「なんで私ばっかり、こんなにやらなきゃいけないの?」
「私はこんなに我慢しているのに、どうして分かってくれないの?」
以前の私は、家事をしながら何度もそう思っていました。
でも振り返ってみると、私は長い間、我慢していることにさえ気づいていなかったのです。
今回は、私が「私ばっかり」と腹を立てていた理由と、我慢だけに頼らず、自分の希望を伝える3つの方法をお伝えします。
「なんで私ばっかり?」夫を見るたびに腹が立っていた
当時の私は、仕事をしながら家事をしていました。
朝は5時に起きて、息子のお弁当を作る。
朝ご飯を用意して、自分の仕事へ行く準備もする。
夫は7時頃に起きて、朝ご飯を食べて会社へ行きます。
仕事から19時頃に帰ると、私はすぐ夕食の準備。
食べ終わっても休めません。
洗濯や掃除。
翌日のお弁当や朝食、お茶の準備。
気づけば寝るのは深夜1時頃でした。
休日も、一週間分の買い物や家のことで終わってしまう。
ほとんど自分の時間がありませんでした。
そんな横で、夫が食事を終えて自分の部屋へ行き、ゲームをしている。
その姿を見るたびに、
「なんで私ばっかり?」
と腹が立っていました。
「なんで助けてくれないの?」
「なんで察してくれないの?」
「私はこんなに我慢しているのに」
そんな不満が、どんどん積もっていったのです。
でも、私は毎日笑顔で家事をやり続けた。
夫には何も言わなかった。
それが当たり前の日常でした。
でも、私は「我慢している」と思っていなかった
今なら、「そこまで大変なら、もっと早く言えばよかったのでは?」と思います。
でも、当時の私にはその発想自体がありませんでした。
「家事は私がやるもの」
「夫の方がたくさん稼いでいるのだから仕方ない」
「私は同じだけ稼げないのだから、私がやるべき」
そんなふうに考えていました。
だから、
「私は我慢している」のではなく、「これが当たり前」だったのです。
むしろ、こんな不満を抱くこと自体が、私のわがままなのだと思っていました。
もちろん、実際に家事の負担が偏っていたことと、私が自分の希望を言えなかったことは別の問題です。
家事の負担が大きければ、それ自体について話し合う必要があります。
夫が不機嫌になるのが怖かった。
離婚だと言われたら生きていけない。
だから私は、何かを頼んだり、不満を伝えたりするよりも、
「私がやればいい」と考えて、何も言わないことを選んでいました。
それが我慢だとは、長い間気づいていなかったのです。
頼まれたら「どうやってやるか」しか考えていなかった
同じことは、仕事でもしていました。
「これ手伝ってもらえる?」と頼まれると、本当は自分の仕事でいっぱいでも、「いいよ」と引き受ける。
私の頭に浮かぶのは、
「どうやったら全部できるだろう?」ということだけでした。
「今はできません」
「手伝えません」
と断る選択肢が、そもそも浮かばなかったのです。
その結果、自分だけ仕事が終わらず、残業していました。
それなのに心の中では、
「なんで私ばっかりこんなに忙しいの?」と不満を感じていました。
ここでも私は、自分がどうしたいかを考える前に、相手の希望を優先していたのです。
自分がつらい状況であっても、これが正しい行動だと思っていました。
「私はこの仕事をやりたい?」を考えていなかった
今振り返ると、仕事選びにも同じクセが出ていました。
「その仕事、いいんじゃない?」
と家族に言われると、
「そうだね」と決めてしまう。
「私は本当にこの仕事をやりたいの?」という問いが、抜けていました。
誰かの意見を聞くことが悪いわけではありません。
でも私は、自分がどうしたいかを考える前に、相手の意見をそのまま自分の答えにしていました。
人生の大きな選択肢のはずの仕事を選ぶときでさえ、
「私はどうしたい?」が後回しになっていたのです。
むしろ、その時には、「私はどうしたい?」と問われても、
私には「わからない」としか答えられない状態になっていました。
我慢しすぎて、自分の気持ちが出てこなくなっていたのです。
「私はどうしたい?」より「相手はどう思う?」が先だった
アダルトチルドレンという言葉は、病名ではありません。
ただ、子どもの頃から周囲の顔色を見たり、家庭の空気を乱さないように過ごしてきた方の中には、「私はどうしたい?」より先に、
「相手はどう思う?」を考えるクセが身についていることがあります。
私もそうでした。
たとえば以前、疲れていて、
「今日はフードコートで食べて帰りたい」と思ったことがありました。
でも、夫はフードコートが好きではありません。
だから私は、
「嫌がるだろうな」
「機嫌が悪くなるかもしれない」
と考え、そもそも聞きもしませんでした。
