「言わなくても分かるでしょ?」とイライラする|ACの「察してほしい」が苦しくなる理由と3つの整理法

「言わなくても分かるでしょ?」とイライラする|ACの「察してほしい」が苦しくなる理由と3つの整理法

記事
コラム
「分かったって言ったよね?」
「私が嫌だって知ってるよね?」

それなのに、また同じことをされる。

そんな時、「もう言わなくても分かるでしょ?」と、腹が立つことはありませんか。

私は以前、相手に一度気持ちを伝えたら、その後は察して動いてくれるものだと思っていました。

アダルトチルドレンとして自分の生きづらさを振り返る中で、私はこの「察してほしい」という思いにも、子どもの頃から身につけてきた人との関わり方が影響していたことに気づきました。

もちろん、アダルトチルドレンだから全員が「察してほしい」と思うわけではありません。

今回は、私の場合、なぜ家族に「言わなくても分かってほしい」と求めていたのかも含めて振り返ります。

けれど振り返ってみると、私は「分かってほしい」だけではなく、
分かったなら、自分が望むタイミングで動いてほしい
とまで求めていたのです。

この記事では、「察してほしい」とイライラした時に、私が今も行っている3つの整理法についてお伝えします。

「言ったよね?」夫の服を見るたびイライラした


たとえば、洗濯物のことです。

私は、着た服は洗濯かごに入れてほしい。
できれば毎日、こまめに洗濯したいタイプです。

一方、夫には夫なりの基準があります。

「これは明日も着る」
「これはちょっとした時に着る」
「これはもう洗う」

そんなふうに分けているようで、服をすぐ洗濯かごに入れず、部屋に置いておくことがありました。

私としては、それがとても嫌でした。

洗うのか、まだ着るのか分からない。
洗濯するたびに、「これは洗うの?」「まだ着るの?」と確認するのも面倒です。

そこで一度、二人で話しました。

脱いだ服は、自分で洗濯かごに入れる。

夫も「分かった」と言いました。
これで解決すると思っていたのです。

ところが、しばらくすると、また服が一枚、二枚と置かれていきます。

それを見るたびに、
「言ったよね?」
「私が嫌だって分かってるよね?」
「なんでまた同じことするの?」
と、どんどん腹が立ってきました。

私は「一度言えば、もう分かってくれる」と思っていた


振り返ってみると、私は洗濯物だけに怒っていたのではありませんでした。

私の中には、
「一度伝えたのだから、もう分かってくれるはず」
という期待がありました。

もっと奥には、
「私が嫌だと言ったことは、もうしないだろう」
「私を大切にしているなら、嫌がることは避けてくれるだろう」
という思いもあったのです。

相手は私の気持ちを分かってくれる。
分かっているなら、動いてくれる。

そんなふうに考えていました。

だから同じことを繰り返されると、単に「服が置いてある」では済みません。

「どうして私が嫌だと言ったことをするの?」
「私の気持ちはそんなに大事じゃないの?」
と、怒りが大きくなっていったのです。

言葉では一度伝えていても、その後は、
「もう察して動いてくれるはず」と思っていたのだと思います。

同じことを繰り返す=私を大切にしていない、ではなかった


でも、そこで一度考えてみました。
夫は本当に、私を困らせようとして服を置いているのでしょうか。

そうではありませんでした。

仕事で疲れて帰ってきたら、洗濯物のことより先に休みたい日もあります。
まず自分の好きなことをして、気持ちを切り替えたいこともあるでしょう。

そして夫にとって、服をすぐ洗濯かごに入れることは、これまでの生活の中で習慣になっていませんでした。

一度「分かった」と思っても、気づけばいつもの行動に戻ってしまう。

私をないがしろにしたいのではなく、ただ今までの習慣に戻っていただけなのかもしれない。

そう考えると、少し見え方が変わりました。

私だって「嫌だ」と言われたことを、すぐには変えられなかった

そう思えたのは、私自身にも似た経験があったからです。

私は家事をしながら、YouTubeや音声を流して勉強することがあります。

食事の後も、そのまま音声を流しながら家事をする。
私にとっては、それが心地よい習慣になっていました。

ところが夫から、
「自分が興味のない内容を、ずっと聞かされるのは嫌だ」
と言われたことがあります。

私は、「そうなんだ。それならやめよう」と思いました。

でも、長く続けてきた習慣です。
家事を始めると、つい音声を流したくなる。

「今なら聞いていないかな」と思って、小さな音で流したこともありました。

夫の気持ちを無視したかったわけではありません。

自分にとって心地よかった習慣を、すぐに変えるのが難しかったのです。

考えてみれば、口癖を「今日からやめて」と言われても、すぐにはなくせないのと似ています。

「嫌だ」と伝えられた。
