賢い親ほどハマる『認知的不協和』

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塾依存から抜ける学びを編集している、マモ~です。授業の前に必要な「学びの土台」について発信しております。いかがお過ごしでしょうか。

今回は、「賢い親ほどハマる認知的不協和」というテーマでお話ししていきます。まず、この「認知的不協和」についてです。

これは、心理学者のレオン・フェスティンガーが提唱した概念で、簡単に言うと、自分の信念と現実が矛盾している状態、あるいはその矛盾によって生じる不快感やストレスのことを指します。

人は基本的に、どこかで、
「自分は頭がいい」
「自分は有能だ」
「自分は正しい」
と思っている生き物だと思います。

もちろん程度の差はありますが、少なからず誰しもそういう感覚はあるのではないでしょうか。

では、その自分の考え方や信念に反する事実が出てきたとき、人はどう受け取るのか。ここで認知的不協和が起こります。

大きく分けると、反応は二つあります。一つは、現実を受け止めて、自分の考えや信念を改めること。ただ、これは少数派だと思います。

なぜなら、自分の信念を曲げるということは、ある意味で「自分は間違っていた」と認めることでもあるからです。

それは怖いんですよね。自分が有能ではないように感じてしまう。自分の正しさが揺らいでしまう。だから、多くの人はもう一つの反応を取ります。

それは、現実の方をねじ曲げて解釈するということです。自分にとって都合のいいように、事実を受け取り直してしまう。

偉そうに話していますが、私自身もこちら側に陥ることはあると思っています。

ずっと信じてきたものが覆るのは、やはり怖いです。だから、自分の信念を変えるよりも、現実の解釈を変えてしまう。

そして、これは特に、いわゆるエリートの方ほど陥りやすいのではないかと感じています。

私は学習塾で担任をしていて、いろいろなご家庭と接しています。その中には、学歴的にとても優秀な親御さんもいらっしゃいます。たとえば、東大卒のお母さんです。

もちろん、学歴が高いこと自体は素晴らしいことです。ただ、子どもへの関わり方を見ていると、担任である私から見ても、科目を指導する先生方から見ても、「これは少し良くないかもしれない」と感じるケースがあります。

あるご家庭では、お母さんが子どものやることをほとんど全部決めていました。

タイムスケジュールも決める。やる課題も決める。本人は、ただひたすらお母さんの指示通りに動く。

まるで、上司と部下のような関係です。言い方を選ばずに言えば、かなりのマイクロマネジメントに近い状態でした。

本人としては、「できていないと怒られる」という感覚もあったと思います。これが、学びの面ではあまり望ましくありませんでした。

まず、復習する時間が十分に取れていませんでした。新しいことを、どんどん、どんどん詰め込んでいく。

でも、学びというのは、新しいものに触れれば伸びるわけではありません。
一度学んだことを振り返る。自分の中で整理する。できなかった問題を解き直す。なぜ間違えたのかを考える。

この復習の時間がないと、なかなか身になりません。さらに言えば、優秀な生徒ほど本来は、自分で考える時間を持っています。

「今の自分は、ここが課題だ」
「だから、こういう勉強をした方がいい」
「このやり方でうまくいかなかったから、次は変えてみよう」

そうやって仮説を立てて、自学をして、試行錯誤をして、時には失敗して、そこから学んでいく。このプロセスがとても大事なんです。

ところが、そのご家庭では、そのプロセスを親御さんが奪ってしまっているように見えました。そこで面談では、私からも、科目担当の先生方からもお伝えしました。

「もう少し復習の時間を設けないと、身になりにくいです」
「本人が自分で考える時間を作った方がいいです」
「お母さんが決める量を、少し減らしていく必要があると思います」
「今の関わり方のままだと、なかなか伸びにくいかもしれません」

複数の先生からも、そして私からも、同じような話をしました。ただ、お母さんの中には、

「とにかく量をこなせばいい」
「いろいろな問題に触れればいい」
「自分のやり方は正しい」
「だから、自分が決めたことを子どもにやらせればいい」

という信念があったのだと思います。私たちは、その根底を覆すような提案をしたわけです。そして、結果的にどうなったか。

お母さんは、考えを改めるのではなく、むしろご自身の考えをさらに強めてしまいました。

本人へのタスクの量も増え、関わり方もよりエスカレートしてしまったんです。

正直に言うと、認知的不協和について知っておきながら、私のお母さんへのアプローチは失敗してしまったなと思っています。

もちろん、今はそれを踏まえて、先生方や本人とも話をしながら、どう関わり方を変えていくか、いろいろと策を講じています。

ただ、これはまさに、認知的不協和に陥った一つの例だと思ったので、今回お話しさせていただきました。

認知的不協和の怖いところは、本人がそれに気づきにくいことです。よほど俯瞰する力がある人や、メタ認知能力が高い人であれば気づけるかもしれません。

でも、多くの場合、自分が認知的不協和に陥っているとはなかなか分かりません。私自身も、もちろん何かしらの場面で陥っている可能性は大いにあると思っています。

だからこそ、
「認知的不協和とはこういうものなんだ」
「自分の信念と現実がぶつかったとき、人は事実を曲げてしまうことがあるんだ」
「親の正しさが、子どもの成長を止めてしまうこともあるんだ」

と知っておくだけでも、全然違うのではないかと思います。今回は、自分自身への備忘録も兼ねて、お話しさせていただきました。

最後に、少しお知らせです。

現在、ココナラにて、中高生向けのオンラインセッションを提供しています。
内容は、勉強を教えたり、答えを与えたりするものではありません。

インタビュー形式の対話を通して、本人の考え・感情・経験を一つずつ言語化していくセッションです。

「何を考えているの?」
「どうしたいの?」
「何に困っているの?」

そう聞かれても、うまく言葉にできない中高生は少なくありません。
でも、それは能力不足ではなく、自分の考えや感情を言葉にする機会が少なかっただけかもしれません。

勉強、進路、人間関係、将来への不安。
そういったモヤモヤを第三者との対話を通して整理し、

「自分は今、何に困っているのか」
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「次に何をすればよさそうなのか」

を、自分の言葉で説明できる状態を目指します。これまで個別指導塾で200組以上の親子を支援してきましたが、成績や能力以前に、「言葉にできないこと」でつまずいている子を多く見てきました。

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ということで、最後はお知らせになりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。それでは、良い一日をお過ごしください。
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