そして、「じゃあ私が我慢して、家で作ればいい」と自分で決めていたのです。
私自身が我慢してつらい思いをすることよりも、相手に怒られたり、嫌われたりすることの方がよっぽど怖かった。
今考えると私は、
相手に断られる前に、自分で自分の希望を却下していました。
相手を責めても、最後は自分を責めていた
我慢すれば、その場は丸く収まるかもしれません。
でも、自分の希望まで消えるわけではありません。
本当は休みたかった。
本当は手伝ってほしかった。
本当は嫌だった。
その気持ちを飲み込んでいると、
「私はこんなにやっているのに」という不公平感に変わっていきました。
そして、
「夫が手伝ってくれないから私は大変なんだ」
「家族が勧めたから、この仕事を選んだんだ」
と、相手を責めたくなる。
でも今度は、
「ちゃんと言えない私が悪い」
「結局、私がダメなんだ」
と自分まで責める。
私は、この繰り返しが本当に嫌になりました。
家事でも、仕事でも、日常の小さな選択まで。
相手にゆだねて選択するのは、私にとっては確かに楽だった。
相手の機嫌をそこねず、問題ないように思えるからです。
でも、私は毎日疲れてぐったりしていたし、「人生は苦しい」という思いも募っていきました。
そして、うまくいかなかったら相手や自分を責めて、さらに自分が嫌いになっていく。
もう、相手のせいにも、自分のせいにもしたくない。
こんな人生を変えたい。
そう思ったことが、我慢の仕方を見直すきっかけになりました。
「私が我慢すればいい」以外の方法があった
心について学ぶ中で、私は少しずつ考え方が変わりました。
以前の私は、
「相手を優先するか、自分を優先するか」
の二択になっていたのだと思います。
でも、本当はそうではありませんでした。
相手の気持ちを尊重する。
そして、自分の気持ちも同じように尊重する。
両方あっていい。
我慢をやめることは、わがままになることではありません。
自分の希望を押し通すことでもないのです。
自分の希望も、話し合いの中に出すこと。
「私が我慢すればいい」以外にも、人と関わる方法がありました。
では、「なんで私ばっかり」という怒りから、自分の希望を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。
私が今、意識している3つの方法を紹介します。
自分の希望を伝える3つの方法
1.まず「腹が立つ」をそのまま認める
以前の私は、怒ること自体も悪いと思っていました。
ネガティブな感情を認めると、「私はひどい奴だ」と認めるような気がして、見ないようにしていたのです。
でも今は、「腹が立っているんだな」と、まず認めるようにしています。
紙に、
「なんで私ばっかり!」
「もう嫌!」
と書いてもいい。
怒っている最中に、きれいな言葉に直す必要はありません。
相手に言ってやりたい言葉をどんどん書いていきましょう。
その後、少し気持ちが落ち着いてから、
「私は何に腹を立てている?」と、書いたものを見返します。
怒りをなくそうとするのではなく、
怒りが何を伝えようとしているのかを見るのです。
2.「私は本当はどうしたかった?」と聞いてみる
ここで大切なのは、
「相手にしてほしいこと」と「自分が本当に望んでいること」を分けて考えることです。
家事の例でいうと、
「夫に手伝ってほしかった」と思うかもしれません。
でも、もう少し奥を見ると、
「私は休みたかった」という思いが隠れています。
フードコートの例でも、
「夫にフードコートで食べてもらいたかった」だけではありません。
「疲れているから、今日は料理をせずに休みたかった」
という私自身の希望があったのです。
ここで初めて、「私はどうしたい?」が見えてきます。
私は、最初、ずっと我慢してきたせいで、この本音が全くわからなかった。
でも、小さなことから「私はどうしたい?」を考えるようにしていきました。
本音は、必ずしも前向きな気持ちだけではありません。
ネガティブな思いもありのまま認めることで、本音に少しずつ気づけるようになっていきます。
それでも、
本音に気づいて、「我慢する方が正しいかも」と思ってしまうのであれば、
「どうして私は我慢しようとしたんだろう?」とも考えてみてください。
「我慢すると私にとって良いことは何?」と考えてみるのです。
嫌われない。
機嫌を悪くされない。
役に立つ人だと思われる。
さらに、
「このまま我慢をし続けたら、困ることは何?」も考えてみてください。
怒りがたまる。
本音が言えない。
人生が生きづらい。
良いことと困ることを比べてみて、
我慢をやめないままの方がいいか。
我慢をやめた方がいいか。
どちらを選ぶか、選択は自由です。
場合によっては、我慢した方がよいこともあるでしょう。