自分も分かった。

それでも、長く続いてきた行動はすぐには変わらないことがある。
私にもあるのだから、夫にもあるのかもしれない。

そう思えるようになりました。

「分かってくれた」と「すぐ変われる」は別だった


私は以前、「分かったと言ったなら、やってよ」と思っていました。

でも、
「分かること」と「行動が習慣になること」は別です。

今まで何年も続けてきた生活の中に、新しい行動を一つ加える。
たった一つでも、習慣にするのは簡単ではありません。

まして、それが本人にとってそれほど困っていないことなら、なおさらです。

私には「今すぐ直してほしいこと」でも、夫には同じ重要度ではなかったのでしょう。

そこで気づいたのが、「私のすぐ」と「相手のすぐ」は違うということでした。

アダルトチルドレンの私が「察してほしい」と思っていた理由


子どもの頃の私は、たくさんのことを家族にしてもらっていました。

お気に入りの服を何度も着たければ、母が早めに洗ってくれました。

家に帰れば、ご飯ができている。
普通にお風呂に入れて、生活が整っている。

当時の私は、それを当たり前のように受け取っていました。

大人になって自分で家事をするようになってから、
私が心地よく暮らせるように、周りの人がたくさん動いてくれていたんだと気づきました。

そして、アダルトチルドレンとして自分の人間関係を振り返った時、もう一つ気づいたことがあります。

私は、自分がどうしてほしいのかを言葉にして、相手とすり合わせることがあまり得意ではありませんでした。

相手の様子を見て、
「今は言わない方がいいかな」
「こうしておけば大丈夫かな」と考えて行動することはできる。

その一方で、自分の希望を伝えて、
「私はこうしたいけれど、あなたはどうしたい?」と話し合うことには慣れていなかったのです。

だから近い関係になるほど、
「私は相手のことを考えて行動できるのだから、相手も私のことを分かって行動してくれるだろう」
「家族なら、言わなくても分かってくれるだろう」
という期待を持っていたのだと思います。

私にとって、相手の態度で「言わなくても察する」ことは当たり前だった。
だから、相手にも同じように求めてしまっていた。

そして、思った通りに動いてもらえないと、
「どうして分かってくれないの?」
「私なら相手が嫌がることはしないのに」と腹が立つ。

今振り返ると、私は「相手も私を察してくれるのが当たり前」と思っていたため、
自分の希望と相手の希望を言葉にして調整する方法を、十分に知らなかったのだと思います。

ここに気づいたことで、
「相手が察してくれない」
だけではなく、
「私は今、自分の希望をきちんと言葉にできているかな」
「相手にも違う希望があることを忘れていないかな」
と考えられるようになりました。

「察してほしい」で苦しくなった時の3つの整理法


アダルトチルドレンとして自分の人間関係を振り返っていく中で、
私は「察してほしい」という気持ちそのものを責めるのではなく、
その奥に何を求めているのかを見ることが大切だと感じるようになりました。

では、「言ったよね?」「それくらい分かってよ」
と腹が立った時、どう整理したらいいのでしょうか。

私が今も行っている方法を、3つに分けてみます。

1.まず、自分の怒りをそのまま書き出す

最初から、「相手にも事情がある」と考えなくて大丈夫です。

まずは、怒っている自分をそのまま認めます。

紙でもスマホでも構いません。

「何回言わせるの!」
「ちゃんとやってよ!」
「私をイライラさせないで!」
「私の気持ちを無視しないで!」
「言ったことくらい覚えていてよ!」

きれいな言葉に直す必要はありません。
誰にも見せないのですから、頭に浮かんだ言葉をそのまま書いてみます。
無理にスッキリしようとしなくても大丈夫。

もう書く言葉が出てこなくなるまで、まずは書いてみます。

2.書いた言葉から「私は何が嫌だった?」を見つける

書いたものを、改めて読んでみましょう。
すると、自分が本当に嫌だったことが少しずつ見えてくることがあります。

私の場合は、「何度も同じことを言いたくない」でした。

また注意する。
また夫が嫌な顔をする。
また私も腹を立てる。
毎日のように服を見て、そのたびにイライラする。

その繰り返しが嫌だったのです。

さらに見ていくと、
「一度言ったのだから、もう分かって動いてほしい」
という気持ちもありました。

そこで私は、
「私はまた、相手が自分の望むように動くところまで求めているんだ」と気づきました。

相手に、「私はこうしてほしい」と希望を伝えることはできます。

でも、相手がいつ、どのように動くのかまで、私が決めることはできません。

「察してほしい」と苦しくなる時には、
相手が分かってくれないことだけではなく、
「分かったなら、私が望むタイミングで動いてほしい」
という気持ちが隠れていました。

