## 酒を飲んだ後、気づいたら俺は人殺しになっていた
ある晩、いつもの居酒屋で友人たちと一緒に瓶ビールをあけて、乾杯の音が響いていた。小さなテーブルを囲みながら、俺たちは笑ったり、くだらない話をしたり、時折真面目な話になったりと、賑やかな時間を過ごしていた。それも運命のいたずらだと知らずに。
花火大会がすぐ近くで開かれている日だった。ビールが進むにつれて、頭もすっかり冴えわたっていた。俺は何も考えずに、ただその瞬間を楽しんでいた。だけど、いつの間にか酔いがまわり、自分がどれほどの量を飲んでいたのか全く覚えていなかった。そして、他の仲間もすでに酔いがまわり、もちろんこの日はもう帰らずに、居酒屋に泊まることに決まった。
次の日目を覚ますと、俺は全く見知らぬ場所にいた。周りには何もない、ただ空き地と道が広がっているだけだった。なんだここは? 酔ったときの記憶なんてどこへやら、頭は鉛のように重たく、体中がだるい。
ふと、頭の片隅に、何かを忘れている気配を感じた。ドキドキしながら携帯電話を取り出して、何か手がかりが残っていないか確認した。すると、未読のメッセージが一通。友人のメッセージだ。「お前、昨夜にメチャクチャやったぞ。知らなかったのか?」とだけ書いてあった。
その瞬間、心臓が止まるような感覚に襲われた。何をした? 昨夜の記憶がフラッシュバックする。酒に酔った俺は、町の裏通りで喧嘩をしていた。相手は俺の顔を殴り、思わず反撃した。その後のことは、全く何も覚えていない。
慌てて友人に電話をかけた。彼はたしかに昨夜の出来事を詳細に説明してくれた。そして、俺の手には血が付いていたこと、相手がどうなったかは分からないが、ひどいことになっていたらしいというのだ。
その瞬間、俺の心は恐怖と後悔に支配された。酔っていたからって、こんなことをするなんて…人殺しになってしまったのか。考えるだけで胸が苦しくなり、泣きたい気持ちでいっぱいだった。
酒のせい? それとも、俺の中に潜んでいた何かだったのか。どちらにせよ、もう戻れない現実が待っている。警察が来るのも、時間の問題だ。
俺は人生の全てが一瞬で崩れ去り、これから何が待っているのか恐怖で押し潰されそうだった。しかし、気持ちを整理する時間はない。俺はどうにかしないと。誰にも会わず、誰にも言えず、俺自身が逃げてしまう前に、責任を取らなければならない。
彼らが見えるまで、もしくは警察が来るまでのわずかな時間、俺はただ考え続けていた。どうすれば、こんな状況から逃げられるのだろうか。しかし、どんな手を尽くしても、もうすでに遅かった。俺の運命が大きく動き出す準備を整えていたからだ。
冷たい風が吹き抜け、これからの果てしない道が目の前に広がっている。俺は一歩を踏み出した。人を壊す力は、俺にとって一番恐ろしいものだ。これから始まる新たな闘いに備えるための一歩だった。
悪夢の始まりに過ぎない。酒のせいにして逃げることはできるが、その後は自分次第だ。