でも、人生を変えたいと思うのであれば、我慢をやめる選択をしてみてもいいと思います。
我慢することで守っているもの。
一方で、我慢することで失っているもの。
両方を見ると、自分がなぜ同じ行動を続けているのかが少しずつ見えてきます。
3.Iメッセージで伝えて、一緒に考える
自分の希望が分かったら、今度は相手に伝えます。
たとえば、「なんで手伝ってくれないの?」ではなく、
「今日はかなり疲れているから、食後の片付けを手伝ってほしい」と伝える。
「あなたが悪い」ではなく、
私はどう感じていて、どうしてほしいのかを伝えます。
主語は私、これが、Iメッセージです。
最初は勇気がいると思います。
「今日はとても疲れてしまって、休みたいんだ」
まずは、自分がどう感じているかを伝えるだけでもいいのです。
もちろん、相手には相手の事情や希望があります。
こちらの希望を断られることもあります。
相手だって、今まで当たり前だと思っていたことについて、違う意見を伝えられたり、行動を変えてほしいと言われたりすれば、反発することもあります。
相手の反応を「良い・悪い」で決めつけないことが大前提。
でも、そこで終わりではありません。
「私はこうしたい」
「あなたはこうしたいんだね」
そこから、
「じゃあ、どうしようか?」を一緒に考える。
自分の希望を伝える目的は、相手を自分の思いどおりに動かすことではありません。
自分の気持ちも相手の気持ちも、話し合いの中で尊重する。
お互いをないがしろにしない選択をする。
世間体や良し悪しで判断するのではなく、相手の話を聞き、自分の声に耳を傾ける。
そのうえで、自分たちが納得する選択をすること。
何度でも話し合い、考え直す機会を持つ。
それが、私にとって我慢だけに頼らない関係を作る方法でした。
「なんで私ばっかり」と思ったら、もう我慢だけで終わらせない
次に、
「なんで私ばっかり!」と腹が立ったとき。
その怒りを、すぐに消そうとしなくても大丈夫です。
「私は何に腹が立っている?」
「私は本当は、どうしたかった?」
まずは、自分の気持ちにも耳を傾けてみてください。
これまで周りを優先してきた人ほど、「私がこうしたいと言ってもいいの?」と不安になることもあると思います。
でも、自分の希望を伝えることは、相手の希望を無視することではありません。
相手の気持ちも聞く。
自分の気持ちも伝える。
そのうえで、二人が納得できる方法を一緒に考えていく。
と決めることが大切です。
相手との対話において、時にはくじけそうになることもあると思います。
でも、諦めず、お互いを尊重しながら話し続ければ、自分の気持ちは少しずつ伝えられる。
そう信じてみる。
私は、それまでずっと、
「私が我慢すればいい」しか知らなかった。
でも、我慢以外の方法もありました。
まずは今日ひとつだけ。
「私はどうしたい?」と、自分にも聞いてみてください。
分からなければ、
「私は何に腹が立っている?」から始めてもいい。
その怒りの中に、今まで後回しにしてきた自分の希望が隠れているかもしれません。
「我慢する人生を変えたい」と思うのなら。
まず自分の気持ちに気づくことが、抜け出す第一歩になるでしょう。
「ちょっと誰かに話したい」そんな時は
「私は本当はどうしたいんだろう?」
そう考えても、ひとりでは分からないことがあります。
そんな時は、話しながら整理してみるのも一つの方法です。
愚痴でも、まとまっていない話でも大丈夫。
「これって私が我慢しすぎなのかな?」
「どう伝えればいいんだろう?」
そんな疑問も、そのままお話しください。
電話相談「ちょっと話そ♪ なおママの『ゆるっとおしゃべり処』」では、1分から気軽にお話しいただけます。
相談というほどではなくても大丈夫です。
状況に応じて、一緒に気持ちを整理したり、考え方をお伝えしたりします。
今の気持ちをちょっと話してみたいときから、アダルトチルドレンの生きづらさまで、気軽にお話しください。
▶ ちょっと話そ♪「ゆるっとおしゃべり処」で話してみる
自分の気持ちを、もう少し深く整理したい方へ
「いつも私ばかり我慢してしまう」
その背景には、今の相手との関係だけではなく、これまで身につけてきた考え方や心のクセが関係していることもあります。
ビデオチャットでは時間を取って、
「私は何を我慢しているのか」
「本当はどうしたいのか」
「これからどう伝えていくのか」
を一緒に整理していきます。
無理に答えを出したり、考え方を押しつけたりはしません。
誰かに話すことで、自分でも気づかなかった気持ちが見えてくることがあります。
しっかり時間を取って、自分の気持ちを整理したい方はこちらをご利用ください。
▶ ビデオチャットでゆっくり気持ちを整理する