青の教室 「色が見つかる場所」 第10章 りくの根源──“素直さ”が前へ進む力になる
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第10章 りくの根源──“素直さ”が前へ進む力になる
藤井りくは、
青の教室に向かう途中、
ランドセルの肩ひもをぐっと握りしめていた。
(今日こそ……ちゃんとやる)
そう思ってはいるのに、
胸の奥がざわざわして落ち着かない。
昨日のテストの点数が、
まだ頭の中にこびりついていた。
「俺、バカだからさ」
そう言って笑った自分の声が、
耳の奥で何度も反響していた。
(ほんとは……悔しいんだよ)
その気持ちを、
りくはまだ誰にも言えていなかった。
■ 青の教室での“静かな決意”
青の教室に入ると、
ひなたとそらがすでに来ていた。
「りく、今日も来たんだ」
ひなたが笑顔で手を振る。
「うん……まあな」
りくは照れくさそうに返した。
そらが静かに言った。
「りく、なんか今日……
ちょっとだけ真剣な顔してる」
「えっ、マジ?」
ひなたも頷いた。
「うん。なんか……
前より“やる気の風”が吹いてる感じ」
りくは、
胸の奥が少し熱くなった。
(やる気の風……か)
■ りくの“揺れ”が言葉になる
プリントを開いた瞬間、
りくの手が止まった。
(……またできなかったらどうしよう)
胸の奥がざわざわして、
鉛筆が動かない。
友彦がそっと近づいた。
「りくくん、今日はどんな風が吹いてる?」
りくは、
しばらく黙っていた。
そして、
ゆっくり口を開いた。
「……俺、悔しいんすよ」
その言葉は、
りくが初めて自分の“揺れ”を
正面から言葉にした瞬間だった。
友彦は、
その言葉を大切に扱うようにうなずいた。
「悔しいってね……
前へ進む根っこが動いてる証拠なんだよ」
りくは、
胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。