3.二人で決めた後は、相手が動く時間を残す

自分が何を嫌だと感じているのかが分かったら、相手にも相手なりの理由があることを考えます。

今回の洗濯物なら、私には、
「洗うのか分からない服が置いてあるのが嫌」
「洗濯するたびに確認するのが面倒」
という理由がありました。

一方、夫には、「まだ着る服まで、すぐ洗濯かごに入れたくない」という理由があります。

ここで、「どちらが正しいの?」と考えても、答えが出ないことがあります。

どちらにも理由があるからです。

そんな時は、どちらかの基準だけに相手を合わせるのではなく、
「じゃあ、二人はどうする?」を考えます。

私たちは話し合って、
「洗う服は、自分で洗濯かごに入れる」と決めました。

相手にも理由があるからといって、自分だけが我慢する必要はありません。

自分が困っていることを伝える。
相手がどうしたいのかも聞く。

そのうえで、二人に関わることなら、二人ができる方法を考えます。

でも、今回私が気づいたのは、その先でした。

二人で決めた後も、私は夫が「いつ動くか」まで、自分の思い通りにしようとしていたのです。

「決めたんだから、すぐやってよ」
「分かったなら、もうできるよね」
そんな期待を持っていました。

服が置いてあれば、すぐ拾う。
「また置いてあるよ」と注意する。
文句を言いながら、結局は私が洗濯してしまう。

でも、それでは夫が自分で考えて動く前に、私が動かしているのと変わりません。
そこで私は、一度手を出すのをやめてみました。

夫が自分で洗濯かごに入れると決めたのだから、
いつ入れるかまで私が決めず、夫が自分で動く時間を残してみよう。そう考えたのです。

私が先回りするのをやめたら、夫自身が困った


しばらくすると、「あの服どこにいった?」「着ようと思った服がない」と、夫が探すようになりました。

服は洗濯されていません。
自分で洗濯かごに入れていなかったからです。

そこで私は、「洗濯かごに入っているものを洗うって話だったよね」と伝えました。

すると夫自身が、「自分で入れなければ、洗濯されない」と気づくようになりました。

そこから少しずつ、自分で服を確認し、洗うものをかごに入れるようになっていきました。

私が何度も怒って動かそうとしていた時より、
本人が困って、「自分が動かないといけない」と気づいてからの方が、行動が変わっていったのです。

信じて待つというのは、「きっと相手は私の望む通りにやってくれる」と信じ込むことではありません。

私が先回りして動かなくても、相手は相手で考えられる。

その時間を残しておくこと。

それも、相手を信じることなのだと思います。

もちろん、一度決めた方法がうまくいかないこともあります。

そんな時は、「じゃあ、二人はどうする?」と、また話せばいい。

話し合う。
やってみる。
一度、相手に任せてみる。
困ることが出てきたら、また話す。

その繰り返しでいいのだと思います。

「察してほしい」を手放す=全部自分でやる、ではない


以前の私は、「分かったなら、すぐ変わって」と思っていました。

でも、自分自身だって、分かっていてもすぐ変えられないことがあります。

だから今は、「私のすぐ」と「相手のすぐは違う」とそう考えられるようになりました。

「察してほしい」を手放すことは、相手に何も期待しなくなることではありません。

全部、自分でやることでもありません。

自分の気持ちは伝える。
相手の理由も聞く。
二人に関わることなら、二人でどうするかを考える。
そして、決めた後は相手が自分で動く時間も残しておく。
うまくいかなかったら、また話し合えばいい。

そう思えるようになってから、
「なんで分かってくれないの?」
と相手を動かそうとしていた時よりも、少し気持ちが楽になりました。

アダルトチルドレンとして自分の人間関係を振り返る中で、
私は「相手に察してもらう」ことよりも、
自分の気持ちを知り、言葉にし、
相手の気持ちと分けて考えることを少しずつ覚えてきました。

今では、普通に放置されている服を見ても、イライラすることはなくなりました。

もちろん、日常の中では、またイライラすることが現れます。
その都度、心を見つめ直し、二人で話し合い相談する。

それが、私にとって、お互いを尊重しあえる関わり方です。

今日からできる小さなこと


もし今日、
言ったよね」「なんで分かってくれないの」「それくらい察してよ」と腹が立つことがあったら、
まず、その怒りを書き出すことを始めてみてください。

最初から理由を探さなくても大丈夫です。

「腹が立つ」
「何回言わせるの」
「ちゃんとやってよ」
そんな言葉からで構いません。

まずは、出てくる言葉をそのまま書く。

書く言葉がなくなったら、そこで初めて読み返してみます。

そして、「私は本当は何が嫌だったんだろう?」
と、自分に聞いてみてください。

そこに、自分でも気づいていなかった気持ちが隠れていることがあります。

まず、怒っている自分に気づいてあげること。

そこからで大丈夫です。

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