青の教室 「色が見つかる場所」 第11章 三人の色が響き合う
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第11章 三人の色が響き合う
春の風が、
青の教室の窓をやさしく揺らしていた。
ひなたは、
プリントを前にして腕を組んでいた。
「うーん……今日はどれからやろうかなぁ」
以前のひなたなら、
“どれでもいいや”と適当に始めていた。
でも今は違う。
(選ぶって……
なんか、ちょっと楽しい)
ひなたは、
自分の中に芽生えた“広さの方向”を感じていた。
■ ひなたの広さが、そらを照らす
そらが静かに言った。
「ひなた……
今日、なんかいつもより落ち着いてるね」
「えっ、そう?
そらの方が落ち着いてるよ!」
ひなたは笑った。
そらは、
ひなたの明るさにいつも救われていた。
(ひなたって……
広いんだな)
そらは思った。
ひなたの“広さ”は、
そらの“静けさ”をそっと押し出してくれる。
■ そらの静けさが、りくを支える
りくがプリントを前にして言った。
「そら、この問題……
なんかよくわかんねぇ」
そらは、
ゆっくり、丁寧に説明した。
「ここはね……
こう考えるといいよ」
りくは目を丸くした。
「そら、すげぇな。
なんか……落ち着く」
そらの静けさは、
りくの“素直さ”を安心させる。
(そらって……
静かだけど、強いんだな)
りくは思った。
■ りくの素直さが、ひなたを動かす
りくがふとつぶやいた。
「俺さ……
もっとできるようになりたいんだよな」
その言葉は、
りくの根源そのものだった。
ひなたは、
胸の奥がじんわり熱くなった。
(りくって……
素直で、まっすぐなんだ)
ひなたは思った。
りくの素直さは、
ひなたの“広さ”に方向を与えてくれる。
■ 三人の色が交差する瞬間
三人は、
同じ机の島でプリントを解きながら、
自然と笑い合っていた。
ひなたの広さが、
そらの静けさを照らし、
そらの静けさが、
りくの素直さを支え、
りくの素直さが、
ひなたの広さを動かす。
三つの色が、
互いを押し出し、
互いを支え、
互いを照らしていた。
青の教室は、
三人の色が響き合う“交差点”になっていた。
■ 友彦のまなざし
三人が帰ったあと、
友彦は静かに机を見渡した。
ひなたの“広がる線”。
そらの“静かな文字”。
りくの“力強い書き跡”。
三つの色が、
淡く、しかし確かに重なり合っていた。
青の教室は、
今日も静かに光っていた。