある日、冷蔵庫にあったヨーグルトを何気なく食べました。普通に美味しかったし、お腹も特に何も感じませんでした。
ところが——
食べ終わったパッケージをふと見てみると、賞味期限が1か月も過ぎていたのです。
「えっっっ!?」と思った瞬間、
お腹がキュルキュルと…痛くなってきたんです。
まさに「気づいた瞬間に腹が痛くなる」という、典型的なノセボ効果(Nocebo effect)。
悪い情報を知ることで、本来起こらなかったはずの不調が起こってしまう現象です。
たぶん、あのまま賞味期限を知らずにいれば、何の問題もなかったと思います(笑)。
おわりに:気づくことの魔力
人は「知らなかったら平気」なことがたくさんあります。
肩こり、腹痛、疲労感——それらは、気づいたときに初めて「あるもの」になることがあります。
つまり、身体の不調とは必ずしも「悪い状態」ではなく、**「身体が今を知らせてくれるサイン」**でもあるんですね。
だからたまには、他人に肩を揉んでもらったり、ヨーグルトの賞味期限をちゃんと見たりして(笑)、自分の体と対話するのもいいかもしれません。
あなたも、知らずに“凝っていること”、ありませんか?
お父さん、お母さんも大切にね